この話はもう書かないつもりだったんだけどね。
投票用紙不足騒動、78%が国民の力優勢地域で発生 韓国統一地方選
2026/06/22 14:25
6月3日の韓国統一地方選当日、投票用紙が不足したソウル市内の行政洞(行政区画)32カ所のうち78%(25カ所)が国民の力支持傾向が強いまたは国民の力が優勢な地域であるという研究結果が示された。デンマーク・オーフス大社会的レジリエンス回復研究室のチャン・ミンス研究員は、ソウル市の行政洞別に投票用紙不足の状況を分析し、今回の事態は各地域の有権者の偏差や本投票の増加可能性を考慮しなかった行政側の失策だと結論づけた。
朝鮮日報より
偶然というには、ちょっとね。問題のあった32カ所のうち78%が国民の力支持傾向が強い場所だったとのこと。
選管の改革は難易度が高い
選管の不祥事多発
先ずは、前回の記事へのリンクである。

で、冒頭の記事に紹介したような6月3日の選挙において問題があったよという話。
実は、前回の記事から山のように続報が出てきて酷い有様なんだけど、それを一つ一つ追い始めると収拾が付かない。
- 6月3日〜4日:投票用紙不足・投票中断
- 6月11日:選挙前に海外出張19回、ドイツでは投票用紙不足事例にも触れていた
- 6月15日:地方選挙当日、中央選管委員9人中2人だけ出勤。選管側、「一般委員は常勤職ではない」と釈明
- 6月16日:外遊性海外出張疑惑、5年間で107回・461人・約24億ウォン
- 6月17日〜18日:盧泰愕前委員長、海外出張3回すべて配偶者同伴、公費支出、公開報告書には記載なし
- 6月18日:海外出張に「共に民主党」職員が同行していた件も発覚。
- 6月18日:松坡区投票録で、選管への連絡不能・有権者の投票放棄・1人に投票用紙2枚交付などが確認
- 6月18日:投票管理官印のない投票用紙が確認される
- 6月19日:盧泰愕前委員長、非常勤4年で手当1億7,910万ウォン受領
- 6月19日:「国民の力」、盧泰愕前委員長らを業務上横領容疑で告発
- 6月21日:選挙費用補填金・供託金236億ウォン未回収、35億ウォン時効消滅
漏れもあると思うけど、こんな感じか。
高額な手当て
「てとう」ではない。手当てである。
韓国の中央選管委員長、月1日出勤で手当400万ウォン超…「投票用紙不足」で引責の人物
2026年6月22日 19:30
韓国のノ・テアク前中央選挙管理委員長が、1カ月に1日だけ出勤したにもかかわらず、400万ウォン(約44万円)を超える手当を受け取っていたことがわかった。
与党「共に民主党」のユン・ゴニョン議員が21日、中央選挙管理委員会から提出を受けた資料によると、ノ・テアク氏は2024年11月、委員会議への出席のため25日の1日だけ出勤したが、出務手当15万ウォン(約1万7000円)、案件検討手当120万ウォン(約13万2000円)、公明選挙推進活動費290万ウォン(約31万9000円)など、計425万ウォン(約46万8000円)を受け取っていた。
AFPより
ほぼ着服状態だ。いや、出勤実態はあるので、実際には過剰な手当を貰ったということなのだけれど、1ヶ月に1日出勤して44万円相当の高額報酬である。国民の理解は得られまい。
上に紹介したように、必要があったとは思えない海外出張も1度や2度ではなく、「共に民主党」の職員との関係も指摘されていたのである。
なかなかの腐敗っぷりである。
関係者12人も家宅捜索
そして、本日のニュースはこちら。
合同捜査本部、選管関係者12人を家宅捜索…オリンピック公園では依然として「再選挙」叫ぶ声
2026-06-24 15:48:26
6・3地方選挙の際に発生した「投票用紙不足事態」を捜査している検察・警察の合同捜査本部が、ソウル市および松坡区選挙管理委員会の関係者を対象に本格的な強制捜査に乗り出した。
24日、法曹界によると、国民参政権侵害の真相究明に向けた検警合同捜査本部(本部長:キム・テフン ソウル中央地検第3次長検事)は同日、ソウル市選管の関係者3人と松坡区選管の関係者9人に対する家宅捜索を実施した。
亜州日報より
とにかく中央選管だけでなくソウル市選管なども含めて、大規模な捜査が行われていることは間違いない。
しっかり真相究明して貰う必要があるので、捜査が進むことは大切なんだと思うが。
選管の解体か改造か
結局のところ、今回の選挙では、特定地域への偏りを疑わせる分析結果まで示されたことで、韓国保守派の不信感は決定的なものとなり、怒りのぶつけどころのない状態になっている。
ただし、韓国左派にとって、今回の選挙そのものは公正に行われていて、結果は受け容れるべきものという主張にはなっている。
投票用紙不足問題で国会の国政調査特別委 選管前委員長「責任痛感」=韓国
2026.06.23 14:57
韓国で3日に投開票された統一地方選で投票用紙が不足した問題を調べる「国民参政権侵害の真相究明および選挙管理改革のための国政調査特別委員会」が23日、国会で開かれた。
聯合ニュースより
韓国国会では、「次回の選挙をどうする」という主張になっているようだ。
- 投票用紙不足の原因となった用紙の印刷基準を全面的に見直し
- 投票用紙の管理全般を体系的に改善する方針
- 非常勤職である中央選挙管理委員長の常勤制導入
- 国会常任委員会への「選挙管理評価委員会」(仮称)設置
- 選管の監査委員会の法制化
- 監査委員会に政党が推薦する外部委員を入れる
- 政府が選挙管理に必要な人員や施設、機材などを合同で支援できるシステムの法制化
どれを見ても抜本的な改革というよりは、小手先の対応を予定しているらしい。外部委員を入れて監査したところで癒着すれば同じことである。
特に「政権から支援」の部分は、政権側に都合の良い選挙の形に整えられるという危険性がある。
つまり、解体も改造もせず、より悪い方向に小手先修正をする方向へ動き出しそうである。
まとめ
今回の話は、客観的に見ると選管のシステムそのものの改造は必須のように見えるのだが、韓国国内ではそうではないようだ。
韓国の憲法において、中央選挙管理委員会は独立した「憲法機関」として規定され、これを解体するには憲法改正が必須である。その為の小手先の修正案ってことなのだろう。
組織の腐敗を防ぐための改革案が、皮肉にも「政権による選挙への介入」や「新たな癒着の構造」を生み出し崩壊しかねないという矛盾が感じられる。


コメント
なんと言ってよいのか、もはや。