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韓国の月探査機「タヌリ」任務延長を決定

迷走韓国宇宙開発史
この記事は約4分で読めます。

任務延長して何ができるかは知らないが、無事に任務を続けられるだけの機能はまだあるようだ。

韓国の月探査機「タヌリ」、2027年までの任務延長を決定

2025/02/11 05:41

韓国初の月探査機「タヌリ」の任務期間が2年延長されることになった。韓国宇宙航空庁は10日、大田市の韓国天文研究院で開催した「月探査関連事業推進委員会」において、タヌリの任務を2027年まで延長することを議決した。

Wowkoreaより

おめでとう。

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NASAの要請で

何に使われているのか不明

このブログで月探査機「タヌリ」に関して触れているのだが、ちょっと残念な調査機であった。

韓国がアメリカに打ち上げて貰った月調査機で、現在タヌリは月周回軌道を周回しているハズである。

タヌリには以下の観測機器が搭載されている。

  1. 5m級の高解像度カメラ:韓国航空宇宙研究院で開発 
  2. 広視野偏光カメラ:月面全体の映像を撮ることができる機器で、韓国天文研究院で開発 ← 2台搭載するが、1台は作動せず、もう1台はデータ処理に問題あり
  3. 月磁場計:月面から100Km上空までの磁力を測定する磁力計で、慶煕大学が開発
  4. ガンマ線分光器:月面を構成する元素の成分と分布を調べる装置で、韓国地質資源研究院が開発
  5. 宇宙インターネット試験装置:遅延耐性ネットワーク試験装置で、韓国電子通信研究院が開発
  6. シャドウカム:月探査用光学カメラ。米国研究陣がNASAで開発

今のところ成果が分かっているのは、広視野偏光カメラ「ポールカム」で、一応撮影には成功したが、2台搭載するカメラのウチ1台が機能せず、もう1台もデータ処理に問題があるので期待通りの運用は出来ず。シャドウカムはNASAがデータ収集しているので、予定通りの成果が出ていると報じられている。

他の機器が正常に働いているかは不明だ。

一方、タヌリにはシャドウカメラが搭載されている。また、タヌリの追跡および通信を支援しているNASAとの協力期間も、タヌリ協力実施約定の改訂を通じて2028年12月まで延長となった。

Wowkorea「韓国の月探査機「タヌリ」」より

NASAは知っているようだけれど。

月の表面を撮影

折角なので公表されている成果を紹介しておこう。

タヌリには6つの観測機器が搭載されており、そのうちのひとつに、米国航空宇宙局(NASA)とアリゾナ州立大学が開発した「シャドウカム(ShadowCam)」というカメラがある。シャドウカムは、暗い場所でもまるで普通の写真のように撮影できる超高感度カメラで、月の南極、北極付近にある永久に影に覆われた領域を撮影することを目的としている。

マイナビニュースより
韓国の月探査機「タヌリ」が撮影した月のシャックルトン・クレーターにある永久影の領域

この写真は月の表面のウチ、影になった部分のもの。地球からは観測できない部分でもある。

韓国航空宇宙研究院(KARI)などは2023年1月12日、月探査機「タヌリ」が撮影した、月の「シャックルトン」クレーターにある永久影に覆われた領域の画像を公開した。

マイナビニュースより

韓国航空宇宙研究院(KARI)が、自分の手柄のように公表したけれども、撮影したのはNASA開発のシャドウカムで、データ通信もNASAが手を貸している。

うんうん、で?他の成果は?

公表できるものはないのかな。不思議だ。

タヌリのミッション期間は約1年を予定する。その観測データは、地表を走って水を探すNASAの月探査車「VIPER」(2024年打ち上げ予定)の探査候補地や、国際有人月探査計画「アルテミス」で宇宙飛行士が降り立って探査する候補地の選定など、今後さまざまなミッションに活用されることになる。

マイナビニュースより

2023年1月19日の記事で、アルテミス合意の成果として利用されている旨が書かれており、この時の予定では2025年1月で任務が終了する予定(この時既に1回予定延長がされている)であった。

だが、「使えそうだね」ということで、2027年末まで運用を延長することになった。2028年3月には月面に衝突させることになるらしい。

とはいえこの話、NASAの協力なしには韓国では何も決められない話なので、計画変更もNASA主導の話だろう。

コメント

  1. きたやまひと より:

    今日は。
     NASAとしては、電源が生きているうちは使い倒そうということでしょうか。shadowcam以外の観測機器が稼働していないのであれば、余裕もあるでしょうね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。
      その発想はなかった。
      確かに、予定以上に電池の消耗がないというのは、そもそも想定した運用が出来ていない=稼働していないってことですか。その可能性はあるかも。

  2. 山童 より:

    タヌリでなくてタタリでないの?😂
    まともに作動しないから、とりあえず延長してみた……みたいに記事から伺えるのですが。いや記事が誹謗中傷してる意味でなく、あくまて記事の伝える内容と客観性から「浮かび上がる気がする」たけです。
    でも、そう想うのは山童だけかなぁ?

    • 山童 より:

      この人たち、
      機械は殴れば治るとか、
      放っておけば治るとか、
      ツバつけとけば治るとか……
      昭和のお婆ちゃんみたいな発想で事態を考えてるんじゃないですかね?😂

    • 木霊 木霊 より:

      マトモに作動しているかどうかも不明ですが、有効に活用していれば確実にホルホルするので、上手く使えていないけどNASAが使うっていうから、しばらく延長して使わせてやっても良いわという感じだと、僕は理解しました。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    衛星は、飛んで通信出来てるだけでも、、重力の偏りとかによる軌道のズレとか見れるし、色々使い道はありますから。
    通信出来てる間は「生きてる」判定で良いのではないでしょうか。
    下手に死なれてデブリになって迷惑かけるよりは……
    あそこまで行って写真送ってきただけでも、大したものではありますよね。
    それが「おんぶにだっこ」だとしても。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      月の状態を撮影できるだけでも価値はありますよね。
      NASAが通信をして、NASAが位置情報の補足をして、NASAが提供したカメラで撮影する。まさにおんぶにだっこですが。