凄いこと言い出したな。
キム・ヨンボム「銀行、完全な民間企業じゃない…「社会的役割」は契約履行」
入力2026.05.05.午後8時47分
キム・ヨンボム大統領府政策室長が5日、金融圏信用格付けシステムの再設計に関連して「この構造を変えようとするのがなぜ民間領域への不当な介入なのか」と話した。
NAVERより
銀行が公的な性質を持っているという点は否定はしないが、大統領が「市場原理に逆らう政治的圧迫」を銀行に加えることは適切ではないだろう。
選挙までなのか
民間企業に圧迫を加える行為
どういう記事かというと、毎日経済のほうがもうちょっと分かりやすいかな。
青瓦台のキム·ヨンボム政策室長が国内銀行を「準公共機関」と定義し、1997年の通貨危機直後に固まった外国資本中心の支配構造が中·低信用者を疎外させる構造を産んだと直撃した。 キム室長が今月に入って社会関係網サービス(SNS)を通じて金融界に対する高強度批判メッセージを4回吐き出し、民間上場会社である銀行の自律性を侵害する官治金融の復活につながりかねないという懸念が高まっている。
毎日経済より
確かに銀行が免許が必要な業種であって、準公的な性質を持っている面は否定しにくい面はある。
しかし、本質的に民間企業であって利益を追求するという部分を否定するというのは、宜しくない。
韓国の主要銀行は民間企業であり、外国人投資家も含めた多くの株主が存在する。政府の指示でリスクの高い層に貸し出しを強制し、もし焦付いて損失が出れば、それは「株主の利益を政府が収奪した」ことと同義になる。
問題なのは、「政府が信用リスクを負わず、銀行だけにリスクを押し付ける構図」である。焦げ付けば損失を被るのは銀行と株主だが、政治側は選挙まで株価と流動性を維持できればよい。
銀行に対するモラルハザードなんて、徳政令を乱発する国家にとっては響かないだろうが、一般的にはこの展開は宜しくないのだ。
低信用者に対する貸し付け
韓国政府としては、何とか流動性を確保したいという思惑があると思うのだが、銀行にとっては低信用者に貸し付けることはリスクである。
韓国の総債務680兆円超 前年比4.5%増=政府債務GDP比が過去最大
2026.03.23 09:53
韓国の政府・家計・企業の債務を合計した総債務規模が初めて6500兆ウォン(約688兆円)を突破したことが、23日分かった。経済全体のレバレッジが拡大するなか、政府債務の増加率が際立って高かった。国内総生産(GDP)に対する政府債務の割合も1年で5.0ポイント増と異例の上昇幅を示し、過去最大を記録した。
~~略~~
このうち政府債務は1250兆7746億ウォン、家計債務は2342兆6728億ウォン、企業債務は2907兆1369億ウォンだった。
聯合ニュースより
家計債務は2342兆6728億ウォンは過去最大を更新しており、 国内総生産(GDP)に対する家計負債の割合は、2025年末時点で約89%〜92%前後と、世界的に見て極めて高い水準にある。
そして、どうやら借金して投資する傾向が強いようなのだ。
半導体ブームの中、KOSPI指数が7000ポイントの大台を突破
2026年5月7日 00:56
韓国総合株価指数(KOSPI)は6日、6%以上急騰し、史上初めて7,000ポイントの大台を突破した。
~~略~~
韓国金融投資協会によると、「債務投資」(借入金による投資)と呼ばれる貸付残高は、先月29日に初めて36兆ウォンを超えた。貸付残高とは、投資家が株式購入のために証券会社から借り入れたものの、まだ返済していない金額のことである。また、空売り取引残高も先月27日に今年初めて20兆ウォンを超えた。空売りとは、投資家が所有していない株式を借り入れて売却することで、株価が下落した場合に利益を得る投資手法である。
THE CHOSUNより
借り入れてて投資したり、一時期に禁止されていた空売りをしたりと、かなり活発に投資を行っていて、これが家計債務の増加に繋がっている。
KOSPIは7,000突破
この勢いはもの凄くて、ここでお詫びしなければならないが、この記事を書いた時、つまり4月末のデータではまだ6,700程度だった。

