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K2戦車の「心臓」が出来上がったぞー!

韓国陸軍
この記事は約6分で読めます。

えぇ、何度目ですか?

K2戦車の「心臓」が出来上がる

2025-02-03 17:57:23

K2戦車の「心臓」と呼ばれるパワーパックの変速機を開発した国内メーカーが政府と納品契約を締結した。 SNTダイナミックスは3日、K2戦車用国産変速機組立体を防衛事業庁に供給する契約を締結したと公示した。 契約金額は1337億ウォンだ。

毎日経済より

悲願のパワーパックが完成して契約が締結されたと、そんな報道があった。

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悲願のパワーパック

量産計画が

過去にもこんな記事を書いたね。

過去にリストアップしたこんな量産計画の報道内容だが、まあまあ外国に売れているので国内の生産計画がやや崩れている感じ。

  • 第一次量産計画:2014年にドイツ製パワーパックを搭載した100両の納入開始
  • 第二次量産計画:2018年に国産エンジンとドイツ製トランスミッションの組み合わせで、80両の納入決定、2019年より引き渡し開始
  • 第三次量産計画:2020年に国産パワーパックを採用し、性能と価格をディスカウントして118両の納入計画が発覚(注:結局、第三次量産計画では、韓国産エンジン+ドイツ製トランスミッションの組み合わせが採用されて製造されている)
  • 第四次量産計画:2023年に議決、150両を生産予定(2024~2028年追加生産)国産パワーパック採用予定

これが以前紹介したものだけれども、今年の1月にはこんなニュースが。まあ、レコードチャイナなので、話半分に聞いておくのが良いと思うんだよね。

好調だった韓国の兵器輸出、ポーランドとの大規模契約が白紙化の危機=韓国ネット「この国は滅びる」

1/10(金)6:00

2025年1月8日、韓国メディア・韓国経済TVは「昨年末の戒厳令・弾劾騒動の影響により、好調だった韓国防衛産業の兵器輸出が危機を迎えている」と伝えた。

記事によると、韓国軍・業界関係者を取材した結果、戒厳令をきっかけにポーランド首脳の訪韓が無期限延期になっていることが分かった。これにより、ポーランドが推進していた約30兆ウォン(約3兆2497億円)規模のK2戦車やK9自走砲などの追加輸出契約が白紙化される危機に陥っている。

~~略~~

問題は、ポーランド側が兵器契約のデッドラインを3カ月後の4月に設定していること。それを過ぎた場合、数量や金額の全面見直し、または契約撤回の可能性もあるという。さらに、政治的リスクは兵器輸出にとって“致命的”であり、ポーランド以外にもサウジアラビア、ルーマニアなど主要輸出対象国との交渉に悪影響を及ぼすとみられている。

レコードチャイナより

なんか、具体的な情報が出てなくて煽っているだけの記事なんだけど、ちょっとやばそうだという雰囲気だけは伝わっている。

何しろ交渉担当官は拘置所に拘留されているから。

2次輸出契約がやや怪しい

レコードチャイナは怪しい感じだったのだけれど、記事には「韓国の報道によれば」とある。探すと確かに……。

韓国K2戦車のポーランド2次輸出契約、混乱する政局で年内締結が不透明

2024年12月16日 7:00

韓国K2戦車のポーランド向け2次輸出実行契約が当初予定されていた年内締結を逃し、翌年に持ち越される可能性が高まっている。契約規模や技術移転を巡る複雑な交渉が進展していないためだ。

~~略~~

業界関係者によると、現代ロテムのK2戦車ポーランド輸出2次実行契約は年内の締結が難しくなった。2022年に基本契約としてK2戦車1000台の輸出が決まっており、その後、180台を対象とした4兆5000億ウォン規模の1次実行契約が結ばれていた。現在、この分は2025年中に納品完了予定で進められている。

AFPより

うんうん、こっちは具体的だ。

ええと、ポーランドに輸出する1次輸出生産分の180台は2025年納品完了予定で進められている。これって確か2024年中に納入する話だったような気も。

いや、あれか、2次生産分(現地生産含む)の契約が2024年中だったか。でも、交渉担当の大統領が捕まっちゃったからねぇ。

今回の2次実行契約では、残る820台を対象とし、約9兆ウォン規模の契約になる見通しだ。しかし、技術移転やポーランド現地での生産など、協議内容が非常に多岐にわたり、交渉が難航している。さらに、12月の休暇シーズンでポーランド現地の動きが鈍っていることも遅延の原因となっている。

AFPより

かなりの大型契約なんだけど、怪しいかぁ。

第4次量産分に

さて、話を戻していって冒頭のパワーパックの話なんだけど。恐らくは第4次生産分に充当するためのパワーパックなんだよね。

2023年の5月の会議では第4次生産計画が立案されていて、その内容がこちらに報じられていた。

K2戦車来年から5年間2兆ウォン台の量産…航空機制御機の追加購入

2023年5月25日 16:06

府と軍当局が来年から5年間2兆ウォン台規模のK2戦車を量産することに議決した。

防衛事業庁は25日、第154回防衛事業推進委員会(以下防寒委)会議を開き、K2戦車4次量産計画案と航空統制機2次事業購買計画案をそれぞれ審議議決したと明らかにした。

