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【追記】韓国の次世代攻撃ヘリ「ミルオン」――バーナーで加熱?!

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韓国陸軍
この記事は約7分で読めます。

驚きのニュースである。

LAH-1のエンジンに亀裂を生じさせた「ゴムハンマー事件」の根本的な原因

2026.06.17(水) 10:53:54

LAH-1「ミルオン」小型武装ヘリコプターは、韓国陸軍航空の次世代主力ヘリコプターとして、旧式化したAH-1Eコブラヘリコプターに取って代わるべく、量産が進められている。特に、去る2月に加平で緊急手順訓練中に、機齢が40年近くになる老朽化したコブラヘリが墜落し、乗員2名全員が死亡するという悲劇的な事故が発生した中、LAHヘリの生産はこれ以上遅らせることのできない状況にある。

biz hankookより

引用記事は韓国の報道で、小型武装ヘリコプターLAH-1「ミルオン」のエンジントラブル問題に触れていて、内容が面白かったので紹介したい。

他責思考が過ぎる

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組み立て工程の問題

内容は、こちらの続報である。

【追記】韓国の次世代攻撃ヘリ「ミルオン」――亀裂発生の原因
タイトルでは「原因」としたが、現時点で公式に原因が確定したわけではない。もっとも、今回報じられた内容を見る限り、亀裂発生の有力な要因の一つである可能性は高そうだ。次世代韓国製攻撃ヘリ、完成エンジンの8割に腐食…一部は亀裂まで発生2026/0…

軽いネタなので、前回のような技術的な考察というテイストではない。

前回は、以下のポイントについて言及している。

  • 38/57基でエンジンに亀裂、47/57基で腐食が発見された
  • 熱処理を行って組み立てるべき部分をゴムハンマーでたたいて無理に部品をはめ込み、不良が生じた
  • 元のメーカーの承認なしに作業手順を任意に変えた

高い不良率、組み立て工程の手順を守っていなかった、の2点は他のメディアでも言及しているので、どうやら確からしいということで良いと思う。

洗浄工程?!

さて、今回はちょっと違う疑惑が持ち上がっているという指摘である。冒頭の引用記事は後で言及するが、こちらの記事ではこんな話が。

当局は、ディフューザーの組み立て工程において、規制を無視してゴムハンマーを使用したことによる衝撃が亀裂の原因となった可能性について調査している。

エンジンの不具合に関して、ハンファ・エアロスペースの担当者は「当社は、元の製造元の製造図面の要件に従って詳細な作業手順を定めた」と述べ、その手順には元の製造元の承認は必要ないと付け加えた。

腐食が発生した場合、元の製造元とは異なる洗浄方法が用いられており、洗浄後の水分除去が不十分であったことが原因の一つであると推測される。

ソウル経済日報より

組み付け手順の任意変更について、「その手順には元の製造元の承認は必要ない」とのこと。まあ、これは特に問題あるまい。

もっとも、その組み立て手順には理由があって指定されているのであり、それを守らなければトラブルの原因になり得る。その点については甘受していただくほかあるまい。

この記事では新たな話、「元の製造元とは異なる洗浄方法が用いられており、洗浄後の水分除去が不十分であった」という疑惑が指摘されている。

本当にござるかぁ?

あくまでこの記事は記者の推測だけなので、腐食したという部分に反応したのだと思われる。高温環境に置かれるディフューザーの一部が腐食したとのことなので、単なる水分残留というよりも、洗浄液や何らかの薬品が残留していた可能性の方が疑わしい。

が、余計な水がついていたことで、脆化した可能性はあるので、積極的に否定できる材料もない。

他責思考

さて、腐食に関しての疑惑は洗浄工程での問題ということになるかもしれないのだが、他のアリエルエンジンでそんな不都合な事態が発生したという噂も聞かない。

つまり、韓国側の製造工程に何らかの固有の問題があったと考えるべきである。少なくとも、組み付け時にハンマーで叩いていた事実は確認されており、亀裂についてはこれが有力な原因候補だろう。一方、腐食については、依然として洗浄工程を含めた別要因の可能性が残る。

まず、問題となったLAHの「アリエル(Arriel)2L2」エンジンのディフューザー製造工程では、マルテンサイト系鋼材(M152)が主要素材として使用されている。この素材は、航空機の稼働時に発生する過酷かつ連続的な高温・高圧環境に対しては卓越した耐久性を発揮するが、外部から加わる瞬間的な衝撃や打撃には弱い場合があるため、正確な作業指示書が必要な部品である。

では、現場の作業員はなぜ、このように衝撃に敏感な重要部品にハンマーを当てざるを得なかったのだろうか。その原因は、限られた技術資料にあった。当該部品の技術教本には、熱間圧入に関する具体的な説明がなかったのだ。

biz hankookより

うぉぉい。

まあ、マルテンサイト系鋼材というのは鋳造部品で使われるものなので、これがディフューザーに使われたこと自体は不思議ではない。

そして、組み付け時の熱処理は「熱間圧入」で間違いないようだ。前の記事で指摘したような冷間圧入ではなかったと見るべきだろう。そこは推測が間違っていたのでこの場でお詫びしたい。