そして、記事では「恐らくはKOSPI 7,000の世界は、5月半ばにも実現する」と書いたが、実際にはGW中にあっさり突破。
それどころか7日の段階で7,500に迫ろうという勢いで、一時的にこれを突破していた。

それどころか、買いでサイドカー発動する展開であった。
KOSPI、7310台に上伸 買いサイドカー発動、今年8回目
2026-05-06 09:27:15
韓国株式市場で6日、総合株価指数(KOSPI)が取引開始直後に大幅上昇し、一時7311.54まで上伸した。これに伴い、KOSPI200先物の急騰を受けて買いサイドカーが発動した。KOSPI市場での買いサイドカー発動は今年8回目で、4月8日以来約1カ月ぶり。
Digital Todayより
売りでサイドカーという展開は何度かあったが、買いでサイドカーとは。株価乱高下の展開では、投資家心理を冷ます目的で売買を停止することをサイドカーと呼ぶのだが、これが乱発されることは市場の安定性を欠いていると言う意味で宜しくない。
が、銀行を脅迫してでも「金を貸しなさい」と言う理由は、KOSPIの高騰を支えているのが韓国の個人投資家だからという理由がある。再びMoney1様のグラフを引用させていただくのだが。

8日の段階でも、相変わらず外国人が売り越ししているのに対して、韓国人の個人投資家は買い越し。銀行や年金機構はやや買いという展開になっている。
恐ろしい話ではある。この株高を外国人投資家が支えているわけではなく、韓国の個人投資家が借金で支えている構図となっているのだ。
ストの影響
もう1つ気になる話がある。
上のサムスンの記事で言及したのだが、サムスン電子が過去最高の好調な業績であることを背景に、労働者がストライキを行う展開になっている。
サムスンバイオロジクス、労働組合の要求により1億ドルのストライキ損失を見込む
2026年5月4日午後12時45分(GMT+9)更新日:2026年5月4日
サムスンバイオロジクス社は月曜日、賃金に関する労働組合のストライキにより、これまでに約1500億ウォン(1億190万ドル)の損失が発生したと推定した。これは、韓国の大手企業グループを襲った最新の労働争議である。
~~略~~
半導体大手企業の労働組合は、5月21日から18日間のストライキを計画していると表明した。これにより、顧客への出荷が遅れ、半導体価格がさらに上昇し、競合他社に有利になる可能性がある。
ロイターより
サムスンバイオロジクス社のストライキは既に4月28日から始まっているが、半導体の労組は5月21日~6月7日の日程でストライキを予定している。
ストライキそのものも問題だし、要求している金額が巨額であることも問題ではあるのだが、ストライキの期間も非常に政治的な臭いがする。
6月3日が韓国の大統領選挙・統一地方選挙のスケジュールとなっているので、韓国与党の喉元にナイフを突きつける格好にもなっている。
もともと韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)は、財閥嫌いで有名なのでサムスンへの配慮は薄くなっている。ここにアプローチしている可能性がある。
手厚い補助を更に政府に出させて、賃金を上昇させろと言うことなのだろう。
まとめ
冒頭に紹介した大統領府政策室長の発言は、こうした韓国社会の実情に照らすと、かなり危うい構図があるように思える。
推測ではあるが、韓国政府は株価を支えるために、
- 個人は借金して株を買い
- 政府は銀行に貸し出しを促し
- 労組は好景気を背景に強硬要求を行う
という形で、韓国経済全体が「上がり続けること」を前提に圧力を加えていると見ることが出来る。
ミョンミョンが選挙で有利になるというのが下馬評ではあるのだが、毎回毎回、韓国の選挙は直前まで何が起こるか分からないことで有名である。そこを覆ることがないようにKOSPIを盛っているとしたら、なかなか笑えない展開だ。
何故なら、出口戦略が見えない状況なので、手仕舞いを失敗すると韓国経済自体がショートしかねない。大変興味深い話である。


コメント
株価バブル政策を打ち出す前からギャンブル好きな国民性から加熱している
大統領任期の2030年6月までにメモリー価格下落からの株価が暴落する
それを大統領の責任に求め出してデモが起きるまで予想できる