このブログでは扱ったことがなかった韓国の高速艇「チャムスリ」が進水したというニュースがあった。
韓国の新型高速艇「チャムスリ」4隻が進水へ 来年海軍に引き渡し
2025.12.08 10:51
韓国海軍と防衛事業庁は8日、沿岸防衛の第一線戦力である230トン級の新型高速艇(PKMR)バッチ2「チャムスリ(オオワシ)231・232・233・235号」の統合進水式が同日午後に南部・釜山のHJ重工業で行われると発表した。
聯合ニュースより
最初は高速ミサイル艇(コムドクスリ)の系譜かと思ったんだけど、そうじゃないらしい。一度、ブログの過去の記事も整理しないと駄目っぽいね。
最新版の高速艇が登場
高速艇の系譜
さて、最初に高速ミサイル艇「コムドクスリ」へのリンクを。
この高速ミサイル艇も、お笑い要素満載の素材だったのだが、最近建造していなかった。
が、今回のこの高速艇は、高速艇PKMR-211(チャムスリ)の系譜らしい。
韓国は北朝鮮の上陸用舟艇を破壊するために設計されたミサイルと砲兵のボートを一度にXNUMX隻発射した
2022年
韓国は北朝鮮に対抗するために海軍の能力を高め続けている 艦隊。 釜山では、新型PKX-B(パトロールキラーエクスペリメンタルB)PKMRのミサイルと砲兵艇XNUMX隻を同時に発射する厳粛な式典が行われました。 ボートは韓国海軍のために韓進重工業株式会社(HJSC)によって製造されました。
top warより

日本語の記事のハズなのに、日本語が怪しいところがあるのだが……、それはさておき艦影はこんな感じ。
この船も高速ミサイル艇PKG-711(コムドクスリ)の系譜と同じ3軸のウォータージェット推進を採用している。
- 1番艦PKMR-211「チャムスリ211」2016年7月進水
- CODAG方式でガスタービンエンジンとディーゼル機関を併用
- ウォータージェット推進器3軸搭載
- 満載排水量250t
- PKMR-211~PKMR-229までの16隻
- 1番艦PKMR-231「チャムスリ231」(バッチ2)2025年12月進水
- CODAG方式でガスタービンエンジンとディーゼル機関を併用
- ウォータージェット推進器3軸搭載
- 満載排水量270t(予想)
- PKMR-231~PKMR-235までの4隻
- 1番艦PKG-711「尹永夏」(コムドクスリ)2007年7月進水
- CODAG方式でガスタービンエンジンとディーゼル機関を併用
- ウォータージェット推進器3軸搭載
- 満載排水量570t
- PKG-711~PKG-732までの18隻
登場する艦艇を並べてみたが、こんな感じなんだよね。
バッチ2では兵力強化
で、バッチ1よりも20t分ほど規模を拡張したうえで、戦闘システムの近代化に伴うユーザー運用性の向上と、兵器の拡充を行っている。
また、130ミリ誘導ロケットと12.7ミリ遠隔射撃統制システムの統制・発射機能を戦闘システムと統合したほか、抗ジャミング(通信妨害克服)能力を含む電子戦対応力も強化された。
聯合ニュース「韓国の新型高速艇「チャムスリ」~」より
記事を読むと、「ああ、何か強化したんだな」という風に考えたんだけど、色々情報を集めて混乱。
韓国海軍の新型高速艇4隻の合同進水式
記事入力 : 2025/12/08 16:19
韓国海軍の新型高速艇(PKMR)バッチIIのチャムスリ231号・232号・233号・235号(1-4番艇)合同進水式が8日、釜山市影島区のHJ重工業影島造船所で開かれている様子。
230トン級、全長45メートルの新型高速艇は、130ミリ誘導ロケットや12.7ミリ遠隔射撃統制システム(遠隔操作式銃架・RWS)に対するコントロール・発射機能を戦闘システムと統合し、ジャミングへの対抗能力を含む電子戦対応能力も強化された。
朝鮮日報より
新型高速艇「Batch-Ⅱ」は、従来の高速艇(150トン級)より規模が大きくなり、△130ミリ誘導ロケット△探索レーダー△電子光学追跡装置△76ミリ艦砲を搭載し、戦闘能力も強化された。
毎日経済より
ええと、どういうこと??バッチ2の話をするなら、バッチ1と比較すれば良いのに、どういう理由か前級の大鷲型哨戒艇 (PKM)の話をしている。大鷲は韓国語で「チャムスリ」なのだが、バッチ1は違うのか違わないのか。
韓国軍のネーミングはこの辺りのルールが曖昧なので、何が正しいのかは不明。よって、PKMR-211との違いがあるのかも良く分からない。仕様を見た限り、同じなんだけどバッチ2を謳っている以上は、変えていると思うんだけど。

