昨日のBYDの記事を書いた時に盛り込むかどうかを悩んだのだが、今は随分と支那からの離脱が進んでいるようだ。
米テスラ、中国事業売却検討 スペースXとの統合に備え―報道
2026年07月31日11時36分
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は30日、米電気自動車(EV)大手テスラが中国事業について、売却を含めた切り離しの可能性を検討していると報じた。
時事通信より
テスラはそもそもEVから手を引くかどうかという噂も出ているが、それの一環なのか支那事業の売却を検討しているのだとか。
サプライチェーンの書き換え
輸出に関する混乱
テスラの計画がハッキリ示されたわけではないので、この話も流動性のある話題だという前提ではあるが。
時期などは不透明で、計画が変更される可能性もある。
時事通信「米テスラ、中国事業売却検討~」より
しかしこの傾向は全体的なトレンドではある。
キッカケはおそらくこちら。
半導体停滞「生産に深刻な影響」 オランダ・中国対立で―自動車業界
2025年10月23日18時55分
中国系半導体メーカーを巡るオランダと中国の対立を受け、自動車業界が生産に欠かせない半導体の調達が滞りかねないと警戒を強めている。日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長)は23日、「自動車各社のグローバル生産に深刻な影響を及ぼす」と懸念を表明。トヨタ自動車やホンダなど各社は、事態の把握を急いでいる。
時事通信より
オランダの半導体メーカーだったネクスペリアは、2019年に身売りする形で半導体部門が支那企業の参加に入った。2025年秋になって、親会社となった支那のウィンテック・テクノロジー(聞泰科技)が、アメリカからの輸出管理制限対象になった。
これを受けて動いたのがオランダ政府で、安全保障上の懸念からネクスペリアの経営権を一時管理下に置く(接収的な)措置をとった。
支那はこれに激怒。支那内で製造した製品の輸出規制を行ったのである。全く意味がわからない事態だが、支那ではこれが一般的なのだ。
トラブルが長期化
この騒ぎ、当初は一時的なものだと考えられていた。
自動車で使用される半導体は汎用品が多く、供給元の切り替えは可能だとの見方が多い。経営コンサルティング会社アリックスパートナーズの鈴木智之氏は、「生産に一時的な問題が出る可能性があるが、長期的なものにはならないのではないか」とみる。ただ、調達契約の変更には時間がかかる恐れがあるほか、対立が長期化すれば、半導体生産全体に影響を及ぼしかねず、自動車各社は部品メーカーとの連携を強化し、対応する方針だ。
時事通信「半導体停滞「生産に深刻な影響」~」より
だが、2025年10月頃から始まって、一時的に沈静化したけれども、翌年3月にも再燃。
ネクスペリア巡る対立再燃か、中国がサプライチェーン危機を警告
2026年3月9日
中国商務省は7日、オランダの半導体メーカー、ネクスペリアと中国子会社の間で生じた「新たな対立」により、世界的な半導体サプライチェーン(供給網)危機が再燃する可能性があるとの見解を示した。
ネクスペリアを巡っては、オランダ政府が昨年10月、中国親会社、聞泰科技(ウイングテック)から経営権を接収したことにより世界の自動車生産に混乱が生じた。同社の半導体は自動車の電子システムに広く使われている。
交渉を経て半導体不足は緩和したが、ネクスペリアの中国パッケージング部門は6日、オランダ本社が中国の全従業員のオフィスアカウントを無効化したと表明。
ロイターより
やっていることは結構えげつない報復措置である。
欧米のルールが正しいとは言わないが、一応貿易ルールが決められており、それに則っての対応ではある。まあ、大抵ルールで殴ってくるのだが。しかし、支那側はルール無視でやってくるのを許されるかというと、それもまた問題が多い。
いきなりサプライチェーンを遮断したり、アカウント無効化といった強硬手段にでる。ルール無用で殴り合いという様相である。
GMも対策を
こういった流れは、他の企業も乗ってきている。
自動車にも半導体インフレの波 GMやフォード、値上げや確保に走る
