なるほど?毎日新聞の報道なので、現時点ではどこまで具体化している話なのかは何とも言えない。
ただ、先日のバリカタン26で88式地対艦誘導弾を披露していたことを考えると、防衛省とフィリピン側で協議が進んでいると見るべきだろう。セールスが進んでいるかは不明だが。
フィリピンへ「88式地対艦ミサイル」輸出を検討 防衛省
2026/5/15 11:29(最終更新 5/15 11:29)
防衛省はフィリピンに陸上自衛隊の地対艦ミサイルを輸出する検討に入った。政府関係者が15日明らかにした。
毎日新聞より
88式地対艦ミサイルの輸出の話が実現すれば面白いね。
検討段階ではあるが有用
中古地対艦ミサイルも輸出か
まだ、検討段階なので、ハッキリしたことは不明である。

最近、ここの管理人は日本やアメリカに非常に批判的な論調を展開するので、「どうしたん?」と気にはなっているのだが、論点は真っ当だとは思う。ただ、書き方はどうかとは思った。
さておき、フィリピンに持ち込んだ88式地対艦誘導弾(SSM-1)に関しては、こちらの記事でも言及している。

88式地対艦誘導弾という名前が示す通り、1988年から配備が始まっているミサイルシステムなので、今となっては目新しい兵器というわけでも、優秀な兵器というわけでもない。
ただ、P-3C哨戒機の代わりにフィリピンが受け取ったTC-90練習機がある。
TC-90はフィリピン側が欲しがっていたP-3C哨戒機のような高度なデータリンク能力を備えているわけではないので、リアルタイムで88式地対艦誘導弾と連接した本格的な対艦戦闘を行うことはできない。
ただ、TC-90を単純な哨戒機として運用し、目視などで確認した艦艇情報を地上側へ通報、その情報を元に沿岸配備した88式地対艦誘導弾で対処する程度の運用であれば、十分に考えられる。
ブラモスはどうなった
さて、航空万能論様のところで指摘があったのは、「インドからブラモス買っているでしょ」という話であった。
ブラモスとは、ロシアとインドが共同開発した対艦ミサイルである。
フィリピンが初のブラモスミサイルシステムを配備
2025年11月11日
フィリピン海兵隊(PMC)は、初のブラモス沿岸配備型対艦ミサイル(ASM)部隊を配備した。
PMCは11月7日、創設75周年を記念してソーシャルメディアに映像を公開した。その映像には、同部隊の沿岸防衛連隊が運用するブラモス対地ミサイル部隊の様子が映っていた。映像には、それぞれ2基のミサイル発射装置を搭載した12×12型自律発射車両2台、移動式指揮所、整備車両、ミサイル補給車両が映っていた。
JANESより
超音速巡航ミサイルのブラモスは、ベトナムも発注を予定しているそうで、その性能に関しては88式地対艦誘導弾を大きく上回る。射程は300kmで弾頭重量は450kgなので、より遠くの目標をより確実に破壊できる性能である。

ただし、3個中隊分のミサイル砲兵システム一式で約3億7500万ドルのお買い物となったらしく、価格はお高い。更に増やすとなると、直ぐには難しいのが実情だろう。
国家予算が限られるフィリピンにとっては、メンテナンスサポート次第では88式地対艦誘導弾の導入はメリットになる可能性は高い。中古品を購入するので初期費用も抑えられるしね。
メンテナンスは課題だが
航空万能論様のところで重視していたメンテナンス問題だが、実際のところ日本としても88式地対艦誘導弾は老朽化のために更新する兵器であるので、部品の維持という意味でも問題はあるのだろう。
しかし、フィリピンとしては今すぐに使える程度にはメンテナンスがなされていて、5~10年程度は現場を支えられる程度には部品供給も可能だと思われる点を評価していると思う。
88式地対艦誘導弾は102基を納入していて、ミサイル部分の消費期限は過ぎたモノも結構あるだろうが、キャリア部分などは未だメンテナンスに耐えうる個体が多いようだ。つまり、共食い整備をしておけばそれなりに使えるわけである。
加えて、日本は12式地対艦誘導弾への入れ替えを進めているので、潤沢な在庫を一括導入できるメリットはある。ブラモスを大量に導入するのはコスト的問題もあるし、インドの製造能力的な問題もあるので、「直ぐには不可能」なのだ。
繋ぎの兵器としては、理想的なのだろう。
まとめ
というわけで、支那の脅威を間近で感じるフィリピンにとって、88式地対艦誘導弾の導入は繋ぎの意味では「アリ」だろう。
日本側から見ても、12式地対艦誘導弾への更新で余剰化する88式を、有償あるいは低コストで同盟・友好国へ移転できるメリットは小さくない。
単なる中古兵器処分だけではなく、将来的な12式導入や対中包囲網の構築にも繋がる話だからだ。



