ドイツぇぇ。
「欧州の優等生」と呼ばれた国も、随分と変わってしまった印象がある。
ドイツ鉄道が全土で停止 無線網に大規模障害、多数の乗客が足止め
2026/6/24 12:53
ドイツ鉄道は23日夜、デジタル鉄道無線網に大規模な障害が発生したとして、ドイツ全土で鉄道の運行を一時停止した。安全確保のため列車を駅に待機させ、多数の乗客が足止めされた。
産経新聞より
ドイツ経済の失敗の根幹はメルケル氏にあると思っているが、これもかなりその影響の感じられる話。
そのうち、ドイツ鉄道も支那に買われるのかもしれない。
鉄道だけじゃないインフラ投資不足
ドイツ経済とインフラ投資
ネタで「ドイツの科学力は世界一いぃぃぃ」というのがあるんだけど、「今は昔」という感じだね。
最近ではこんな記事を書いて、ドイツ経済のことを憂いていた。

AfDは右派勢力に分類されていて、移民反対を唱える点には共感を覚える部分もあるけど、基本的には親露派のクソである。支持基盤の怪しい組織である。
支那ともかなりズブズブらしいけれど。

一方、メルケル氏がロシアからの天然ガス輸入を推進した上で、エネルギー政策をメチャクチャにしたことには、問題を感じないのだろうか?

再エネ関連の分野では、ドイツに対してかなり批判的な記事を幾つも書いたが、インフラに関してもかなりダメな部分が多い。
それを取り扱った記事がこちら。

ドイツの洪水(2024年6月5日の報道)に関して言及した内容で、インフラ投資を疎かにした結果、2021年に引き続き2024年にも洪水が発生してしまったという指摘である。
遅かったインフラ投資
さて、そういう反省があったのかなかったのか。
ドイツ内閣が26年予算案承認、借入額3倍に
2025年7月31日午前 10:38
ドイツ内閣は30日、社会インフラと防衛の強化を目的とした2026年の予算案を承認した。予算案は過去最大の政府投資と前年の3倍に当たる借入金を特徴としている。欧州最大の経済大国であるドイツは経済成長の回復、老朽化したインフラの近代化、軍事支出の拡大を目指して、数十年にわたる財政保守主義を転換しようとしている。
ロイターより
巨額のインフラ投資を予定していて、それに関して足枷となっている「債務ブレーキ」を回避しながら防衛支出と社会インフラ投資を計画した。
ただ、これが上手くいくかは、ちょっと怪しい。
ドイツの公共投資、防衛とインフラで大きな差 ― 債務ブレーキ緩和から1年、輸入依存を強める防衛品目、供給制約に苦慮するインフラ ―
2026年04月03日
2025年にドイツは積極財政方針へ転換。3月にはGDP比1%を超える国防費が債務ブレーキの対象外となったほか、基礎予算とは別に5,000億ユーロ規模のインフラ・気候基金を設立。この結果、25年10~12月には政府による公共投資は大きく増加し、実質総固定資本形成を大幅に押し上げ。今般の政府部門における機械設備投資の増加は防衛関連によるもので、イスラエルや米国からミサイルや防空システム、軍用機などの調達が急拡大。一方で、インフラ投資の伸びは低位。インフラ・気候基金は25年10月から運用が開始され、昨年内に約140億ユーロが拠出されたものの、計画を3割程度下回る規模。
日本総研より
この記事でも指摘されているが、熟練労働者不足や建設関連職種の不足などで、「そんなに上手くいかないよ」と。
ドイツ政府の判断があまりにも遅かったため、いまになって巨額の資金を投じても、熟練労働者や建設能力そのものが不足しており、問題解決に直結しない可能性が高いのである。
ドイツ鉄道の民営化
ドイツ鉄道も、実は日本と同様に民営化されている。
1994年1月に、東西の国鉄を統合して株式会社化している。そして、計画通りに進んでいたら、完全民営化が果たされるはずだった。
株式売却については、DB経営への株主の影響力を懸念する声などが強く、これまで長い間見通しが立っていなかった。しかし、現在のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)の大連立政権が今年4月28日なってようやく、旅客および貨物輸送事業を「DB Mobility Logistics」株式会社として、その株式の一部を公開することで合意に至った。CDUや自由民主党(FDP)は、将来的に株式を49.9%まで売却したいとしていたが、民営化に消極的なSPD(特に左派)などの意見をくみ入れ、売却株は最大24.9%とすることで歩み寄った。残り株75.1%のほか、線路、駅舎などのインフラ事業は、100%国保有のままとなる。
ドイツニュースダイジェストより
しかし、この2008年のニュースで説明されるように、その時点では株式売却が実現できておらず、2008年の金融危機をトリガーに株式売却の機運も失われてしまった。
その結果、未だにドイツ鉄道の株は100%政府が持つという状況になっている。
そしてその株主に「インフラ整備をする」という発想がなかった時代が続いた結果、鉄道の保線や設備更新が疎かになっていたというのが、ドイツ鉄道の実態なのである。
「多くのレベルでの経営上の失敗」
2026年6月24日午後1時20分現在
SWR鉄道専門家のフリーダー・キュンメラー氏によると、鉄道会社はソフトウェアのアップデートの不具合が運行障害の原因だと疑っているという。 同氏は経営上のミスだと指摘している。
tagesschauより
一部では「テロだ」と指摘する声もあったみたいだけど、現時点ではソフトウェア更新の不具合や運用上の問題が有力視されている。そして、その背景には、長年にわたる設備更新の遅れや保守体制の脆弱さがあるとも指摘されている。
つまり、この問題の背景には、東西統一のツケも少なからず影響しているのである。
頻繁な故障
今回の通信障害は、単発の事故というよりも、ドイツ鉄道が長年抱えてきた問題の延長線上にある。
ドイツ鉄道は以前から慢性的な遅延や設備故障に悩まされており、信号設備や線路、通信システムの老朽化がたびたび問題視されてきた。
日本と事情が違う「ドイツ鉄道は遅延ばかり」の真相 「時間に正確」は過去の話に、なぜ悪化したのか
2026/04/22 04:30
最近、「ドイツ鉄道は遅延ばかり」という話がSNSなどに繰り返し投稿される。
~~略~~
遅延の原因としてはほかに、列車の本数増加に現在のインフラが対応できなくなっている点が挙げられる。ドイツ国内における公共交通としての鉄道の歴史は1835年に始まり、すでに190年以上が経過している。総延長は3万3000kmを超え、世界で6番目に大きい鉄道網を持つ鉄道大国だが、長い歴史を経るなかで鉄道網は老朽化し、駅構内の配線などは現代の運行スタイルに合わなくなってしまった。
東洋経済より
東洋経済の記事は随分とドイツ鉄道を擁護する部分の比重が大きくなっているが、トラブルの多さは認めている。

