久しぶりの韓国軍ネタである。
韓国軍、米軍無人機を北朝鮮機と誤認…手続き違反と連絡ミスで撃墜寸前
2026年8月4日 14:30
韓国北部の軍事境界線付近で7月30日、韓国軍が訓練中の米軍無人機を北朝鮮の無人機と誤認し、撃墜しかけた問題は、韓米の担当者間の連絡ミスや正式な手続きの不履行が重なって起きたことが分かった。
AFPより
話としては、韓国軍が米軍の無人機を追撃しそうになったということなのだが、単純なミスということではなさそうだよ。
露呈した事実
杜撰な対応
韓国軍合同参謀本部は、「意思疎通に誤りがあった」ということを理由に挙げている。
韓国軍合同参謀本部は3日、即応態勢の監察結果について「担当者間の意思疎通に誤りがあり、空域統制の手続きが適切に進まなかった」と説明した。
AFP「韓国軍、米軍無人機を北朝鮮機と誤認~」より
意思疎通ねぇ。
- 米軍側は無人機による初の高高度飛行訓練を予定していたが、韓国側に詳しい内容を説明しなかった。
- 韓国陸軍第1軍団の担当者は通常の低高度訓練だと認識し、上官への報告や関係部隊への連絡をしなかった。
- 米第8軍の連絡担当者は訓練前日の7月29日、第1軍団の担当者に携帯電話のメッセージで無人機任務の追加を通知した。
- 韓国側の担当者は「制限事項はない」と返信したものの、画像を十分に確認しなかったか、高高度飛行と認識しないまま上部への報告を省略した。
サックリ説明するとこんな感じで、米韓双方で連絡体制が機能せず、安全保障上の手続きそのものが形骸化していたことを示している。
これはもう、どっちが悪いとかそういうレベルの話ではないね。
停職処分
で、韓国側は司令官を処分にしたのだけれど、ちょっと甘くない?
米軍ドローンの不適切な取り扱いを受け、陸軍は第1軍団司令官を停職処分とした
2026年8月3日 17:54:20
軍当局者らは月曜日、第1軍団司令官が、西部戦線付近で運用されていた米軍ドローンの最近の不適切な取り扱いを含む、一連の即応態勢の不備をめぐる調査を受けて、職務から解任されたと発表した。
陸軍によると、韓基成中将は調査が行われる間、休職処分となり、部隊の指揮を代行する司令官が任命された。
The Korea Heraldより
この処分、実は別件もあって、処分せざるを得なかったという話も指摘されている。実際、米軍無人機の撃墜未遂事件は、未遂で終わったのだし、アメリカ軍側にも落ち度があったわけで、厳正な対処というのはちょっとバランスに欠ける。
前線地域の監視所で実弾装填せず警戒勤務 誤射事故を防ぐため?=韓国
2026.07.29 10:34
韓国陸軍で西部戦線を管轄する第1軍団が、最前線の監視所(GOP)と非武装地帯の監視所(GP)で重機関銃K6に実弾を装填せずに警戒に当たっていることが29日、分かった。
第1軍団は今年上半期からGOPとGPでの警戒勤務でK6に実弾を装填せず、実弾が入った箱をそばに置くよう警戒勤務指針を変更したという。
聯合ニュースより
誤射を防ぐために弾を抜いていたというが、それは一体何のためなのかちょっと意味がわからない。
確かに誤射事件は幾つかあったようだが、そもそも有事対応する為にいつでも射撃ができる整えられているのがこの非武装事態での配備の在り方であったはず。それを、弾は抜いてあったったとすれば、即応性に欠けることになる。
GOPやGPではK6の誤射事故がたびたび発生しており、そのたびに軍は北朝鮮向け放送を通じて、誤射事故があったことを北朝鮮軍に伝えている。
聯合ニュース「前線地域の監視所で実弾装填せず警戒勤務~」より
更に言えば、これが本当に誤射だったかも不明だが、一応そういうことにはなっている。そして、これも第1軍団だったということで、流石に今回の撃墜未遂の話も含めて処分という流れなんだとは思う。
撃墜未遂
というわけで、冒頭のニュースに戻るのだが、「事情を知らない第1軍団」がやらかしてしまったということだ。
このため無人機は韓国軍の正式な飛行承認を得ないまま軍事境界線付近を飛行。事情を知らない第1軍団は未確認飛行物体と判断し、北朝鮮の無人機侵入に準じた対応態勢を取った。
AFP「韓国軍、米軍無人機を北朝鮮機と誤認~」より
この「北朝鮮の無人機侵入に準じた対応態勢」の中身だが、どうやら、近隣住民を避難させて、いつでも迎撃可能な体制に移行するということだった。
韓国軍、南北境界線付近で米軍無人機を撃墜寸前 経緯検証へ
2026年7月31日
韓国軍合同参謀本部は、南北境界線付近で部隊が未確認の機体を撃墜しかけた後、合同訓練に参加していた米軍のドローン(無人機)だと判明した事案について、軍の調査官が31日に陸軍の軍団を訪れて経緯を調べると明らかにした。
合同参謀本部によると、機体は30日に京畿道北部で探知され、標準的な作戦手順に基づいて対処が行われた後、米軍の訓練用無人機と特定された。
メディアの報道によると、南北境界線付近では安全上の懸念が広がり、軍部隊は機体探知後、鉄原など周辺の民間人統制区域内の住民や農業従事者に避難指示を出した。
韓国軍は当初、友軍の機体か、北朝鮮から飛来した可能性があるかを判断できず、態勢を強化して機体を追跡しながら交戦準備を整えたという。
ロイターより
図らずも避難訓練になったようだが、ただ、韓国軍の動きには不可解な点が多い。
K6重機関銃に弾が装填されていなかったことが発覚したばかりのタイミングだったのだが、無人機の迎撃ってもしかしてK6重機関銃を使うのでは?ちょっと運用は分からないけれども。
躊躇した理由
そして、領空に入ってきたのであれば直ぐに迎撃するのが普通の対応なのでは?という気がするんだけれども、呑気に機体を追跡していたらしい。
その原因として推測されるのは、コレ。
入力 : 2025-02-23 13:52:26
北朝鮮が、米国のグローバルホーク(RQ-4)を模倣した高高度無人偵察機の大型バージョンを試験中であるものとみられる。 北朝鮮の無人機の姿が米国の無人機とあまりにも似ており、設計図を無断で入手して複製したのではないかという観測まで出ている。
~~略~~
従来の無人航空機の翼の長さ35mだったが、新しいモデルは40mに大きくなった。 機体の色までグローバルホークと似てきた。
毎日経済より

北朝鮮で、セッピョル-4とかいう名前が付けられた無人機が試作されていて、これが米軍のRQ-4にそっくり。こんなのが飛行しているかどうかは不明だが、米軍からの情報がなかったので機影だけでは判断できなかったという。
でもそれって、適正なルートで米軍からの情報もらっていないってことだよね。実際、ショートメール1つで済まされたのだから。
そしてもう1つ困ったことが。この様な状態を招いたのは、米韓軍事演習をサボっているという実態が露呈したことである。逆に言えば、北朝鮮はソックリ無人機を使えば、韓国軍を躊躇させることができることを証明したということでもある。
まとめ
韓国軍が米軍の無人機を追撃しそうになった、というのが単なるミスでは済まされないという指摘をしてきたが、素人の戯言と一笑に付してくれれば良い。
しかし韓国軍の状況はともかくとして、日本としてはこういった状況である可能性のある相手との関係を維持していかねばならないことだけは、覚悟しておくべきだろう。


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