ドイツさんは、これだから。
ドイツのメルツ首相、右派伸長に警告「ナチス時代に逆戻り」「二度と戻りたくない」
2026/6/7 06:14
ドイツのメルツ首相は6日、9月に州議会選が予定される北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で演説し、反移民の右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勝利すれば、ドイツはナチスの時代に逆戻りする恐れがあると警告した。同州の世論調査ではAfDが大差で首位に立っている。
産経新聞より
ドイツ政治には、問題が起きるたびにナチス時代への回帰を警戒する伝統がある。しかし、AfD支持率上昇の背景にあるのは歴史認識の問題というよりも、長引く経済停滞と生活不安である。
国民が不満を抱いているのは1930年代への憧憬ではなく、2026年現在の暮らし向きなのだ。
ドイツに求められるのは破壊的創造
ドイツ経済の窮乏
国民の不満というのは、大抵は自国の経済状況に敏感に反応するので、メルツ氏は先ずは足下の状況を見るべきだろう。
経済の低迷がもたらした政権交代
2026年4月13日
2025年2月のドイツ連邦議会選挙により、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が第1党となり、5月に社会民主党(SPD)との大連立政権が発足した(2025年5月13日付ビジネス短信参照)。競争力回復に向けたドイツ新政権の取り組みを解説する。
JETROより
1年前の2025年2月に政権交代がなされたが、それ以降もドイツ経済はパッとしない。
ドイツの実質GDP成長率は、2023年がマイナス0.9%、2024年がマイナス0.5%と2年連続でマイナス成長となり、1950年以降で2度目となる2年連続のマイナス成長となった。欧州の主要地域の中でも唯一のマイナス成長となり、「欧州の病人」の再来とも表現された。2025年はなんとかマイナス圏から脱して0.2%であったがほぼゼロ成長で、2026年も1.0%の見込みと、回復は緩慢な見通しだ。
JETRO「経済の低迷がもたらした政権交代」より
まあ酷い。
グラフで見ると一目瞭然である。

そりゃ、文句も出ると思うよ。
エネルギー政策に再考を
今、ドイツが真っ先に手をつけなければならないのはエネルギー政策の見直しである。
ドイツ経済相が原子力政策の再考に言及 政府内で温度差も
02 Apr 2026
ドイツの K.ライヒェ経済相 は、3月31日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、同国の原子力政策について再考の必要性に言及。脱原子力政策の結果、電力供給の基盤を天然ガスに依存せざるをえない状況となっていることを踏まえ、エネルギー安全保障や産業競争力の観点から議論の見直しが必要との認識をあらためて示した。
原子力産業新聞より
一気に原子力政策を巻き戻せとは言わないが、少なくとも廃炉一辺倒というのはどうかと思う。
余りこういうことを主張する人は多くないが、ドイツが真っ先に見直すべきは石炭の有効利用なのだ。
「パリ協定」のもとで進む、世界の温室効果ガス削減の取り組み⑦ ~原子力と石炭火力からの脱却を図るドイツ
2019-06-25
温室効果ガス(GHG)排出削減のための国際的な枠組み「パリ協定」(「今さら聞けない『パリ協定』 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」 参照)に基づく、各国のGHG削減目標と進捗を紹介するシリーズ。7回目は、ドイツの施策と進捗状況について見ていきます。
資源エネルギー庁のサイトより
ドイツでこの方針を今なお堅持しているのは主に緑の党で、政権を担う保守中道政党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、流石にそこまで頑なではない。
CDU・CSUが変更するもう一つの重要なポイントが、脱石炭政策だ。ショルツ政権はメルケル政権の政策を引き継ぎ、遅くとも2038年までに石炭・褐炭火力発電所を全廃する方針だった。(ショルツ政権の連立契約書には、緑の党の意向を反映して、「脱石炭は2030年に前倒しするのが理想的だ」と書かれていた)
