日本も株価が上がっているが、韓国のKOSPIも大概上がっている。
韓国株 終値が初の9000超え=今年4000ポイント超上昇
2026.06.18 16:33
18日の韓国株式市場で総合株価指数(KOSPI)は前日比199.60ポイント(2.25%)高の9063.84で取引を終え、初めて9000の大台を超えた。
聯合ニュースより
この前代未聞のKOSPIの実態は、半導体2社が牽引していているからなので……、あまり羨ましくないんだよね。
CPTPPに加入したいと表明する韓国
どこからのニュースなのか
そういえば、先日ちょっと不思議なニュースを見かけた。
韓国がTPP加盟申請へ 6月下旬に表明、日本は支持 水産物規制問題は事実上切り離し
2026/6/12 21:06
韓国政府は、環太平洋連携協定(TPP)への加盟を申請する方針を固めた。今月下旬にも閣僚会議を開いて表明する方向で調整している。米国のTPP離脱後、加盟国拡大を進める日本は支持する見通し。加盟に当たって懸案となっている東京電力福島第1原発事故を受けた韓国の日本産水産物輸入規制問題は、改善基調にある日韓関係を踏まえ事実上切り離す。日韓外交筋が12日明らかにした。
産経新聞より
日本が、韓国のCPTPP加入を後押しするというニュースである。それを産経新聞が報じている点が不思議なのだ。
- 日本政府からの公式発表なし
- 外務省も経産省それに類する発言をした形跡がない
- 「日本産水産物輸入規制問題」を「事実上切り離す」って、意味が分からない
- CPTPPの審査は申し込んだ順に行われるのが通例
- だいたい、「日韓外交筋」って誰よ。
それは流石にCPTPPをバカにし過ぎだろう。
厳格なルールを守ってこそのCPTPPであるので、いかにも政治的な理由から水産物輸入規制を棚上げするなんてわけがない。
水産物問題は終わっていない
その割には、こんな説明も。
一方で、韓国政府関係者は「水産物の輸入再開に向けた協議が難航した場合、日本が最終的に加盟に難色を示す可能性はあるだろう」との見方を示した。
産経新聞「韓国がTPP加盟申請へ~」より
この話は実は韓国政府としては、簡単に決断できないのだ。親日派に分類されると、韓国内では支持率が落ちることになる。そんな危ない道は選べないのである。
日本政府、禁輸解除へ機運醸成 韓国で水産物の安全訴え
2026年06月18日14時33分
日本の農林水産省は17日、ソウルで、韓国の食品流通業者らを招き、日本の食品の安全をアピールするイベントを開いた。韓国は東京電力福島第1原発事故後に福島など8県の水産物の輸入を禁止。禁輸解除への機運醸成を図った。
時事通信より
実際、日本側は禁輸解除を求めて動いているわけで、「棚上げしてCPTPPへの韓国加盟申請の後押し」というのは話が食い違う。
韓国政府は、この方針に関して、国産を含む水産物の消費を支えるため、2023年には1,440億ウォンの予算を組んでいる。2023年から2028年までの6年間で総額3兆1,436億ウォン(約3,480億円)に上る予算を計上する予定なんだとか。
その点からも、日本政府の方針と食い違うし、CPTPPの趣旨とも合わない。
そもそも、単純に水産物輸入の話だけでいうのであれば、韓国にとって日本の水産物の危険性なんて問題視はしていないのだ。
韓国の日本水産物輸入、「3・11」以前の水準回復 福島産など禁止維持も…ブリ人気が牽引
2026/2/22 11:57
韓国の海洋水産省の統計によると、2025年の日本産水産物の輸入額は前年比27・2%増の2億4700万ドル(約382億7000万円)となり、東京電力福島第1原発事故が発生した11年以前の水準を回復した。聯合ニュースが報じた。
韓国は原発事故後、福島など8県産の水産物の輸入禁止を維持しているが、ブリなどの需要拡大や取引価格の上昇が輸入額の大幅増を牽引した。
