世界でエネルギー供給が滞っている中で、少し明るいニュースが?
【ミャンマー】南部沖天然ガス鉱区、27年末までに生産開始
6/2(火) 11:30
ミャンマー南部タニンダーリ地域ミエイ(旧メルギー)沖合のM15鉱区で、2027年末までに天然ガスの生産が開始される見通しだ。年内に掘削を開始する計画で、実現すればミャンマー初の深海ガス開発案件となる。5月31日付の国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーが伝えた。
Yahoo!NEWSより
なんと、ミャンマーで新たなガス田が開発されるという。実際のところ、ミャンマーは国内に複数のガス田を持っていて、天然ガスの生産ができる。更に余り知られてはいないが油田も持っているのである。
なお先の見えないミャンマー経済
ミャンマーは資源保有国
じゃあ、資源国なのでは?と思われると思うのだが、ミャンマーは資源輸入国である。
ミャンマーは、タウクシャピン・カンニ陸上油田の石油生産量を増やすため、中国企業と契約を締結したと国営メディアが報じた。この契約は、ミャンマー電力エネルギー省と、中国のノース・ペトロケム・コーポレーション(ミャンマー)(ノース・ペトロリアム・アンド・ケミカル・グループ(NPCC)の子会社)の間で締結された。この石油増産契約は、ミャンマーの石油生産量増加を目的としている。
newvisionより
油田の開発も始まってはいるが、実はこれもそんなに順調というわけではない。
深刻なインフレ、国軍の策は「身柄拘束」 ミャンマー国民の生活困窮
2023年9月20日 19時30分
国軍が2021年にクーデターで全権を握ったミャンマーで、食用油など生活必需品のインフレが深刻化して市民生活が窮地に追い込まれている。
朝日新聞より
ミャンマー経済に関するニュースは少ないので、2023年の記事で申し訳ないが、インフレが加速している状況である。最近では、インフレ率24.6%という状況らしく、国民生活は苦しい。
ガス田や油田を持っていても、採掘技術を殆ど持っていないので支那頼み。実際に油田の話もガス田の話も、支那の技術供与なくしては成り立たない。
資源はあっても活かしきれない構造
ミャンマーのガス田や油田で働く労働者のうち、上層部にいる技術者は殆どが支那頼み。
ミャンマー、タウクシャビン・カンニ油田の石油生産量増加に向けた協定を締結
2026年4月12日公開
ミャンマー電力エネルギー省は、タウクシャビン・カンニ油田における原油生産量を増加させるため、ノース・ペトロケム・コーポレーション(ミャンマー)社と原油増産協定を締結した。
~~略~~
連邦大臣は、ミャンマーの多くの油田と同様に、この油田も操業開始から約50年が経過しており、老朽化が進んでいるため、収穫量を向上させるには最新技術、適切な設備、熟練した人材、そして投資が必要だと指摘した。選定された企業は、これらの要件を満たす能力に基づいて選ばれた。
Elevenより
ここに出てくる「熟練した人材」というのはミャンマーで選ばれるわけではない。多くの支那出資事業で行われるように、支那人労働者を多数採用することになるのだ。
この構図は以前から続けられていて、ミャンマー国内には雇用を生み出しにくく、技術蓄積もしにくい構図になっている。
更に、多くのガス田や油田が老朽化していることも、手持ちの資源を生かし切れない要因となっている。
クーデターがもたらした外交環境の変化
それでもミャンマーは以前は民主化が進んで経済が発展するだろうと目されていた時期があった。
しかし2021年にクーデターが勃発し、ここからミャンマーの悪夢が始まってしまう。
軍によるクーデターは成功し、ミン・アウン・フライン氏を中心とする軍政が成立した。その結果、
- 欧米諸国との関係悪化
- 経済制裁・投資停止
- 国際的孤立の深化
を招くこととなった。
このクーデターは、ミンアンフライン氏の自己保身の為の政変だと理解されているため、本来であれば、日本や欧米、ASEAN諸国との関係を軸にした資源開発の拡大が期待されていた局面であったが、その道は大きく制約された。
結果として、資源開発そのものも停滞しやすい環境が醸成されてしまった。
