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ガソリン暫定税率廃止を巡る攻防

政治
この記事は約6分で読めます。

このブログでも「絶対やってくれ」としてきた話ではあるんだけど、何故このタイミングなのよ。

ガソリン減税法案が審議入り 野党、参院選へアピール

2025年06月19日09時55分配信

立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党7党が提出したガソリン税の暫定税率廃止法案は19日の衆院財務金融委員会で、趣旨説明が行われ、審議入りした。同委員会は20日に質疑を行い、実質審議に入る。

時事通信より

そもそも「暫定」といいながら、何年続けているんだという。

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国民の方なんて見ていない

暫定税率廃止は必要

ちょっと前にもこのブログではこんな話を書いた。

この議論は、ずっと前から出ていて去年末に三党合意という形で、廃止する方向に決まった。更に4月にはこんな報道も。

ガソリン価格 自公国3党 引き下げへ合意 具体策の検討急ぐ

2025年4月5日 6時35分

ガソリン価格の高止まりを受けて、自民・公明両党と国民民主党は、ことし6月から価格を引き下げるため、対応策を実施することで合意しました。今後、補助金によるさらなる支援も含め、具体策の検討を急ぐことにしています。

NHKニュースより

実際、現状では1Lあたり10円程度の補助が出ていて、ややお安くガソリンが購入できる状況にある。

でも、イスラエル・イラン紛争が始まってから、多分このガソリン価格の補助程度では足りないような状況になってしまう可能性はある。

そういう意味でも、暫定税率廃止の話はやっておく必要があるだろう。

法案は通らなくてもかまわない野党

ソレは分かるのだが、では何故この時期なのか。

今国会の会期末が22日に迫る中、野党は参院選に向け、ガソリン減税に取り組む姿勢をアピールしたい考えだ。

時事通信「ガソリン減税法案が審議入り」より

結局のところ、会期末は22日なので審議をしたところで採決にもつれ込むには時間が足りない、そんなタイミングなのである。

麻生氏、ガソリン減税法案批判

2025年06月19日15時24分配信

自民党の麻生太郎最高顧問は19日の麻生派例会で、立憲民主党など野党7党が提出したガソリン税の暫定税率廃止法案に関し「法案をこの時期に提出するのは、政策ではなく選挙に向けたパフォーマンス以外何物でもない」と批判した。

時事通信より

その点に関して、麻生氏がズバリと批判している。

この法案提出に関して、そのパフォーマンスはこんなところにも。

衆院財務金融委員長の解任案可決 現憲法下で衆議院では初

2025年6月18日 19時11分

野党側が提出した衆議院財務金融委員会の井林委員長の解任決議案は、衆議院本会議で採決が行われ、野党側の賛成多数で可決され井林委員長は解任されました。衆議院で委員長の解任決議案が可決されたのはいまの憲法のもとでは初めてです。

NHKニュースより

この法案提出は、今月の11日に行われている。

ガソリン税暫定税率廃止 野党3党 あすにも法案を共同提出へ

2025年6月10日 22時27分

ガソリン価格の抑制策をめぐり、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党は、来月からガソリン税の暫定税率を廃止するための法案を、11日にも共同で国会に提出することになりました。

~~略~~

一方、暫定税率のうち、地方税である軽油引取税の上乗せ部分については、日本維新の会が、地方財政への影響を考慮すべきだと主張し、廃止のための法案の共同提出を見送ることになりました。