これに対しCDU・CSUは、石炭・褐炭の使用禁止よりも、電力の安定供給と価格安定を優先させる。同党はマニフェストの中で「現在運転中の石炭・褐炭火力発電所については、容量を代替する天然ガス火力発電所や水素発電所が新設されない限り、廃止しない」と明記した。
朝日新聞より
とはいえ、お題目こそこの様に唱えているモノの、その方針がぶれているのが現状である。そこで二の足を踏んでいる場合ではないのだよね。
経済指標の悪化
特に国民の不満が強いのは生活に直結するエネルギーコストだ。電気料金は高止まりし、天然ガス供給も不安定で、ガス代も上昇している。
これらの影響で、国民の生活も全体の経済状況も、当面苦しい展開が続くことは容易に想像出来る。
9月には同州のほか、東部ザクセン・アンハルト州とベルリン特別市(州と同格)で議会選が実施される。メルツ氏は「政権の将来以上のものがかかっている」と指摘。9月に「ビッグバン」が起き、AfDが大躍進する恐れがあると危機感を示した。
産経新聞「ドイツのメルツ首相、右派伸長に警告~」より
暢気に危機感を募らせるくらいなら、エネルギー政策の大転換をしろよと思うのである。
独5月総合インフレ率、前年比2.7%に伸び鈍化 コアは加速
2026年5月29日午後 10:53
ドイツ連邦統計庁が29日発表した5月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.7%上昇し、伸びは前月の2.9%から鈍化した。一方、コアインフレ率は加速したものの、アナリストはイラン紛争に起因するコスト上昇圧力が経済全体に波及している兆候とは言えないとの見方を示した。
~~略~~
一方、変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前年同月比2.5%上昇と、4月の2.3%から伸びが加速した。
ロイターより
一見、総合インフレ率の伸びが鈍化しているので、経済対策が功を奏したとも言えるが、やっていることは日本と同じ。エネルギー価格を抑えるために燃料税を引き下げている(補助金でブーストしたわけではない)点は、評価できる。
しかし一方でコア指数が上昇していることを見ると、インフレ傾向は収まっていない状況にあると見るべきだろう。
そこでエネルギーコストの削減ができれば、ある程度、経済の好転に繋がるハズなのだ。
ドイツ国民は長引く経済停滞に嫌気を感じていることと、身近な部分での治安の悪化を懸念している。
まさにそのことが支持率を落としてて、「ドイツの石破」と化しているようだ。

この評価が妥当かはともかく、少なくとも国民の不満が経済面に向いていることは確かである。
未だに支那との関係を模索する愚
なお、ドイツは昔から支那が大好き。未だに支那との経済関係の模索を続けているようである。学ばないのかなぁ。
独経済相、経済関係には協力と競争が必要と強調 訪問先の中国で
2026年5月28日
中国を訪問しているドイツ のライヒェ経済相は27日 、現代的な経済関係には協力と競争の両方が必要だと述べた。
「競争はわれわれを強くし、協力は安定をもたらし、イノベーションは共通の進歩を生み出す」と指摘。公正な競争条件が必要であり、ドイツは中国との対話を求めていると強調した。
ロイターより
ドイツがまだ支那と手を取り合うことが出来るパートナーと見ているのが、おめでたいというか何というか。
ドイツはいつも付き合うべき友人を間違えることで有名だが、今も現在進行形で間違えているぞ。まあ、日本としてもドイツとの付き合いはゴメンなのだけれど。
一方、中国商務省によると、ライヒェ氏と会談した中国の王文濤商務相 は、中国はドイツとの対話と協議を強化し、「協力事項のリストを拡大し、懸案事項のリストを縮小する」用意があると表明。欧州連合(EU)が最近導入した「保護主義的な」貿易制限措置が中国と欧州の企業間の協力を阻害していると指摘し、中国とドイツは共に自由貿易と多国間主義を支持すべきだと付け加えた。
ロイター「独経済相、経済関係には協力と競争が~」より
実際、支那はこんな厚かましい主張をしている。
要はドイツを梃子にEUでの商売を加速しようとしているのだ。今まで好き放題やってきたのだから、EUで商売が出来なくなると覚悟するのが普通なのだが、支那がそういう反省をする訳がない。
