一時期のような爆発的な人気は陰を潜めた感のある「魚屋のおっチャンネル」だが、今でも定期的に視聴している。その中の一節が、どうやらかなりバズっているようだ。
「対財務省の最終兵器」自民・木原誠二氏、首相の予算編成方針を絶賛 複数年度の財政出動
2026/1/21 11:10
自民党の木原誠二前選対委員長は20日のインターネット番組「魚屋のおっチャンネル」で、衆院解散を決断した高市早苗首相が国の予算編成のあり方を改める方針を表明したことについて、「財務省に対して、最終兵器というか、リーサル・ウエポンを出した」と述べた。
産経新聞より
木原誠二氏は、その物言いから「偉そうだ」と批判されがちな人物だが、一方で岸田政権の懐刀として動いてきた実力者でもある。加えて財務省出身官僚という経歴を持ち、財務省の論理や思考様式を熟知している人物だ。
その木原氏が「最終兵器」とまで評価する以上、この発言は軽く流してよいものではない。
構造改革路線で戦う
予算編成改革を示唆
木原氏が掘り起こしたのは、高市首相自身の発言の意味合いである。
首相は19日の記者会見で、「強い経済が必要だ」としたうえで、「国の予算の作り方を根本から改める。毎年度、補正予算が組まれることを前提とした予算編成手法と決別し、必要な予算は当初予算で措置する。複数年度の財政出動をコミットする仕組みを構築する」と述べた。
産経新聞「「対財務省の最終兵器」自民・木原誠二氏~」より
この発言自体、当初はほとんど注目されていなかった。木原氏が番組内で強調したことにより、後追いで産経新聞が取り上げた、というのが実情だろう。
しかし、「複数年度の財政出動」という言葉の持つ意味は、かなり革命的である。
木原氏は番組で、「非常に練られていて、(当初と補正の)セットで財政・予算の枠組みを変える、と。これは最終兵器だ。非常に分かりやすい。諸外国はやっている。いよいよ、そのステージにきた」と評価した。2027年度予算案に関しては「できれば複数年度で組んでほしい」と語った。
産経新聞「「対財務省の最終兵器」自民・木原誠二氏~」より
木原氏の言う通り、諸外国では複数年度予算は一般的だ。
一方、日本は依然として単年度決済主義が原則であり、そのため行政運営は極めて硬直的になっている。
役所と仕事をした経験のある人なら身に覚えがあるだろう。「予算は年度内に使い切ってください」という、あの理屈だ。余った予算は翌年に繰り越せず、複数年計画であっても、単年度ごとに無理やり処理させられる。事業計画を立てる側からすれば、かなり厄介な制度である。
民間では、そんな非合理な仕組みは成り立たないため、複式簿記が当たり前になって久しいのだが。
大改革の意思
それでも国政レベルでは、この方式は長らく採用されてこなかった。
木原氏は「国を変える、という意思表示だと思う。予算は国そのものだ。大改革だ」と述べ、衆院選で訴えていきたい考えを示した。
産経新聞「「対財務省の最終兵器」自民・木原誠二氏~」より
ここであえて「国政においても」と言いたくなるのは、地方行政もまた同じ縛りに苦しめられているからである。
国家の財政方針が転換すれば、地方行政も無関係ではいられない。否応なく変わらざるを得ない。
それ故、木原氏が指摘するように「国を変える」という評価に大きく繋がる話となる。
整理すると、この予算編成改革がもたらす効果は以下の通りだ。
- 複数年度化による政策の予見可能性向上
- 成長投資・危機管理投資への好影響
- 民間投資を呼び込む効果
- 多年度・動的な政策モデルの構築
- 市場の予見可能性向上による金利への好影響
- 財務省の裁量・影響力の相対的低下
メリットは多いが、当然ながらこれを実現するには相当手強い相手と向き合う必要がある。
かつて小泉純一郎氏が「自民党をぶっ壊す」「抵抗勢力は排除する」と打ち出したように、もう少し分かりやすいスローガンを掲げてもいいのではないかとも思う。
例えば、「財務構造改革を推進する」といった具合に。
まとめ
硬直した国家の予算編成に苦しむ人は多い。
この問題は国民にとっても無関係ではない。例えば、消費税減税のような一時的な減税政策を実行する場合でも、複数年計画を前提にできるかどうかで、政策の現実性は大きく変わる。積極財政を本気で行うのであれば、今回示されたような予算編成方針は強力な後押しとなる。
大きな絵を描き、それを制度として実装しようとする意思を持つ方こそ、支持されるべき存在だろう。


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