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【韓国】KAIにオランダ航空宇宙研究所が次世代空中戦闘システム開発協力することに

韓国空軍
この記事は約6分で読めます。

コメントで教えてもらって気がついたのだが、KAIがちょっと面白い話を進行させているようだ。

KAI、オランダ研究所と「次世代空中戦闘システム」開発に協力

登録 : 2025-10-22 16:07:39 修正 : 2025-10-22 16:07:39

韓国航空宇宙産業(KAI)は21日、オランダ航空宇宙研究所(NLR)と「次世代空中戦闘システム(NACS)開発協力」のための了解覚書(MOU)を締結したと22日、明らかにした。

亜洲日報より

前からこういった噂はあったんだけど、オランダと組むのか。

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システム開発は必須

無人機開発は真面目にやっている

韓国軍が無人機の開発をしているという話はずっとあって、残念なことにこの分野は多分日本の自衛隊よりも進んでいるのだと思う。

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過去には開発中のKF-21戦闘機とエアチーミングする無人機の開発をやる、という話も出ていて開発の意欲は旺盛だった。

そして、随分前から無人機開発をやっているのがKAIと大韓航空なんだよね。開発当初は偵察機を主体としていたはずなんだけど。

まあ、細かい説明はしないけれども、韓国軍は色々な国の技術を参考にしながら無人機開発をやっていた。

ちょくちょくトラブルも報じられてはいるけれど、実際に運用中らしい。それはこんな事件からもわかる。

この記事は、滑走路に駐機中だった韓国陸軍保有の起動ヘリ「スリオン」(KUH-1)が、着陸してきた無人偵察機「ヘロン」にぶつかられて炎上したという事故を紹介するものである。

この事故発生からも、無人偵察機の運用を継続的にしているという話は確認できる。どの程度のレベルで運用できているのかは、ハッキリ分からないんだけれども。

エアチーミングするには

そしてKF-21戦闘機の、量産は開始されている。すると、エアチーミングの相手となる無人機も欲しくなるのは当然だろう。

無人機の機体は開発は別途韓国内で進められているけれども、エアチーミングできるシステムがない。欲しいが独自開発は難しい。だから、オランダ研究所と手を組んだというのが今回の経緯だ。

今回の協約で、次世代空中戦闘システムの核心技術分野で、両機関の先端技術の力量と研究インフラを結合し、革新的な航空宇宙技術の確保および未来戦場の環境対応力を共同で推進する計画だ。

NLRは欧州航空分野で長い歴史と伝統を誇る研究機関で、先端航空技術の研究経験と検証された試験・評価インフラを備えた世界的な航空技術先導機関だ。

KAIと多様な共同研究および技術交流協力を続けているNLRは今回の協力を通じ、△任務自律化 △データリンク △技術実証など、KAIが開発中の次世代空中戦闘システムの核心技術分野で協力を強化する。

亜洲日報「KAI、オランダ研究所と「次世代空中戦闘システム」開発に協力」より

コメントを頂いたのは、共同交戦能力(CEC)の核心システムをアメリカから提供してもらえないってな話や、次世代戦闘システム(NACS)を「自主開発する」ってな話が関係している。

なお、運用する無人機用の空母を計画しているという話も以前に出ていたから、こちらの分野に随分と本格的に投資をするってのが、今の韓国の方針なんだろうね。

意欲的で良いんじゃないだろうか。

アメリカに頼らないシステム

ただ、この話の肝は、アメリカのシステムを利用しない(利用できない)という点で、オランダ航空宇宙研究所(NLR)との連携により韓国がそのシステムを手に出来れば、兵器産業のさらなる発展に期待ができる。

韓国は様々なシステムを独自開発することで、輸出できるような体制を整えたいという野望があるのだろう。

NLRといえば、過去にもこんなニュースがあったね。

LIGネクスワン、輸出「FA-50」に空冷式AESAレーダー搭載

登録 : 2024-07-24 16:34:16 修正 : 2024-07-24 16:34:16

LIGネクスワンが23日(現地時間)、英国「ファーンボロー航空ショー2024」現場で、オランダ王立航空宇宙センター(NLR)と「FA-50空冷式AESAレーダー飛行試験協力のための了解覚書(MOU)」を締結したと24日、明らかにした。