甘い顔を見せたら付け込まれるのがオチである。況してや、経済の再生に向けたアプローチとしては最悪である。支那経済は今かなり酷い状況なので、輸出に向けたアプローチとしては筋が悪い。
今までこの手を使って、どれだけドイツの技術を支那に吸い取られてきたと思っているのか。
そのことをちょっとは反省すべきである。
まとめ
結局、メルツ氏がナチスとの類似性を梃子にAfDの危険性を訴えたところで、経済の閉塞感を打ち崩さない限りは、説得力は出ないし、現状の打破は難しかろう。
そうすると、メルツ政権はこれから更に身動きがとれなくなっていく可能性が高い。
メルケル氏が長年にわたって築いた体制の打破は容易ではないが、いい加減、経済再生のために大胆な手を打たねば、「欧州の病人」ではなく重病人になりかねない。



コメント
なにかってと「ナチだ!」「極右だ!」とレッテル貼り攻撃する方が、人としてどうなの? と想うすけどね。
自分たちの失政を隠す為に喚いているとしか思えない。
ドイツは左派政権が政権を握ることが多いのですが、ナチに責任を押しつけることで、自身には失敗がない(他責思考)、正当性があるのだということにしたいのでしょうね。
右派は伝統を重んじる結果、伝統を責任のよりどころにしがちですが。
これは個人的感想ですし、他責思考は左右関係なく生じ得るとは思いますが。
横合いから失礼。
前も言ったかもですが、欧州全体として「ナチに全責任有り!」として、自分達の罪にほっかむりして無かったことにしたい、という卑怯者の意識だと思ってます。
だから、元にナチと同じかもっと酷いロシアその他がナチナチ言ってはばからないのだと。
彼らにとってナチとは絶対悪でなければならないのでしょうね。
※すごく荒っぽく言えば、ナチ党を民主的選挙で躍進させたのはドイツ国民だし、そのきっかけを作ったのは欧州の一次大戦戦勝国の賠償金問題ですから。
※戦争やる度に負けるドイツもどうかと思いますが……だから、FCASがポシャったからと言ってGCAPにいっちょ噛みしに来るの絶対に阻止したい。
ドイツにAIデータセンターの設置話が無いのは、言わずと知れた電力不足だからでしょうね。
話は逸れますが、昨日の報道では、独仏が次世代戦闘機共同開発を中止すると公式発表したそうですね。弱り目に祟り目。転落していく国は何やっても上手く行かない見本のようです。
ドイツが立ち上がるには、政権交代が必要でしょう。
こんにちは。
>AfD支持率上昇の背景にあるのは歴史認識の問題というよりも、長引く経済停滞と生活不安
政党云々ではなく、状況の方がナチスが台頭するきっかけの時期に寄せてきているという……
>「ドイツの石破」
……鳩山ではないだけマシか……
※「ドイツの鳩山」ことメルケルが居たことは忘れましょう。あれは鳩山というか、民主党政権の悪いところ煮詰めた煮こごりみたいなBBAでしたが……
先日、「帰ってきたヒットラー」を読了しまして。
映画の方を(動画配信で)観た息子と話すと、ラストが少し違うみたいですが、どっちにしろブラックユーモア満載で大変面白かったです。
「悪いことばかりではなかった」は、名言だと思いました。
メルケル…悪い処を煮詰めた煮凍り🤣
まんま正鵠を射てる!
「地獄の黙示録」≒「闇の中」は、
ベルギー領だったコンゴをジョゼフ・コンラッドが描いた作品すが。
あまりに酷くて(手首を切り落として塚を作るとか)、ブリカスのコンラッドすらが腰を抜かしてルポルタージュ的に書いた小説。
んで、その頃のコンゴはベルギー王の個人所有物たったすが、後にベルギー領となるが、実情派変わらなかぅた。
んで、ベルギーって公式にコンゴに謝罪してませんよね?
あ、最近にしたのか。
でも、経済的な賠償は一言もない!
アフリカ大陸がザルみたいな補助金の穴なのは有名だけど。
いつまで経っても彼らが自立できないのは!実は数世紀に渡る西欧の搾取で、農業や農地の土質などをめちゃめちゃにされていたり、奴隷狩りで若者を数世紀も連れ去られた結果の、人口動態からの影響とされる。
でも、その側面は必ず無視するんすよ。ヨーロッパ諸国は!!
基本的にEU諸国で植民地問題で無罪なのは東欧たけでねすか?
ドイツもアフリカ諸国には謝ってないすしね。ユダヤと全く逆に!