ディフューザーはこの図で描かれた、青、カーキー、緑の3つの部品からなるようで、エンジンのアウターケースの内側に嵌め込まれるもののようだ。

ケースもディフューザーも鋳造品であれば、冷間圧入指定はちょっと考えにくい。だから、ケース側を加熱(おそらくは200〜500℃程度だが、条件によって異なる)しておいて、ディフューザー部品を嵌め込むという工程になると思う。

限定された技術資料には、ディフューザー部品の熱膨張のための温度条件や、組み立て時の詳細な工程、注意事項などが十分に記載されていなかった。詳細な製造工程を開発したハンファエアロスペースでは、熱膨張が不十分で部品がスムーズに組み込めなかったため、熱膨張工程に加え、組み立て用のゴムハンマーで間接的に叩く方法を追加したが、その結果、ディフューザー内部のベーン(Vane)のろう付け部分に微細な亀裂を生じさせてしまった。

biz hankookより

ディフューザー内部のベーンはロウ付けされているとのことで、こちらを加熱したり冷却したりするのはNGだ。だから、アウターケースの方を加熱しろという指定だったということになる。

それにしても、技術資料が不適切だったからゴムハンマーで叩いたとは。不適切にも程がある。

加熱不足

さて、今回の記事では前回の記事で推測した、「冷やし嵌め(冷間圧入)」ではなかったと謝罪する意図があったのが1点と、もう1点、驚いた話があったので紹介する意図があった。

通常、熱間圧入(焼き嵌め)する場合は、所定の温度までの温度指定があるハズで、所定の温度まで上げて組み付ければ、トラブルには至らない。

ところが、今回はその加熱方法に問題が。

幸い、今回の欠陥を解決するため、去る4月から防衛事業庁、国防技術品質院、陸軍航空司令部、KAI、ハンファ・エアロスペースなどが参加する民・官・軍合同の原因調査協議体が、全方位的に機敏に動いた。ハンファは、欠陥の原因となった不完全な手動トーチ加熱方式を全面的に廃止し、温度を精密に制御して母材全体を完全に均一に熱膨張させる「電気加熱炉」工程を新たに導入した。また、組み立て直後の段階に非破壊検査と内視鏡検査工程を新設し、品質検証手順を大幅に強化した。

biz hankookより

……なん……だと?

「手動トーチ加熱方式」とか書かれているが、要はガスバーナーであぶったってことだよね?これで、所定温度まで本当に上げられる?

そもそもアウターケースだって、鋳造品であれば不均一な加熱は望ましくない。「温度を精密に制御して母材全体を完全に均一に熱膨張させる「電気加熱炉」工程を新たに導入」って、最初から導入しておくべきだったのでは?

これにはエンジンメーカーのチュルボメカ社もビックリだろう。

聞くのは金もかかるし面倒だ

そして、これに対する反省がこちら。

要するに、「メーカーに問い合わせると金が掛かるので、自分たちで何とかした」という話らしい。

しかし、今回の事態が浮き彫りにしたより大きな本質的な問題は、当社が結んでいるライセンス生産契約の構造的な不利さと、技術的な従属状態にある。ハンファ・エアロスペースは、契約条件に縛られ、工程上で疑問が生じたり不明確な部分があったりする場合、原技術会社に公式な技術照会(Technical Query)を行うたびに、サフラン側に毎回相当な追加代金を支払い、回答を得なければならないという費用負担を抱えていると伝えられた。これは一般的なライセンス生産においてよくあることだ。

biz hankookより

いや、ライセンス生産契約をやってるんだろう?「構造的な不利さ」とか「技術的な従属状態」とか、アホ抜かすんじゃないよ。

寝言は寝てから言って欲しい。

確かに、こういった特殊技術の供与を受ける時には、ライセンス生産契約を結んでいても、驚くほど高額の料金を請求されることはあるだろう。

でも、それは技術を教えて貰う側としては、ある程度は仕方がないと割り切って支払うべき勉強代だろう?

もう、100%自国開発しちゃえよ。

まとめ

というわけで、前回の記事に書いた内容の訂正と共に、ちょっと驚いた話を紹介した。

そりゃね、ガスバーナーで炙って焼き嵌めしていたとは、想像つかないよ。そして、鋳造品をガンガン殴って圧入していたと。

ガスバーナーであぶって焼き嵌めし、うまく入らなければゴムハンマーで叩く。そして、不具合が出れば「技術資料が不十分だった」と嘆く。

もはや何から突っ込めば良いのか、こちらの方が分からなくなってきた。

コメント

  1. 山童 より:

    毎度に思うけれど、いい加減な武器を持たされる兵士たちが気の毒。