今さらF-16のアップグレード計画が出てきたぞ。
ロッキード社が米空軍に最新鋭のF-16Gを提案
2026/9/16
ロッキード・マーティン社は、既存の戦闘機が老朽化して使用できなくなるF-16戦闘機部隊を補充するため、F-16の改良型であるF-16Gを米空軍に提案している。
Aviation Weekより
設定としてはF-35Aよりも安い位置づけのF-16V(ブロック70)の改良版ということらしい。F-16は信頼性の高いベストセラー戦闘機とは言えると思うんだけど、それでも運用開始は1978年である。
選択肢としてはあり
F-16GはF-16Vより新しい
どうして、日本はF-2戦闘機を止めてしまったのだろうね。今回のF-16Gとかいう話が出てきて、改めて「勿体なかった」と思わざるを得ない。
とまあ、今更の話はさておき、F-16Gの話だ。
複数の情報筋がアビエーション・ウィーク誌に語ったところによると、F-16Gは最新型のブロック70戦闘機の改良型だという。この機体に詳しい情報筋によれば、F-16Gにはコンフォーマル燃料タンク、600ガロンの翼下燃料タンク、赤外線捜索追跡装置とスナイパー照準ポッド、そしてドラッグシュートが搭載される予定だ。
Aviation Week「ロッキード社が米空軍に~」より
今の最新版であるF-16V(ブロック70/72)の製造が遅れているので、F-16Gがどうなるのかに言及するのは非常に不毛だ。
F-16Vを待ちわびる台湾が半ギレになりそうな話でもある。
台湾に最新型F16V戦闘機が近日中に到着へ 第1次トランプ米政権売却66機の2機
2026/8/23 20:20
第1次トランプ米政権が2019年に台湾への売却を決定した最新型のF16V戦闘機66機のうち、第1陣となる2機が近く南東部・台東市の志航基地に到着する見通しとなった。台湾メディアが23日、伝えた。
F16Vは当初、23年から納入が始まる予定だったが、新型コロナウイルス禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱などにより計画が大幅に遅れ、中国の軍事圧力に直面する台湾の防衛戦略にも影響を与えていた。
産経新聞より
2019年に売却が決定され、当初は2023年から納入が始まる予定だった。それが2026年になってようやく初号機が到着するのだから、かなり大きな遅延である。
台湾でアップグレードしているF-16Vの方は141機がそろそろ折り返し地点くらいに差し掛かっているハズなので、そこまで大きな問題にはなっていない。が、良くはないんだろうね。特にアメリカ発注分の66機の納入は遅れているので、このニュースを聞いたら「新しい戦闘機?そんなことより早く納入しろ」と怒り心頭かもしれない。
アップグレードは控えめ
で、どの程度の性能を想定しているかだが、これが未だハッキリとは分からない。
複数の情報筋がアビエーション・ウィーク誌に語ったところによると、F-16Gは最新型のブロック70戦闘機の改良型だという。この機体に詳しい情報筋によれば、F-16Gにはコンフォーマル燃料タンク、600ガロンの翼下燃料タンク、赤外線捜索追跡装置とスナイパー照準ポッド、そしてドラッグシュートが搭載される予定だ。
Aviation Week「ロッキード社が米空軍に~」より
数合わせ的な位置づけの戦闘機になりそうで、一応分かる範囲で表にしておく。
<F-16G と F-16V のスペック比較>
| 項目 | F-16G(米空軍向け提案型) | F-16V(Block 70/72 ) |
|---|---|---|
| 開発状況 | 2026年9月に提案・検討が報じられた最新構想 | 各国で運用・生産中の現行最新モデル |
| 主な運用者 | アメリカ空軍(提案中) | 台湾、バーレーン、モロッコ、スロバキア等 |
| 搭載レーダー | AN/APG-83 AESAレーダー | AN/APG-83 AESAレーダー |
| 電子戦システム | AN/ALQ-257 IVEWS(統合電子戦システム)を搭載可能 | 各国ごとの要求に応じた各種電子戦スイート |
| 航続性能・燃料 | CFT(コンフォーマルタンク)に加え、600ガロン翼下タンクを標準想定 | CFT(コンフォーマルタンク)の装着に対応 |
| 光学センサー | IRST(赤外線捜索追尾)およびSNIPER照準ポッドを内蔵または標準統合 | ポッド等による外付けでの運用が主流 |
| 着陸支援 | ドラッグシュート(制動傘)を装備 | 一部の国向け仕様(ノルウェー等)を除き基本未装備 |
| 機体寿命 | 12,000飛行時間(Block 70ベース) | 12,000飛行時間 |
かなり抑えめの性能といって良い。
F-15EXの成功
ちなみにF-16Gのような構想が出てくる背景にはF-15EXがいる。当初、F-15EX導入はボロクソに叩かれた。
F-15EXは最新の電子機器やセンサーを搭載し、能力的には往年のF-15とは別物になっている。しかし基本設計そのものは1970年代に遡るため、「今さらF-15なのか」という批判も少なくなかった。
これが、アメリカ空軍を始めとして評価が低くなる原因ではあった。
だが、2020年にアメリカ空軍は発注を発表し、2023年には試験運用が終了。今や100機以上が運用中である。
嘉手納向けF-15EX初号機、セントルイス工場出発 実戦配備へ
2026年9月5日 20:41 JST
米空軍は、沖縄の嘉手納基地へ恒久配備する最新複座戦闘機F-15EX「イーグルII」の最初の機体が、ボーイングの米ミズーリ州セントルイス工場を現地時間8月28日に出発したと9月3日に発表した。オレゴン州のポートランド空軍州兵基地で追加の準備を進めた後、嘉手納へ向かう。嘉手納への到着開始は米2027会計年度を予定している。
Aviation Wireより
良くも悪くも老朽化したアメリカ空軍の戦闘機を刷新しつつある。F-35Aのブロック4への移行遅れが決定的になりつつある中で、やむを得ない判断であるとされる。
アメリカ空軍としてもNGAD(Next Generation Air Dominance)の計画放棄を目前にしているだけに、せめて先送りしてその繋ぎをというのが、F-16G計画の本音だとも言える。
え?ボーイング社はF-47を受注した?
うん、まあ、F-15EXの受注で何とか生き延びたボーイング社にとっては、当分先の計画じゃないかな。
ロッキード・マーティン社の本音も、F-35Aで色々苦戦しているのでF-16Gで「理解して欲しい」ということのような気がする。
まとめ
新しい戦闘機の話題は何かと夢があるものだが、F-16G戦闘機に関しては夢よりも現実を突きつけた格好だと思う。
F-35の改良が遅れ、次世代戦闘機もまだ先の話となる中で、今ある技術で、今すぐ作れて、今すぐ飛ばせる戦闘機を用意する。その発想から生まれたのがF-16Gという提案なのだろう。
しかし、現場が欲しい戦闘機って、強い戦闘機じゃなくて、今使える戦闘機なんだよ。


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