この日の議決により、来年から2028年までに1兆9千400億ウォンを投入し、150台余りのK2戦車を量産して軍に配置することになる。 K2戦車を追加確保すれば、機動軍団の攻勢機動戦遂行能力が向上すると予想されると、放射庁は説明した。

政府と軍は4次量産戦車に入る「パワーパック」(エンジン+変速機)を完全に国産化する案を検討している。現在、K2戦車には国産エンジンとドイツ産自動変速機を使用しているが、国産変速機が政府主導の公式試験評価で合格すれば、パワーパックは完全に国産化される。

Daumより

ところがこの試験がかなり難航していたようで。その辺りの話はこちらで触れている。

政府側の言い分が正しかったのか、S&T重工側の主張が正しかったのかは不明だが、とにかく政府側が合格を出したことで、去年の10月には晴れてパワーパックの完成に漕ぎ着けている。

第4次生産分は2024年開始で2028年納入完了なんだけど、こんな感じで揉めていたので遅れちゃったわけだ。で、それがようやく決まったという話なんだね。

K2戦車パワーパックは、SNTダイナミックスが開発した変速機とHD現代インフラコアが製作したエンジンを結合したものだ。 今回の契約でSNTダイナミックスは変速機を政府に納品し、K2戦車体系総合メーカー(最終組立メーカー)である現代ロテムがこれを戦車に装着する。 政府は2028年までにK2戦車を約150台生産(第4次量産分)した後、陸軍部隊に配置して運用する計画だ。

毎日経済より

記事を読むと、第4次生産分の生産が完了した後にパワーパックを別で納品するように読めるのがちょっと気になるんだが、多分書き方の問題だろう。製造が遅れているのは気になるところだけれども、まあ、多少はね。

何しろ、ポーランド向けのK2戦車製造で忙しかったから。

でも、ポーランド向けのセールスが頓挫してしまう見込みなので、現代ロテムとしても暇になるハズ。丁度よかったのでは?

コメント

  1. 匿名 より:

    ユーロパワーパックと互換性あるんでしょ?
    もしポーランド向け頓挫で物がダブつくならレオパルド2補修用予備エンジン、
    格安互換品として売ってプリンター互換インクみたいに多少の低品質は目を瞑って貰えたりしたら笑えるかも

    • 木霊 木霊 より:

      互換性はあるのでしょうね。
      実際に、第1次生産分と第2次生産分以降でも共通部品が使えないのは都合が悪いでしょう。

      そして、報じられているテスト結果は第1次生産分、つまりユーロパックの奴が優れているようですから、輸出先で納入された後でパワーパック交換が流行るかも?

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >何しろ交渉担当官は拘置所に拘留されている
    お、おう……

    とはいえ、ポーランドはある意味ケツに火が付いてますから、今更「全部無し!」には出来ないでしょう。
    ここで契約が出来ないと「約束を守らない国・韓国!」の名声が高らかに世界中の軍事関係者に、ひいては世界中の輸出入担当者に響き渡ることでしょうから、どんな煮え湯でも溶けた銅でも、韓国政府は呑まざるを得ないのでは……

    ……むしろ、ポーランドは、約束を韓国都合で破らせて、工場移転その他の実利を取るほうを選んでるのか?それくらいには、ポーランドも食わせ者だったはずですし……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      そうですね、ポーランドにとってK2戦車国内工場建設は必須であるのだろうと思います。
      寧ろ、交渉担当者不在で困っているのはポーランドかも知れませんね。

  3. 名無し より:

    ぶっちゃけまだ出来てなかったんだ。こんなオンボロ戦車買う国の考えが分からん。金をマリアナ海溝の海底に捨てるもんなのにね

    • 木霊 木霊 より:

      いえいえ、実際のところ戦車を買いたくても売ってくれる国は僅かなのですよ。
      アメリカやドイツは強い戦車を持っていることで有名ですが、バックオーダーを山ほど抱えていますし、購入できる国は限られます。
      ロシアは良い供給国でしたが、今はそれどころではない。
      では、他に戦車が作れて保有している国家は?というと、イギリス、フランス、イスラエルくらいですかね。日本もオリジナルを保有していますが、輸出できるのか?というとこれが難しい。イギリスのチャレンジャー2、フランスの㋸クレールは良い戦車ですが、高価だし輸出実績が少なく輸出に積極的でもない。
      そこへいくと、韓国のK2戦車は設計は最新(開発完了時点ではの話)だし、安価。加えて国内での生産能力が高いことと、技術輸出にも積極的に応じるとのこと。そりゃ、カタログスペックだけ見たら好条件ですよ。実際、テストした結果も良好で、採用国のポーランドは手放しで賞賛しています。リップサービスはあるのでしょうが、不具合が多数あれば褒めるわけがない。普通に使えるというのは間違いないでしょう。色々問題が出てくるとすれば、これからですし。