NHKニュースより

なお、内容はやや生煮えである点は否めない。地方税部分の話1点を挙げても、方向性が定まっていないことがありありと見て取れる。

内閣不信任案提出見送り

そして、このタイミングでの内閣不信任案提出の話が出てきた。

【速報】立民の野田代表は会見し、内閣不信任案提出見送りに関し、「政治空白をつくることを回避すべきだ」と述べた

2025年06月19日18時03分配信

立民の野田代表は会見し、内閣不信任案提出見送りに関し、「政治空白をつくることを回避すべきだ」と述べた

時事通信より

この記事、好意的に見れば「大切な時期だから、政治的空白を作るな」という野田氏の主張は筋が通っているようにも思える。

だが、これは立憲民主党の党内で内閣不信任決議案の提出派と反対派で割れているから、それに釘を刺そうとしただけの話に過ぎない。

立憲・小沢一郎氏ら、内閣不信任案への賛同呼びかけ 集会開催へ

2025/6/18 21:24(最終更新 6/18 22:28)

立憲民主党の小沢一郎衆院議員らは18日、党執行部に対し内閣不信任決議案の提出を求めるため、賛同を募ると明らかにした。呼びかけでは「(同決議案を)出さないことは国民からの負託を反故(ほご)することに等しい。真に国民のための改革を進め、政権交代を実現することが求められる」と記した。

毎日新聞より

結局、野田氏の発言は単なる内紛を収める目的なんだよね。

立民の小沢氏、不信任提出を要求 賛同30人が会合

6/19(木) 18:02配

立憲民主党の小沢一郎衆院議員は19日、野田佳彦代表に内閣不信任決議案の提出を求める会合を国会内で開いた。賛同する国会議員約30人が参加した。小沢氏は「政権交代が目標だ。けじめとして、われわれの主張を国民に示さなければならない」と語った。

Yahoo!NEWSより

小沢氏は、収まらないようだ。多分、今夜から明日にかけて揉めに揉めるのだろう。だが、ガソリン暫定税率廃止が本当に大切なら、国会審議通過するタイミングでヤレよ。ナニやってんだよ、党内意見くらいまとめておけよ。

今なの?本当に?

僕自身は、何度も書いたように暫定税率廃止すべきだと考えているし、それは財源論をする話でもないと考えている。そもそも、法的根拠を失った法律なのだ。

これは以前にも書いたのだが、道路関係四公団が2005年に民営化された時、道路特定財源制度は廃止されるはずだった。立法事実が、道路特定財源が足りないから暫定的に取るよという話で、「暫定」の部分も、そもそもの「特定財源そのもの」も消失している。租税法律主義に基づいた根拠はなくなってしまっているのだ。

だから、ガソリン税暫定税率廃止法案を通してしまえという気持ちはある。だが、蓋を開けてみたら結局選挙対策である。

それどころか、このタイミングで内閣不信任決議案の提出で内紛である。バカバカしいぜ。当然、内閣不信任決議案の提出をしてしまえば、ガソリン暫定税率法案より優先審議する必要があるので、事実上通らなくなる。説得力が無いにも程ある。

アメリカでもイランでもイスラエルでも、ウクライナだって、そりゃあ大変なことになっている。国会議員は、そういった国際情勢そっちのけでコレだから。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    野田氏、「今解散しても勝ち目が無いから不信任案出さない」ってはっきり言ってましたね、ニュースのインタビューで。
    そりゃそうなんだけど、それ言っちゃお終いだろうと。不信任案は「内閣が信用出来ない」から出すのじゃ無いかと小一時間。まあ、どっちにしても「みんみん」には勝ち目なんてないですが。

    ガソリン税は、これに限らないですが、一度根本的にバラしてスッキリさせないと。
    屋上屋を架しまくった、山城扶桑の艦橋並みの違法建築ですから。
    それが出来ないのは、
    ・現行の税制に手をつけるのは財務省的には無能の証明、出世の否定、その他諸々
    ・利権がパーになる人がごちゃまんと……
    なんでしょうね、って思います。

    選挙、本当にどこにも入れるところがない、けど、消去法でいくしかないか……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      野田氏は、選挙対策である事すら否定しませんでしたか。
      何のための政治家なのかと。

      消去法で投票すると自民党しか残らないのですよ。国民民主党がもうちょっとマシな党になってくれると嬉しいのデスが。