おめでとう。
韓国の国産ロケット「ヌリ」、4回連続で軌道投入に成功…「衛星群の輸送能力を確認」
登録:2026-10-08 06:11
韓国の国産ロケット「ヌリ」号の5回目の打ち上げは、ほぼ計画通りに進行した。
ハンギョレより
前回の記事では、超小型衛星群「ネオンサット」の打ち上げの不安要素について言及していたが、無事に成功したようだ。
成功はしたが「後は宜しく」
ほぼ成功
無事成功といっても、「ほぼ計画通りに」と書かれているように、一部の失敗を含むようだが。
13分15秒から高度576キロメートルで、主搭載衛星の超小型群集衛星5基(2~6号)を35~40秒間隔で順次分離し、16分20秒からは高度579キロメートルで9基のキューブサットを順番通りに宇宙空間に放出した。済州の海洋ゴミ観測に向けた超小型衛星のキューブサット(PERSAT02)1基が分離されなかったが、オ・テソク宇宙航空庁長は「目標としていた高度と速度を達成したか、主搭載衛星を適切に運搬したかなど、ロケット自体の任務とは別問題だ」と述べた。
ハンギョレ「韓国の国産ロケット「ヌリ」~」より
韓国のロケット事業において、4回連続打ち上げ成功は、前代未聞の成果なので、素直におめでとうと書いておきたい。
そして、衛星の軌道投入に課題があると前回触れたのだが、そこは少しだけ課題を残したようだ。

だが、衛星の軌道投入予定は10基で、うち9基は成功したのだから、ほぼ成功したと書いて間違いはあるまい。
同じ機体を「繰り返し打ち上げる」段階にあるが、今回のヌリ号の打ち上げには、以前とは一線を画す意味がある。まず、世界的な潮流である「衛星群」を初めて打ち上げた。主搭載衛星が1基だった4回目とは異なり、今回は一体となって運用される100キロ級の超小型衛星5基を軌道に投入した。このために韓国航空宇宙研究院(KARI)は「低衝撃衛星分離装置」を新たに開発した。科学技術政策研究院(STEPI)システム革新室のアン・ヒョンジュン宇宙公共チーム長は、「今回の打ち上げは、単なる衛星の運搬にとどまらず、衛星群システムを構成する『任務型宇宙輸送』能力を示している」と述べた。
ハンギョレ「韓国の国産ロケット「ヌリ」~」より
そのうち、超小型衛星5基(2~6号)は成功。失敗したのは、済州の海洋ゴミ観測に向けた超小型衛星のキューブサット(PERSAT02)1基だけらしい。
残り2回を打ち上げたら終了
なお、ヌリ号打ち上げは、あと2回を打ち上げたら国家事業としては終了。続きは民間企業の打ち上げに移管されるらしい。
ヌリ号の開発後、第3回から始まった「繰り返し打ち上げ」は、2027年の6回目、2028年の7回目まで、計5回で終了する。8回目からは、技術移転を受ける民間企業であるハンファ・エアロスペースが、製造から打ち上げ運用までの全過程を主導する。
ハンギョレ「韓国の国産ロケット「ヌリ」~」より
前回の記事では「計6回の打ち上げで、民間に技術移転」と報じられたと伝えたが、今回の記事では2028年の打ち上げが1回増えている。
前回の聯合ニュースの記事が間違っていたのか、今回のハンギョレの内容が間違っているのか。
今回、ハンファ・エアロスペースは打ち上げ管制センターのコンソール(管制席)22席のうち20席に要員23人を投入し、来年の6回目からは単体組立と海上輸送まで担当する。
ハンギョレ「韓国の国産ロケット「ヌリ」~」より
或いは、表現の違いで「6回目からは単体組立と海上輸送まで担当」と書かれているので、民間に実質移転されるのが6回目からなので、そこで齟齬が出たのか。
ハンファの業務過多
ただ、いずれにしても、ハンファエアロスペース社は、ちょっと業務が多すぎやしないだろうか。
政府は、民間商業打ち上げ体制に移行する2030年からは、年2〜3回の打ち上げが行われると期待している。オ庁長は「90%以上の成功率を確保するには、年に数回の打ち上げが必要だ」と述べ、民間の能力向上を強調した。
ハンギョレ「韓国の国産ロケット「ヌリ」~」より
記事に登場するオ庁長は、宇宙航空庁長のこと。つまり、行政の人間である。
無責任にも、「あとは民間でやってね」「年2~3回はやって」と、韓国政府でも決断できなかったことを、金を突っ込んでやれというのだから、ビックリですな。
1回の打ち上げに約1,200億ウォン(約130億〜140億円)かかるとされているので、年間3回打ち上げるとして年間約400億円ほどの費用をかけることになっている。
韓国、2035年の再利用ロケット実証を目標に…発射コストを10分の1に低減へ
2026-07-17 21:35
韓国政府は、2035年までに1段推進体を回収して再使用する再利用ロケットの核心技術実証を終え、発射コストを現在のヌリ号の10分の1水準に引き下げる青写真を提示した。米国のSpaceXが再利用ロケットFalcon 9を前面に押し出し、世界の衛星打ち上げ市場を掌握する中、もはや使い捨てロケットでは商業受注競争で生き残れないとの判断によるものだ。
Financeより
しかし、ヌリ号では圧倒的に競争力が低いので、打ち上げたら赤字の垂れ流しになりかねない。
- ヌリ号: 1kgあたり約2万6,000ドル(約390万円)
- 米スペースX(ファルコン9): 1kgあたり約2,700ドル(約40万円)
価格差10倍なのである。
なので、技術開発をしながら再利用ロケットの技術を獲得して、打ち上げコストを下げる目標を掲げている。
やることが多すぎ。

こちらに紹介もしたが、ミサイルも開発するしK9自走砲の製造・開発もする。多連装ミサイル「天舞」の製造・開発もする。1企業にやらせるには、流石にちょっとどうなのと。
まとめ
ヌリ号5号機の打ち上げ成功は、素直にめでたいことだと思う。
韓国の国産ロケットが4回連続で軌道投入に成功し、今回は複数の衛星をまとめて運ぶ能力まで実証した。衛星1基の分離に失敗したとはいえ、ロケットとしての主要な任務を達成したことは評価してよいだろう。
ただし、ロケットを打ち上げられることと、ロケット事業を継続的に成立させることは別の話である。
せっかくヌリ号での実績積み上げが出来たのだから、もう少し注力したらどうなのか。次のロケット開発に興味が移っているのかもしれないが。



コメント
む、いつの間に.. そういえばそんな予告があったような..
韓国は極超音速滑空体 (HGV) の試射にも成功したようです (聯合通信 10/08 )
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20261008003500882
発射されたようですが、飛翔映像はなく、グライダーのように滑空したかどうかは不明..