ミャンマー、工場操業にブレーキ 中東危機で日系特区にも調達制限
2026/6/12 12:06
4月に新政権が発足したミャンマーで製造業が材料の輸入制限措置に揺れている。当局は中東危機で逼迫する燃料など必需品の輸入を優先する。日系が集積するティラワ経済特区では想定外の事態で工場操業にブレーキがかかった。
日本経済新聞より
日本を始めとした西側諸国も、ミャンマーから完全撤退したというわけではないのだが、ミンアンフライン氏による独裁政権とは折り合いが悪い。
そしてイラン戦争開始によってそこにもブレーキがかかった。
民主化プロセスの「看板」と現実
軍政側は一貫して「秩序回復後の民主化」を掲げている。
ミャンマー大統領に軍政首脳 「クーデター体制」終幕も霧中の民主化
2026年4月3日 15:45
ミャンマー国会は3日、ミンアウンフライン前国軍総司令官(69)を大統領に選出した。2021年のクーデターで成立した軍事政権の最高権力者だ。実質的に現在の権力を継承する形で、民主化路線への回帰は霧の中だ。
日本経済新聞より
4月には大統領制に移行して、民主化宣言をしている。形としては軍事政権は終了して、大統領を最高権力者としたのだ。
しかし実態としては、
- 軍トップのミンアンフライン氏の権力維持
- 内戦の長期化
- 政治プロセスの停滞
が続いており、その看板の説得力は弱い。
このため国際社会、とりわけ日本や欧米にとっても、積極的な支援を正当化しにくい状況が続いている。
それでも、例えば日本であれば、先に挙げたティラワ経済特区などでは開発が続けられているが、ここも政府からの手厚い保護があるとは言い難いところ。
日本と西側が失った「関与の余地」
ミャンマーにとって、日本はもともと特殊な位置にあった。
戦後からの関係蓄積に加え、ODAや経済特区などを通じて、政治体制を過度に問わない形で関与してきた数少ない国である。
本来であれば、
- 技術支援
- インフラ整備
- 経済発展支援
といった形で関係を維持できる余地があった。
しかしクーデターによって、その前提条件自体が揺らいだため、結果として、日本も積極関与しにくい状況へと追い込まれているのだ。
残された選択肢としての支那
一方、支那は異なる立場を取る。
いわゆる民主化や人権問題を前面に出すのではなく、
- エネルギー権益
- インフラ
- 回廊構想
- 地政学的安定
といった実利を重視する。
実際、支那は自分のところが一党独裁状態にあって、「独裁だからダメ」とか「民主化が進んでいないのはダメ」とか言わないのである。
そのため、政治体制の評価とは切り離して関係を構築する余地があり、その構造は、軍政側にとって相対的に受け入れやすいものとなる。
結果として、ミャンマーと支那との関係は必然的に濃くなる。
北京訪問の象徴性
こうした流れの中で行われた北京訪問は、単なる外交日程以上の意味を持つ。

それは「対等な経済協力」というよりも、むしろ「選択肢が限られた中での支援要請」としての性格が強い。
外形的には、あたかも朝貢を受けたかのような構図にも見える。
もちろん現代の国際関係において、単純な上下関係として整理できるものではない。
しかし、力関係の非対称性が視覚的に浮かび上がるのも事実である。
支那にとっての合理性とミャンマーの苦境
支那にとっては、この構図は極めて都合が良い。
エネルギー回廊の確保、インド洋へのアクセス、周辺地域の影響力維持という観点から見れば、戦略的価値は大きい。実際に、先日言及したようにパイプラインが作られて、港も整備されている。マラッカ海峡をパスするという意味では、ミャンマーの存在は重要なのだ。
が、支那の経済状況を考えると、これまでの一帯一路政策に纏わる案件のように多額の予算を投じて海外でのインフラ開発を続けることは難しい。
中国の政府債務が「100兆人民元」を突破…5年間で2倍に
2026/06/15 08:08
中国ビジネス専門メディア“第一財経”は14日(現地時間)、中国人民銀行が最近発表した “5月金融統計”で「5月末時点における中国政府の債務残高は、1年前より15.1%増加した100兆6000億人民元(約2380兆5077億円)を記録した」と明らかにした。
