「豚は太らせてから」ということなのか?
Trip.comに約1256億円の独禁法制裁 中国当局、ホテルに最安値を強制するアルゴリズムを問題視
2026年7月29日 12:23
中国国家市場監督管理総局(SAMR)は2026年7月25日、オンラインホテル予約市場における支配的地位を乱用したとして、Trip.comに総額51億7900万元(約1256億円)の制裁を科した。問題となったのは、提携ホテルに最安値や競合サービスとの排他的な取引を事実上求め、それを自動化ツールで強制していたことだ。
財経新聞より
財経新聞が取り上げているトリップドットコムという会社は、ここのところ世界的に儲けている会社らしい。こうやって利益を出す会社を、支那の上層部は許さないようだ。
制裁的な罰金設定
アルゴリズムが問題視される
日本では、エクスペディアやトリバゴが割と知名度があるが、ビジネスモデルとしてはトリバゴのような比較サイトではなく、エクスペディアやBooking.comのようなワンストップ予約のできる旅行サイトらしく、世界最大級の会員数を誇るらしい。
どうやらスマホのUIを使いやすくして、人気を博しているようだ。
特にアジア圏での人気が高いらしいね。そして、当然それなりに利益を上げているのだが……。
トリップドットコムに1250億円処分 旅行予約最大手、独禁法違反で―中国
2026年07月25日14時51分
中国国家市場監督管理総局は25日、同国インターネット旅行最大手トリップドットコムグループ(携程集団)に対し、独占禁止法違反で行政処分を科したと発表した。罰金と没収を合わせた処分総額は51億7900万元(約1250億円)。IT大手による市場支配の取り締まりを強める姿勢を鮮明にした。
携程集団は日本や米国を含め世界220以上の国・地域をカバーする旅行予約サービスを展開している。発表によると、提携先のホテルに他社との取引を制限させたり、他の予約サイトで自社より安い料金を設定したりしないよう求めていた。
時事通信より
問題とされたのは、市場支配力を背景にホテル側へ価格設定を事実上強制していた点である。
トリップドットコムの問題は、ホテル側に安値を強要して利益を出していたということらしいのだが、トリップドットコムは支那でのシェアが6割近い状況であり、強力な市場支配力を持っていたからという理由で、独占禁止法の適用がなされたということだ。
Trip.comのホテル提携先が自動価格調整ツールを無効にしようとすると、ソフトウェアは自動的に再有効化された。SAMRは、ホテルが事実上強制された価格設定だけでなく、それを強制したアルゴリズムそのものを処罰の対象とした。この点が、今回の裁定を過去の主要なプラットフォームに対する制裁と異なるものにしている。
財経新聞「Trip.comに約1256億円の独禁法制裁~」より
この手の旅行サイトがホテル側に安値を強要するようなパターンは結構あるので、この手のパターンは世界各国で問題視されてはいる。世界的なトレンドに合わせたという理解は出来る。
異例の重い罰則率
ただ、今回のこれは、どちらかと言うと見せしめの意味合いが強かったと言われている。それは巨額の罰則が課されたことからも分かる。
過去に、EC大手のアリババ(売上高の4%)や、デリバリー大手の美団(売上高の3%)に対して、同じく独占行為を理由に巨額の罰金を科しているが、今回は売上高の7.5%という高額な設定だった。
SAMRは、不法利得と認定した16億5800万元(約402億円)を没収した。さらに、Trip.comの2025年の中国国内売上高469億5800万元(約1兆1381億円)のちょうど7.5%に相当する35億2100万元(約854億円)の罰金を科した。中国の独占禁止法では、市場支配的地位の乱用に対する罰金は前年の国内売上高の1~10%とされる。7.5%という割合は上限ではなく、違反内容に応じて設定されたものだ。
財経新聞「Trip.comに約1256億円の独禁法制裁~」より
過去最高額の罰則ではあったが、しかし最高罰則率にはちょっと届いてはいない。
とはいえ、トリップドットコムの経営が危うくなる程の巨額な罰則金を課されたことには間違いなく、制裁的な側面が大きいとは指摘されている。
過去の事例を考えると、アリババやテンセント、今回のトリップドットコムなど、膨大な人民のデータを持ち、市場支配力を持つ巨大ITプラットフォームであった点が共通している。そうした力を持つ企業が、支那では政治的圧力をかけられがちではある。
まとめ
トリップドットコムへの制裁というのは、ある意味仕方ない側面はあったが、一方で、巨大ITプラットフォームが市場やデータを過度に支配することを中国当局が強く警戒していることも、今回の処分から読み取れる。大きくなりすぎた組織の力を削ぎたかったのだろう。
支那では、こういった感じで、折角、成長した民間企業を締め上げるというような事案が目立つ。経済が左前にも関わらず、やはりメンツのほうが大切ということではないだろうか。それとも、政治力を行使するついでに罰則金を取り上げることでの「補填」をする意味があるのかもしれないね。


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