近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。「注意して下さい」もお読み下さい。

フランス大統領、支那に関税引き上げ警告

北欧ニュース
この記事は約6分で読めます。

どうしたのよ、フランスは。

仏大統領、中国に関税警告 対EU貿易黒字巡り=仏紙

2025年12月8日午前 7:32

フランスのマクロン大統領は、中国を先週訪問した際に、同国が欧州連合(EU)に対する貿易黒字を削減する措置を取らなければ関税を課すと警告したことを明らかにした。

ロイターより

先日、北京にまで乗り込んで友好ムードを演出するのかと思いきや、まさかの逆噴射である。

スポンサーリンク

景気刺激策に苦慮

フランスは激怒?

共同記者会見は割と友好的な空気だったようだが、裏では火花が散っていたらしい。

習主席とマクロン仏大統領が共同記者会見

2025年12月7日 14:00

中国の習近平国家主席とフランスのマクロン大統領は12月4日午前、会談後に共同記者会見を行いました。

習主席は、「マクロン大統領の中国への4度目の公式訪問を歓迎する。マクロン大統領とは友好的で率直、かつ実り多い会談を行った。双方は中仏両国が独立自主の大国として、現在の変乱に満ちた国際情勢において多国間主義の旗を掲げ、平等な対話と開放的な協力を堅持すべきとの認識で一致した。また、中仏の全面的戦略的パートナーシップの戦略価値と世界への影響力を十分に発揮し、平等で秩序ある世界の多極化と包摂的な経済のグローバル化を推進することを確認した。さらに、政治的信頼の強化、実務協力の拡大、人と文化の交流の促進、グローバルガバナンス改革の推進の4つの分野で協力を強化することで一致した」と述べました。

AFPより

この後に何かあったのか、それとも会談そのものが不調だったかは不明ではあるが、マクロン氏はフランスに帰国してからいきなりこんな発言を。

同氏は仏紙レゼコー日曜版に掲載されたインタビューで「中国は特にわれわれからの輸入を大幅に減らしたことで自国の顧客をつぶしているため、中国の貿易黒字は持続不可能だと彼らに説明しようとした」と述べた。

「彼らが対応しなければ、われわれ欧州は今後数カ月で、米国に倣って中国製品に関税を課すなど強力な措置を取らざるを得なくなると伝えた」と語った。

中国に対するEUのモノの貿易赤字は2019年以降60%近く拡大している。

ロイター「仏大統領、中国に関税警告~」より

赤字拡大でブチギレだという。

なるほど、支那がかなり経済的に苦戦していて、フランスからの輸入を大幅に減らしちゃったという話になっているので「もっと買え」と。逆に支那から大量に輸入しているところに「関税をかけるぞ」と。

……あのさぁ、トランプ氏も失敗しているけどマクロン氏も失敗するぞ?そんな事すると。だって、関税を上げるってことは、つまりインフレを招くってことだから。

デフレに向かうフランス

ところで、おフランスの経済状況は悪化していて、インフレ率は1%前後をウロウロしているとか。

フランスのインフレ率、4年半ぶり低水準-心強いと仏中銀総裁

2025年5月27日 at 16:00

フランスのインフレ率は5月に欧州中央銀行(ECB)の目標である2%をさらに下回り、4年半ぶりの低水準となった。追加利下げを求める声が強まる可能性が高い。

Bloombergより

一時期インフレが加速していたけれど、今はデフレへ向かう方向ではある。

いや、インフレが軟化して停滞している感じかな。まあ、デフレに至るほどではないにせよ、景気刺激策は欲しいところ。支那からの輸入品に関税をかけても、多少値上がりする程度ならば良いのか。アメリカみたいなことにはなるまい。

が、景気刺激策が欲しいところで、治安の悪化は懸念材料である。その背景には移民問題の失敗があるわけだけど、それだけじゃなくて支那からの安い輸入品がフランスの製品を脅かしているという面もあるようだ。

会談不調の裏で、脱中国依存も進行中?

つまり、支那側は投資を期待していたが、フランス側は「赤字改善が前提」と突きつけた形。そりゃ険悪にもなる。

えぇ、そのイライラを日本にぶつけたなんて構図ではないだろうね?

フランス、脱中国依存へ企業の拠点分散促進 半導体など

2023年1月26日 17:51

ランスは、サプライチェーン(供給網)の中国依存を下げるため、アジアにおける企業の拠点分散を後押しする。べシュト貿易・誘致担当相が29日からの日本訪問を前に日本経済新聞の取材で明らかにした。

ベシュト氏は「リスク低減のため中国への(生産や調達の)依存を下げる必要がある」と述べた。

日本経済新聞より

フランスでは数年前から支那依存を下げるという話はチョロチョロと出ていた。

日仏、重要鉱物で官民連携 EV向けなど

2025年3月18日 2:00

日本政府はフランスのレアアース(希土類)の精製事業に約1億ユーロ(約160億円)出資する。仏政府も1億ユーロ強の資金支援を行う。電気自動車(EV)に使われるジスプロシウムなどの重要鉱物で、日本の需要の2割に相当する規模を岩谷産業などが調達する。中国依存を減らし、経済安全保障を強化する。

日本経済新聞より

今年の3月にもフランスは日本との連携を確認し、民間企業を中心としたレアアース精製事業を協力してやっていこうという話があった。

EUが2023年に採択した「重要原材料法(CRMA)」に基づき、30年までに域内で自力による採掘を10%以上、加工を40%以上、リサイクルを25%以上とする目標を設定し、今年3月には総額225億ユーロの補助金計画に含まれる47の戦略的プロジェクトリストを定めている。

ドイツほど支那依存は高くないが、それでも方針としては脱支那依存を目指しているようだ。そういえば、ドイツも、「日本みたいに依存脱却しなければ」というかけ声はかけていたな。

Bloomberg - Are you a robot?