WOWkoreaより
一方でミャンマー側にとっては、選択肢の縮小そのものが問題である。
本来であれば複数のパートナーを持ち、バランスを取りながら資源開発を進める余地があった。
しかし現状では、その余地が大きく狭まっている。
まとめ
ミャンマーは資源を持ちながら、それを十分に活かしきれない構造にある。
そしてクーデター以降の政治的選択は、その制約をさらに強める結果となった。ミンアンフライン氏の北京訪問はまさにそれを象徴する出来事であり、支那にとっては実に都合の良い展開となっている。
一方でミャンマーにとっては、依存先の集中という苦渋の選択であり、国政を立て直す道筋はいまだ不透明なままである。



コメント
さぁ効果あるのか無いのか。シナにたってもミャンマーにとっても。
シナから散々に圧力かけられて、特殊詐欺団地にミャンマー軍は手を付けるも失敗してますからね。
日韓以上にシナ国内の被害が凄くて、
ケツ叩かれて軍を大動員。いくつかの拠点を解放したけれど、総体としては失敗でせう。
シナの犯罪組織の方が上手なうえに、
覚醒剤を握るワ族軍閥もいる。
正規軍がギャングに負けてるようじゃ、ミャンマー軍部のグリップもタカが知れてると想いますね。
懸念してるのは、パイプラインへのゲリラの攻撃や、特殊詐欺拠点の摘発を口実にシナが軍の進駐だの、派兵だのをミャンマーに認めさせること。
キンペーが「それだけ」で済ますとは到底に思えません。
私がシナ軍の進駐とか言い出すのではと疑うのは、ミャンマー軍弱いから。
メキシコやドゥテルテ時のフィリピンに比べて、明らかに犯罪集団の摘発やらが成果が出ない!
ぬるいというか、ミャンマー軍の士気が低いからだと想うんすよね。
ギャングに買収されまくってるメキシコですら、やる時は大量にしゃさつしまくって成果を出してる(米国がうるせーから)それに比べると微々たるものなんですよ戦果が。
特殊詐欺や臓器密売の組織の上層部は明らかにシナ人なのですが、でもそれシナ本土でも厄介払いというか、北京も皆殺ししたい連中なので、シナ人だから圧力で手が付けられないという話ではない!
丸腰のミャンマー市民にゃ強面だが、
武装した相手だとギャングにすら太刀打ちできないのがミャンマー軍の実態かなと。
んな連中にパイプラインを狙われたら、シナとしても進駐軍を強固な打診せざる得ないでせう?
ミャンマー軍が弱いのは、クーデターの時に随分と国軍から戦力が剥がれてしまったという側面もあるようなのですね。
その辺りは一度整理したいと思いますが、ミンアンフライン氏自身は軍人としても優れた能力があったわけではありませんし、政治家としても優れてはいないのです。
あるのは保身と権力欲という酷い話でして。そりゃあ、ミャンマー軍も士気が上がりませんよ。
泣く泣く削った特殊詐欺団地の話ですね。
本稿は長くなりすぎたので分割したのですが、本来であれば後半部分に、ミャンマー現政権の腐敗っぷりについて言及する部分があったのです。
結論が迷子になったので、カットしちゃいましたが。
支那も、ミャンマーと組むのは痛し痒しの部分がありますね。
アウンサンスーチー政権で真面な民主主義が出来たか?
開発独裁以外に選択肢が有ったか?
アウンサンスーチー政権が良かったとは思わないのですよ。
ただ、今のミンアウンフライン氏はかなり酷いんですよ。それはまた別の記事で。
ビルマ油田群は1880年以前から
WWⅡで荒廃していた
現在産出する天然ガスの七割を輸出するも国内は電力不足
食べ物を飢餓輸出するよりはマシたけど、それは酷い話ですよね。
技術力がありませんから、再開発したくても出来ないんですよね。
今のところ僅かながら油は出るようですよ?ただ、量が確保できないみたいです。
天然ガスも自前では掘れないのですから、仕方がありませんね。
こんにちは。
水島上等兵も泣いているでしょう……
というのはさておき。
自分で開発出来ない資源を持つ国繋がりで、ベネズエラが手招きしているのが見えました。
やっちゃえトランプ!<待て
こんにちは。
ヤンゴンの竪琴ですね(違う)
でも、本当にベネズエラがちらつくんですよ。
支那に食いつかれるところまでセットで。