改修版は9番艦以降に採用
色々探していたら、やっぱりPKMR-211の系譜はバッチ1扱いで良さそうだ。
海軍PKMR 剣鷲-B級 Batch-I 16隻建造事業終了
2023.01.03 18:17
海軍新型高速艇(PKMR)「剣鷲-B級バッチ(Batch・類型)-I」事業が22年12月26日に終了した。
Defense Todayより
16隻建造して事業は2022年12月に完了。バッチ2は18隻作る予定らしいね。
バッチ1は一体何が問題だったのか?
海軍新型高速艇1~4番艦でエンジン故障…原因究明中
2020-05-13 08:14
有事の際に西海北方限界線(NLL)一帯などに投入される海軍の新型高速艇(230トン級)4隻で、同一形態のエンジン故障が発生し、軍当局が原因究明に乗り出した。
13日、海軍と国防技術品質院によると、2017年11月に実戦配備された1番艦に続き、2~4番艦など4隻の新型高速艇でエンジンシリンダーヘッドが破損する同一現象が確認された。
聯合ニュースより
そういえば思い出したけれど、米キャタピラー社のエンジンを使ってた船があったな。この1~4番艦のトラブルは解決したのかしていないのかハッキリしないが、9番艦からは別のエンジンに変えたとか。
本事業初期に建造された艦艇については、エンジン設計上の欠陥により頻繁な故障が発生した。このため9番艦以降は問題点が改善されたエンジンを搭載し、戦力化した。
Defense Todayより
で、この問題が解消した結果なのか、別の理由なのかバッチ2が採用が決定。
エンジントラブル:シリンダヘッドが破損
別の記事に原因は設計ミスだったという話を見つけたので、こちらも紹介しておこう。
[単独] 海軍、新型「剣鷲」高速艇故障の原因は「韓進重設計の不備」と暫定結論
入力 2020.07.16. 06:00
国防技術品質院(機品院)は、海軍の次世代新型高速艇で相次いだエンジン故障の原因を調査してきた結果、納入業者である韓進重工業の誤った設計により欠陥が発生したという暫定結論を下した。
中央日報より
なんでも、設計ミスでエンジンのシリンダヘッドに海水が流入するんだとか。そんな事ってある?それで9番艦以降は対策品のエンジンに換装したらしい。
またバッチ2は外観の変更は殆どないから、もしかしたらその辺りの対策をした新設計の高速艇ということかもしれない。でも、外観上かなりトップヘビーに見えるんだよね。そこは問題にならなかったらしい。
まとめ
韓国の艦艇が採用した高速艇は、沿岸警備に使うということなので、ある意味この辺りが韓国海軍の主力級ということになる。
正直、イージス艦に力を入れるよりも、こちらの艦種に力を入れるべきなのだ。だって、相手は先ずは北朝鮮なのだし。
え?違う?アレは同胞?うんまあ、それならそれで好きにしたらいいけど。でも、それなら先に戦争を終わらせる努力をすべきだね。



コメント
見た目が全くトップヘビーですね
フル出力で曲がれるのかな?
エンジントラブルの予感がガンガンしますね
かの国は復元性を考慮の頭がなさそうですね
お笑いは犠牲者なくしてほしいですね
見た目はトップヘビーなんですが、流石に既に16隻作っていて、同じ形のものを増やそうというわけですから、そうそうおかしな事にはならないでしょう。
トラブル出しも終わっていると見るべきでしょう。
だから、復元性もある「ハズ」です。見た目的には復元性はなさそうに見えるんですけどね……。