産経新聞より
特定の県の水産物を輸入禁止する根拠が薄いことは、輸入している魚種からもわかる。何しろ、ブリは日本列島周辺の広範囲を季節に応じて南北に長距離移動する代表的な回遊魚である。
特定の県の水産物を輸入禁止にするのは理屈に合わない。
しかし、韓国産の水産物応援の予算を組んでいる以上は、今更、「予算執行はしない」とも言えないのだ。
韓国に焦りが見える理由
では、何故このタイミングでCPTPP加盟観測のニュースが流れるのか?というと、これがなかなか韓国として厳しい状況に置かれているからなのだ。
「真面目に生きたのに破産する」韓国の若者たち…学費や食費が600万円強の借金に
登録:2026-06-18 06:04
地方公務員の父親が、ソウルの私立大学に入学した息子のためにできる最後の支援は、寮費を出すことだった。この青年は、寮費が両親が自分のために用意してくれた最後の防衛線であることを知っていた。アルバイトだけではお金が足りず、学費と生活費のためローンを組み、大学を卒業した時には4000万ウォン(約420万円)の借金を抱えることになった。2年間の就職活動を経て就職したが、借金は6120万ウォンに膨れ上がっていた。0.7坪の考試院(コシウォン:主に国家試験の受験生向けに作られた、ベッドや机などの最低限の設備のみを備えたワンルーム)の家賃45万ウォンや資格試験の受験料、食費などをローンで賄っていたためだ。苦労の末、中小企業に就職したが、初任給は240万ウォンに過ぎなかった。ローンの返済や家賃、クレジットカードの支払いなどが瞬く間に引き落とされ、通帳には20万ウォンだけが残った。
ハンギョレより
冒頭のKOSPIの話とも関係しているが、とにかく韓国経済が左前で学生から社会人まで金策に苦労している。この記事の中では「そんな人ばかりではない」と否定しているが、レバレジをかけてKOSPIに全賭けしている人も少なくない数いるようで。
経済的に困っている人も少なくない数いて、お金をかき集めて狂乱相場にブッこんでいる人もいるのだ。
正規職減少
だから、水産物禁輸の解除の目処もないのに、CPTPPの話など出すわけで。
それが分かりやすいのが、こちら。
コロナ禍でも減らなかった韓国の正規職、26年5カ月ぶりに減少
2026.06.16 08:02
韓国の雇用市場に警告ランプが灯った。コロナ禍の際も減らなかった常用職労働者が通貨危機から26年5カ月ぶりに減少した。製造業の不振に加え人工知能(AI)拡散にともなう雇用構造の変化まで重なり20~30代の青年層の雇用が急速に減っている。
中央日報より
そもそも人口減少の速度が日本の比ではない韓国にとって、青年層の雇用にはプラスの影響のほうが大きいはずなのに、それでも雇用市場が不審なのは単純に景気が悪いからである。
先ほども触れたが、冒頭のKOSPIの内情も、よく知られるように半導体2社だけが株価を牽引している。その他は軒並みボロボロである。

その話は何度も指摘されているが、どの分野も不調。半導体2社は雇用を大量に生み出す産業ではないので、KOSPIだけが盛り上がっても全体的には産業構造が悪化の一途を辿っているといって良い。
そう、CPTPP加入のニュースというのは、まさに韓国にとっては株価に関わる重要なファクターなのだ。外資を呼び込んで韓国の半導体以外の産業も活性化させたい。CPTPPに加入できれば売れる!そんな夢みたいな話なのである。
というか、それ以外の解釈は難しいのだよね。
半導体依存の危うさ
株価が上がれば、半導体一本足打法だとは言え、2社の資産も増える。一見、高調のように見えるんだけど、実のところ「いつまでも成長を続ける」という分野でもない。
- 一般的に、シリコンサイクルと呼ばれる高不調の波がある半導体業界、今はいいかもしれないけれど、確実に谷が来る。そうすると、半導体依存経済は何とかしたいところ