毎日新聞でもこの様な記事を紹介しているが、要は慢性的な人手不足と、技術力の低下。他にも、必要な路線の取捨選択が出来ずに、長大な保線を強いられている現状など、様々な問題を抱えている。
今回の全国停止も、単なるソフトウェア更新の失敗ではなく、長年にわたり積み重なった設備更新の遅れや、保守体制の脆弱さが表面化した事例として見るべきだろう。
東西統合は成功の象徴か
ドイツの鉄道規格が西側と東側でかなり違って、東側は信号機、踏切、通信網などが旧ソ連時代のシステムが採用されていたために、ドイツの鉄道はこれの統合に多くのコストを支払わされた。
このシステム統合が利益を生む構造になっていなかったのが、問題であった。
で、その費用を捻出するために、西側のインフラ整備の予算が削られてしまった挙げ句に、莫大な費用負担に耐えかねて民営化を選択してしまった。
だが、莫大な統一コストを抱えた民営化後のドイツ鉄道は、利益確保を優先した。その結果、本来やるべき保線や設備更新への投資が後回しになった。そこが間違いの始まりだったのである。
1945年~1990年の45年間の統治の違いは、東西ドイツに幾つかの大きなすれ違いを生んでしまった。
- 「労働」に対する価値観の断絶 西側は「競争と成果」の資本主義だが、東側は「国が雇用を保障し、みんなで等しく働く」社会主義。統一後、西側の能率主義を押し付けられた東側の人々は「冷酷に搾取されている」と感じ、西側からは「東側は甘えている」と見なされる、深い感情的なすれ違いが生まれる
- 国家やインフラへの信頼感の違い 東側では「インフラや生活の面倒は国が見るのが当たり前」という感覚が根強かったため、1994年の民営化(利益追求)によるサービス低下やコスト削減に対して、西側住民以上の強い拒絶反応と、政治への裏切られた感を抱くことに
- 「歴史の全否定」による自尊心の傷 東西統一は対等な合併ではなく、事実上の「西側による東側の吸収」だった。東側で45年間真面目に生きてきた人々のキャリアや経験、文化が一瞬で「劣ったもの」「無価値なもの」として処理されたため、この精神的な傷が「未だに本物のドイツ国民として扱われていない」という被害意識が生まれる
ちょっと鉄道の話と離れているが、労働者問題もインフラ問題も、こうしたすれ違いの上に生まれた産物なのである。
まとめ
ドイツ経済の低迷は、ドイツの根幹部分を支えるインフラへの投資が疎かになっていたことにも原因がある。
ただ、それは根本的な東西統一のコスト(ツケ)を支払っている部分も結構大きく影響していると思われるので、直ぐには解決しない問題のように思える。
つまり、ドイツが直面している問題は、単なる一時的な景気低迷ではないのだ。
もしこれに十分な処方箋を示せなければ、「欧州の病人」は再び重症化し、ドイツ経済の停滞はさらに長期化することになるだろう。