NLRは1919年に設立された国営防衛産業機関で、約100年間オランダ空軍と協力し、航空宇宙分野の研究開発と各種整備および試験評価に特化した技術力を確保している。 今回の協約を通じ、LIGネクスワンとNLRは軽攻撃機のFA-50向け空冷式AESAレーダー「ESR-500A」の飛行試験を遂行する計画だ。 ESR-500AはLIGネクスワンと韓国航空宇宙産業(KAI)が協力して開発を終えた韓国初のFA-50用空冷式AESAレーダーだ。

亜洲日報より

つまり、KAIとNLRにはコネクションがあって、今回の共同開発の話もその延長線上にあるものなんだね。

まとめ

というわけで、無人機開発を積極的に行い、自国で開発するKF-21戦闘機と連携してエアチーミング飛行が出来るところが、今の韓国空軍が目指しているところ。で、そのためにオランダ王立航空宇宙センター(NLR)とシステムに関する共同開発を行うことを決定した。

実に積極的だね。

追記

そういえばこんなニュースもあったな……。

韓国軍、50万人のドローン戦士育成へ…1万1000機普及させ全将兵に教育

2025.09.04 16:40

韓国軍が全将兵を対象にドローン教育を強化する「50万ドローン戦士養成事業」を本格推進する。

韓国国防部の安圭佰長官は4日、江原道原州の陸軍第36師団で開かれた「小型ドローン・対ドローン実証専従部隊指定式」に参加し、こうした計画を明らかにした。

国防部は来年度国防予算に205億ウォンを編成してドローン教育拡大に出る。まず190億ウォンかけて核心部品が国産化された低価格・消耗性小型商用ドローン1万1000機を導入する。これを陸軍の全常備部隊と教育機関に普及させ、1分隊当たり1機以上活用できるようにする方針だ。

中央日報より

ドローンを使った戦略に積極的という点を評価すべきなのか、ちょっと意味が分からないと悩むべきなのか。

国防部は陸軍第36師団を「50万ドローン戦士」養成加速化に向けた小型・対ドローン実証専従部隊に指定した。専従部隊は戦闘現場と同様の環境で民間ドローン装備の活用の可能性を検証し、将兵が最新ドローンを運用して戦術・教理開発に直接参加できるようにする計画だ。

中央日報より

末端の兵士レベルでドローンの扱いに習熟しろという取り組みは、アメリカ軍でも行われているので、こうした取り組みをすることはむしろ積極的に行われるべきだとは思う。

……思うんだけど、結構悲惨な装備品の実態を見たり聞いたりしているだけに、なかなかにモヤモヤする話ではあるね。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    こう言うところにバンバン金突っ込める体制が本当に羨ましい……
    自衛隊というか技本は、良い技術はいっぱいあるのに、どれもこれも尻すぼみになってしまう。
    「敵はお金」なんですよね……>財務省も片山大臣が色々大暴れしてくれることを願う、ついでに必要なところにキチンとお金回してほしい。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      韓国の予算配分は本当に謎なんですよ。
      ただまあ、ギャンブル的でもこの分野に金突っ込んでリターンが得られればそういうのもありかもしれません。結局、必要なのは間違いありませんから。

  2. 砂漠の男(出張帰り) より:

    韓国軍は韓国軍なりに考えてやっているようなので、試行錯誤しながら頑張って下さいと。
    その韓国軍は兵力の自然縮小という難題に対処するために、いまシステムの自動化やドローン兵器の導入を急いでいるように見えます。
    男性人口の減少に伴い、韓国軍は6年で20%縮小した(ロイター8/10)
    https://shorturl.at/SM6YM

    我が自衛隊も増員が必要です。高市政権には積極的に軍事にカネを使って欲しい。軍事は公共事業であり、軍事への投資は社会経済への波及効果が大きく、社会にカネが回りますし、技術発展にも貢献します。
    ところで、小泉防衛相が武器輸出のトップセールスをやると言い出しましたよ? えぇ?
    (この人がなにを言っても、マスコミが文句を言わないので、実に使い勝手がいいですねw)
    https://www.fnn.jp/articles/-/951002