2026年7月22日 4:45
人工知能(AI)投資に伴うメモリー半導体の価格高騰の影響が自動車産業に及び始めた。米ゼネラル・モーターズ(GM)は21日(米国時間)、半導体など原材料価格の高騰で2026年のコストが最大20億ドル(約3200億円)増えると説明した。機能の高度化で車に使う半導体が増える中、値上げなどが広がる可能性がある。
日本経済新聞より
支那リスクを軽んじたお陰で、色々とコストがかかるハメに。しかし、GMとしてもサプライチェーンの再構築は避けられない。
時間はかかるが、サプライチェーンの再構築をせざるを得なくなったということだろう。
そして、これまでは支那との関係改善でサプライチェーンの修復というような流れだったのだが、流石にここまで対立してしまうと、別の手段を考えざるをえないということだろう。ネクスペリアの件はまさにそんな感じの事件だったのだ。
工場としての魅力と市場としての魅力
近年は、こういった生産拠点としての支那を見直す話に加えて、事業そのものを見直すべきだという議論が増えてきている。
トヨタの上半期世界販売は2.9%減、中国低迷で2年ぶり前年割れ
2026年7月30日
トヨタ自動車が30日に発表したトヨタ単体(「レクサス」を含む)の2026年1─6月累計の世界販売は、前年同期比2.9%減の500万8898台で2年ぶりの前年割れとなった。北米や日本などでの需要は堅調だったが、中国での販売落ち込みが全体を押し下げた。世界生産は同1.2%減の486万3749台で、こちらも2年ぶりに前年を割り込んだ。
ロイターより
ここ数年、支那との合弁企業を作って、市場としての支那という捉え方があったのだが、最近はそれすら危うくなりつつある。
ホンダ、中国・広州汽車との合弁事業を2038年まで継続 10年延長
2026年7月20日午後 5:39
ホンダは20日、中国自動車大手の広州汽車集団(以下、広州汽車)との間で、広汽本田汽車有限公司(以下、広汽ホンダ)の合弁事業の期間を2038年まで延長する契約を締結したと発表した。
広汽ホンダは、ホンダ側と広州汽車が折半出資しガソリン車や電気自動車(EV)の生産・販売を手掛けている。ここ数年は中国EVメーカーの台頭や価格競争にさらされ、同社の販売が低迷しているため、28年で期限を迎える合弁契約を更新するかどうかが注目されていた。
ロイターより
ホンダも合弁解消をするかの判断を迫られて、結果的に契約を延長したのだが、こういうところが赤字を垂れ流す原因に繋がったのが分からないのかなぁ。
こういった流れになった理由は、近年、支那が国策としてEVを推し始めたことと、国策で国営企業を優遇する結果、外国企業は商売が成り立たなくなりつつある。技術の吸い上げや利益の持ち出し禁止など、色々と制約がある中でも、未だ利益に繋がっていた時代があったが、今やそれも怪しくなりつつある。
まとめ
時代とともに変わっていかざるを得ないサプライチェーンの組み換えだけれども、各社色々と苦戦はしているようだ。
テスラやGMはこれから動いていく予定のようだが、デカップリングの流れは止まることなく進んでいくだろう。ネクスペリアを巡る一連の騒動は、各国の企業に大きなインパクトを与えた。政治的な対立一つで部品供給が止まり、サプライチェーンそのものが人質になる。物語の上ではありえても現実世界でやってくる企業があるとは、なかなか信じられない思いがする。だからこそ、避けざるを得ないという結論になった企業は多かったようだ。
そして、それに加えて市場としての魅力が褪せてきている。デカップリングは、支那経済の縮小とともに確実に進んでいるようだ。ある意味、テスラの判断もそれに準ずるものだろうと思う。



コメント
テスラこないだテスラトラックが事故で真っ二つになりましたね。
後方車体が座席もタイヤもバックリと前半分だけになってた。
防弾性能とか喧伝してたし、あのタフそうな外見を好きだからガッカリしました。だせえぞイーロン・マスク!
別にテスラトラックが期待外れとネットで騒がれたからでないでせうけど。
北京というか、あの国の為政者に特有の、内側しか観てない視線ってのは、
揉め事を産むスイッチなるのはあり得る話だ想うです。