- そして、現在の半導体産業は、AI需要依存と言われている。が、これがそろそろ頭打ちになるのでは?という予測が出ている
- 更に怖いのが、米中対立。摩擦の影響をもろに被るのが韓国だと言われている。
- 設備投資負担もエグい。これはシリコンサイクルとも関係しているのだが、巨額の投資をして次の覇者になるというのが半導体業界の掟。今の利益を突っ込んで、設備投資に回さないと勝てないのである
というわけで、半導体がコケた時のための保険的な成長ストーリーが欲しいというのが、韓国の本音なのだ。
日本政府は何故否定しない
さて、そんなわけで2つ目に紹介したCPTPPの話に戻るのだが、不思議なことに否定も肯定もしていないのだ、日本政府は。
本音では、火消しをしたいはずなんだけど。どうしてなんだろうか。
仮説1:韓国経済への配慮
多くの人が知っているように韓国経済は割と綱渡りである。
- KOSPIは好調でも実態は脆弱
- 半導体依存
- 雇用悪化
だから、突付きたくはない。否定しても肯定しても影響がでそうなので、敢えて黙っているという理由だね。
仮説2:支那対策
現状で韓国経済がどこに頼るか?というと支那が一番有力で、2番手でアメリカ。
だが、あのトランプ氏を攻略できない韓国政府は、2番手の選択肢が難しい。んで、日本政府としては韓国にフラフラと支那の勢力圏に捉えられるのも困る。
だから、韓国の期待を敢えて打ち砕く必要もないという理由。
仮説3:単なる静観
表面的には韓国政府と日本政府は割と良好な関係を演出している最中である。
そうすると、わざわざ今、雰囲気を悪くする必要もない、そういう判断。まあ、申請したところで、実際には厳正に審査されることになるのだ。
まとめ
景気は「気」である。
だからこそ、各国政府は景気の良い話を好むし、市場もまた将来への期待を先取りして動く。
韓国のCPTPP加盟観測も、その文脈で見ると理解できなくはない。雇用環境には陰りが見え始め、KOSPIを支える半導体産業もシリコンサイクルや米中対立といった不安要素を抱えている。韓国政府としては、半導体以外の成長ストーリーを市場に示したいところだろう。
一方で、日本側に韓国の加盟を急がせる理由は見当たらない。水産物輸入規制の問題は依然として残されており、CPTPPのルールを考えれば、「事実上切り離す」という説明にも無理がある。
それでも日本政府が積極的な否定に動かないのだとすれば、それは韓国経済への配慮なのかもしれないし、対中戦略上の判断なのかもしれない。あるいは単に静観しているだけなのかもしれない。
もっとも、韓国側の期待を否定しないことと、加盟を認めることとは全く別の話である。
少なくとも現時点では、「日本が韓国のCPTPP加盟を後押しする」という話よりも、「韓国がそうした話を必要としている」という事実の方が、よほど興味深く見えるのである。



コメント
ツッコミどころ満載な最近の話題ですが、「日韓外交筋」といえば外務族議員のことでしょう。親韓派の族議員は結構いますから、発言主はそのヘンの勘違い議員サンとみられます。
高市政権は”韓国を特別扱いせず”でしょう。韓国は「FOIPに加わらず」「共通の価値観を持たず」なので。
CPTPP加盟申請国は列を為していますから、今年手続きを始めて順当に審査されても、4〜5年は掛かりそうです。
こんにちは。
産経新聞は、沖縄の高校生殺害平和団体の件では積極的に動いていて好感持てるのですが、こうやってたまに(いや、割と頻繁に)外れダマだか観測気球だか打上げるので、基本的には信用してません。
これ、多分、日韓なんちゃら会系の情報筋のリークなんじゃ?って思ってしまいます。
経産省あたりの修正ツイートを欲するところです。
で、韓国の株です?
いいんじゃないですか?
踊らされてレバレッジかけて借金してまでつぎ込むには、ちょうどいい打ち上げ花火で。
逃げ時さえわきまえていれば。