無理っぽいけれども。

まとめ

そんなわけで、フランスは本音と建て前の間で揺れ動いている感じなのかな。

日本としては、EUとして相手にするならまだしも、フランス単体とはドライな距離感を保つのが賢明だろう。

目的が一致する範囲では協力し、そうでなければ無理に付き合わない。

“利用し合える部分だけ利用する”くらいが、ちょうど良い距離では?

追記

なお、EU全体でも脱支那方面に進む模様。

EU、リサイクル可能な電池・レアアース廃棄物の輸出制限へ 中国依存低減

2025年12月4日午後 1:12

欧州委員会は、電気自動車(EV)や風力タービン、半導体などに使用される重要な原材料の確保を推進する一環として、2026年初頭からリサイクル可能なレアアース廃棄物やバッテリースクラップの輸出を制限することを計画している。

ロイターより

この辺りの発想はEUらしいというか、なんというか。

確か韓国でもレアアース廃棄物からレアアース回収しようとしていて、今のところ成果なしという状況だったはず。技術的に難しいのもそうだけど、真っ当にやると採算とれない分野なのね。

そういえば、経済がヤバすぎてドイツもフランスも戦闘機開発に二の足を踏んでいたような。

独仏両国、次世代戦闘機の共同開発中止に向けて協議=FT

2025年11月18日午前 11:02 GMT+92025年11月18日更新

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は17日、ドイツ、フランス両政府が次世代戦闘機開発計画、将来戦闘航空システム(FCAS)プロジェクトについて戦闘機の共同開発を中止し、協力分野を指揮統制システムに絞り込む方向で協議していると報じた。FCASへの投資額は、計画していた1000億ユーロ(約1160億ドル)規模から減額する。

ロイターより

期待していたのに、残念である。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    流石、おフランスは一癖も二癖も有りますね。キンペイは後脚で見事に蹴られましたね
    兵器の共同開発とかもフランスが噛であったら無茶苦茶に何時もなりますもんね
    日本も適当な距離を置いて接する事がベターですね

    • 木霊 木霊 より:

      すっかり騙されました、おフランス。
      まさかの掌返しがあるとは。
      イギリスもフランスも外交においては二枚舌。
      イギリスはそれでも取っつきやすい相手ですが、フランスは昔からアレですから。

  2. 砂漠の男 より:

    フランスも支那も首脳会談で具体的な合意ができず、却ってギクシャクしてしまいましたね。
    ちなみに、フランスの2024年の対支那貿易赤字額は470億ユーロ(≒8.5兆円)に及び、フランスの貿易赤字額全体の半分にあたるとか(LeDAUPHINE 12/03)。
    https://shorturl.at/UtyK5
    貿易問題に限れば、いまの支那はジャパン・バッシング(1980年代)直前の日本によく似ているんじゃないですか。

    • 木霊 木霊 より:

      470億ユーロとはまた、巨額ですね。
      確か過去に大量にフランス製品を買う約束をしていたような気がしますが、気の所為だったのかもしれませんね。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    コミュニケ出なかったあたりでお察しですが、マクロンは、国内の「激安で品質最悪な支那製品による市場荒らしを何とかせい!」の圧力(恐らく国外、EUからも言われてる)に抗えなかったのでしょう。
    そのあたりの掌クルクルは欧州しぐさ、EUしぐさですから。
    これには集金Payもびっくり!なんでしょうけれど(まさか自国に呼んだのに反故にされるとは、連中の嫌う『顔に泥』ですから)。

    共産党独裁と違って、支持率を気にしないといけない『共和制』の国ですから、仮にもフランスは。
    そのあたりを思いっきり見誤っているのでは?>中国共産党上層部

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      そういうことでしょうね。
      EUとしての立場も伝えなければならないわけで。実際に市場を荒らされている実態を踏まえない外交はできなかったと、そういう話でしょう。
      集金payは、集金されそうになってビックリしたってな話かも。

      • 七面鳥 より:

        ついでですが。

        >ドイツもフランスも戦闘機開発に二の足

        二の足どころか実質空中分解だそうで。
        ※ワークシェアでもめて……まあ「いつか来た道」
        ※で、ジャガイモはGCAPにいっちょ噛みする気だとか……やめてやめてマジやめて。

        • 木霊 木霊 より:

          まー、空中分解っぽいと伝えられてはいますね。
          完全になくなったわけではなくて、話し合いになったそうですが。
          もし完成するにしても、いつもの遅れるパターンに突入です。