コメント
米新興防衛企業アンドゥリルが、台湾と小型巡航ミサイル「バラクーダ-M」を共同開発し、量産に入ったと。一発21〜22万米ドルと低コストで、推定400〜1000㌔の飛行レンジだそうです。
https://shorturl.at/jun2h
米戦争省がすでに3000発を発注したと。台湾でも遅くとも来年には量産に入るそうです。
日本が型落ちの88式をフィリピンに移転する場合、諸々を考えるとほとんど捨て値になるだろうと自分は予想しています。最初からつなぎ役の戦力と判り切っていますし。
5/26-29にマルコスJr大統領が国賓来日するので、「お土産」になるんじゃないでしょうか。
バラクーダMって、どこかで聞いたことがあると思ったら、ラピッドドラゴンから発射できるアレですか。
そう言えば、2024年頃には開発完了していたはずで、順調なんですかね。
形状はちょっとタウルスに似ていますが、長距離飛ばそうとするとどうしても翼が必要になるんですかね。
88式は、順調に話が進んでくれると言いですね。
こんな感じで翔ぶようです。そのうち演習で使用されるんじゃないかと。
https://www.youtube.com/shorts/7-SlnLK9uX8
おお、スゲー。
なるほど、ロケット部分は分離するんだ。これで低コストで作れるというのは、なかなか良いアイテムですね。
サムネの対艦ミサイルのトラックすごくないですか?
地面が泥ぽいのに、支えの支柱の所に鉄板を引いてませんよね?
6本も対艦ミサイルと発射装置を積んでいる事を考えると。
未舗装路でラフター(クレーン車)を置く時は、だいたい畳1.5枚の厚さ1.5㌢で重さ1トンの鉄板を敷くす。
あの対艦ミサイルはカサから観てもユニックで吊るせるような重量じゃない。それをフル装備で、鉄板敷かずに、支柱セットだけで発射準備となると、出動して、現地でセットして発射までのタイムラグがかなり短い!
地盤ゆるい時に、ラフターやレッカーのこの「鉄板敷き」がかなり面倒なんですよね。
ミサイルだけでなく、その足回りもかなり優秀と観たのですが。
サムネの写真は自衛隊提供の素材なんですが、別角度の写真もありまして、鉄板は敷いていませんでしたね。
直ぐに展開して撃つためには、鉄板敷いていられないんでしょうが、地形によっては必要なのかも?とか思っていました。
流石に現場は分かりませんから、色々とそういったご苦労もあるのでしょうな。興味深いです。
横合いから失礼。
多分、総火演か何かでの展示車両なんじゃないでしょうか。
なので、足場はそこまで酷くない(水はけは良い)のだと。
19式自走砲と違って、射点はそこまで前線に出なくて良い想定だとも思えますし。
とはいえ、システムとして優秀である事は間違いないです。
超音速対艦ミサイルは直線で飛んでくるので迎撃しやすいのでローリングするステルス変態対艦ミサイルを開発している国があったなー(棒)
ありましたねー。
恐らくは、88式の先に導入を検討しているのではと。
そういう意味でも、上手いことやって欲しいです
88式も実はかなり新しい世代のミサイルなんですよね
それは知りませんでした。
僕の知識もwikiに乗っているレベルに毛の生えた程度なので。
こんにちは。
木霊様が記事で触れられているとおり「用廃で捨てるくらいなら、お値段これくらいで廃品回収しまっせ」という話でしょう。
仕事きっちりの自衛隊の用廃品は、下手な新古品よりよっぽど価値が高い。
あぶくま型しかり、既に南洋に渡った海保の哨戒艦然り。
性能的には最新に劣るとはいえ、あると無いとでは大違い。
向こう数年支えられればよし。
配備も、相手から何が置いてあるか分からなければ、最大限の警戒を相手に要求出来ますし。
いいことずくめなんで、是非ともお買い上げ頂きたいところ。
こちらとしても、単なる用廃よりよほどお得ですし。
こんにちは。
とても大切な話になると思うので、実現できるように進めて欲しいですね。