コメント
ロシアのサイバーテロだろ!と思ってたら、予想をひっくり返す記事した。
いや、これ「電力」とかでも起きるんじゃないのかなぁ?
先ず冷水を浴びせられたのは、Afdが
親ロシアな事。
すっかり忘れてた。
たしかに彼らは活動初期にロシアから資金援助など受けてたようです。
ドイツ統一は現実的には西による併合だったので、かなり歪み出たのは確かで、兄貴に聞いてる。
兄はドイツの財団の招聘で学士留学していたすが、旧東独地域で高校の教鞭を取ってた。
東独地域の市民は真面目な労働者が多い。けれど彼らから観ると搾取に見える。それは取得した免許資格から職歴までバッサリ切られ、再就職で買い叩きされたから。
それでネオナチが急成長して、ドロップアウトした旧東独高校生の「受け皿」になってたとか。
西側的な価値観を教えようとすると、
ついて行けない不良学生が暴れる!
日本で暴走族と付き合いのあった兄貴からすると、
一定数のヤンキー、不良が生まれるのは社会構造上は当然の事!
なのに政府は「上から目線」で、
「奴らは遅れている!」
「教育せねば」
「指導が必要だ」
と、まんま左翼的で、「それは全学連の書記局で俺が失敗してきた事なのだが……」と嘆息したそうで。
共産党でも何でも左派は、性質的にIQ崇拝がある。
優れた者が指導する体制だから。
これはEUや米国のリベラルが歩んだ道と親和性かあり、それ故に反知性主義を台頭させ、トランプ親父を再戦させた。
確かに彼らは偏差値が高い!
しかし普通に考えて、人の夜は高IQでない「平均値」が8割超えです!
指導者や改革者や発明家のポストはそんなに要らないもの!
ガリレオやケプラーやニュートンが人類の多数派だったら、発展する前に人類は死滅してますよ。
誰も工場や農場で働かないもの!
その8割の「ふつうの人々」を、納得させる!安心させるのが「政治」のはずなのですが、そうはならなかった。
安い労働力を求める企業には、移民や
「下級職に安く使える二級市民」は都合良かった!
これがリベラルと、新自由主義が手を結んだ理由すね。
統一ドイツはその実験場なんすよ。
後に移民拡大してゆく為の!
帝国主義と左派思想は相性が良かった🤣
んで、メルケルなんすが。
彼女は旧東独におけるキリスト教社会民主党のドイツ支部の出ですよね。
父親は牧師です。
要は、宗教が厳しく弾圧される共産圏において、「知能と学歴はあるが、高い地位を与えられないインテリ」の最たる存在です。
そりゃあ、東独が崩壊して、西側にエリートとして加わった時に、かつての自分の故郷や母国の人たちを振り返るワケがない!
何故なら彼女にとって、母国東独と、
そこに住む人々は同志でなく、ルサンチマンの対象だから!
突然の社会崩壊で、西側についてゆけず、ネオナチになる少年たちをゴキブリ程度にしか観てなかったに違いない。兄貴は財団の留学期間を終えて、
帰国する時に思ったそうです。
メルケルドイツは、東独よりも「共産圏的な国になる」それは表向きは西側な笑顔の、裏で陰湿なやり方で。
ほう思ったそうです。
留学中、シュタージ(東独秘密警察)の施設を改造きた宿舎にいたそうてすが、西ドイツはシュタージを解体して、きっとより大きな東ドイツを作るだろう。そう思ったそうです。
ロシアのサイバーテロの線ももちろん残っているとは思いますが、いまのところドイツ鉄道のやらかしの線が濃厚だと思っています。
AfDはキライではないんですが、背後関係がちょっと怪しいというか。
ちょっと要注意だと思いますよ。
ドイツの統一は、アレはあれで良かったとは思うんです。後から判明したのはベルリンの壁崩壊も偶然というか、勘違いから起きたというか。
準備不十分のままスタートしてしまった不幸もあって、上手くいかない部分も結構あるのは仕方がないですよね。
なかなか貴重な話を聞かせて頂き、こちらのコメントも非常に参考になりました。
オーストリアも親露で香ばしい
リヒテンシュタインが難民移民でとばっちり
そういえば、オーストリアの情報ってあまり触れる機会がありません。
一度、調べてみたいと思います。
昨年ドイツ鉄道は、日立レール(本社ロンドン)と鉄道運行制御システムやデジタル化の契約を交わしました。
https://www.hitachi.com/ja-jp/press/articles/2025/02/0214b/
日立レールは、UK、イタリア、スイス等で実績を重ねてきた優良会社なので、ドイツだけでポカとは思えず。むしろ、日立がテコ入れしてもダメなのかw
そういえば、そんなこともありましたね。
しかし、まだスタートしたばかりなのでは?
ドイツの老朽化路線って凄いみたいですから。営業距離が長いのと、随分と混み合っているみたいですし。