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ハンファエアロ爆発事故、5人死亡…繰り返される韓国の安全管理問題

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大韓民国ニュース
この記事は約6分で読めます。

この記事を扱うかどうか迷ったのだが、単なる工場事故では片付けられない問題も見えてきたため、できるだけ客観的な視点で整理してみたい。

先ずは、犠牲者の方には、お悔やみを申し上げたい。

ハンファエアロ爆発7人死傷 危険物管理甘さ露呈

公開 2026.06.04. 21:13

7人の死傷者が発生したハンファエアロスペース大田事業場56棟洗浄工程室で、爆発および火災の危険が高い引火性有害化学物質が多数使用されていたことが判明した。

Chosen Bizより

事故は、6月1日に発生。ハンファエアロスペースの大田事業所での爆発事故で、5名が死亡してしまった事件だ。最初は事故扱いだったんだけど、事故というよりはもはや事件だろう。

繰り返される爆発事故

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色々と杜撰

何の事故だったのかというと、ロケットの固体燃料注入に使われる作業道具を洗浄する工程で使う薬液か固体燃料そのものに引火して爆発、というような事故だったらしい。なお、詳細は不明である。

4日、気候エネルギー環境労働委員会のチョ・ジヨン国民の力議員室が産業安全保健公団から提出を受けて公開したハンファエアロスペース作業環境測定結果報告書によると、事故が起きた工程室は毎月8240㎏相当の洗浄剤と推進剤3万6000㎏、副生燃料油730ℓなど大量の化学物質を取り扱っていたと把握された。

Chosen Biz「ハンファエアロ爆発7人死傷~」より

危ない工程だったのは間違いなさそうなのだが、どうやら安全管理が怪しかったらしいという証拠が色々と出てきたというのが、現段階の状況である。

<洗浄剤と推進剤の成分>

  • 12-ジクロロエチレン:特に揮発性が強い有機化合物で、引火点が非常に低く静電気でも爆発したり急激に燃焼する可能性がある。
  • アルミニウム粉塵:金属粉塵は着火源と接触すると爆発を引き起こす危険が極めて大きい。
  • トルエン:火薬の主要原料
  • 酸化マグネシウム:可燃物ではないが、酸化性があり、火勢を強める作用を持つ。加熱時にアルミニウム粉末、過塩素酸アニリン、マグネシウム粉末、硫黄との接触により爆発が生じる危険性がある。

危ない物質を扱っていたのは間違いなさそうなのだが、その環境がかなり怪しかったらしい。

労組の継続的な換気装置の改善要求にもかかわらず、大型換気設備の導入が停滞していたことが明らかになった。会社側はまた、事故当初に洗浄工程で化学製品と水が併用されており、火災や爆発の危険が低いと説明した。これに対し、危険性の高い物質を扱いながら安全に無感覚だったことが人的被害を拡大させた原因ではないかとの指摘が出ている。

Chosen Biz「ハンファエアロ爆発7人死傷~」より

「安全不感症」という言葉は、韓国の重大事故を報じる記事では繰り返し目にする表現である。

今回も、大型換気設備が導入する計画があったけれど遅れていたらしいのだが、扱っている物質を考えると、換気設備が貧弱だったというのは、冗談であっても笑えない。

8年で爆発事故は3件

しかも、この事業所では過去にも複数回の爆発事故が起きている。

8年で爆発事故はすでに3件…ハンファエアロ、重大災害処罰法による加重処罰を受けるのか

2026-06-02 17:17:38

前日に7人の死傷者が発生した大田広域市儒城区外三洞のハンファエアロスペース大田工場について、捜査当局と労働当局による全面的な捜査が始まった。

この事業所では2018年に5人、2019年に3人が爆発事故で死亡し、最後の事故から7年ぶりに似た事故で5人が命を落としたことから、重大災害処罰法と産業安全保健法に基づく処罰の水準に関心が集まっている。

毎日経済より
  • 2018年5月29日:ロケット推進剤(固体燃料)を容器に注入する充填工程で、爆発発生。2名即死、3名が重症を負い治療中に死亡する事故
  • 2019年2月14日:推進体異形工室で爆発と同時に火災が発生、内部にいた労働者3名が死亡
  • 2026年6月1日:洗浄工程で爆発が発生し、5名が死亡、2名が負傷

で、家宅捜索される事態に。

韓国・大田事業所爆発事故でハンファエアロ代表を立件…重大災害処罰法違反容疑

2026年6月9日 13:20

韓国・大田地方雇用労働庁は8日、5人が死亡したハンファエアロスペース大田事業所の爆発事故に関連し、ハンファエアロスペースのソン・ジェイル代表を重大災害処罰法違反の疑いで、大田事業所のカ・ジェウン所長を産業安全保健法違反の疑いで、それぞれ調べている。

警察もカ・ジェウン所長を業務上過失致死傷の疑いで立件している。また、この2人を含む参考人1人の計3人について、出国禁止措置を取った。

これまでハンファ側の関係者7人、遺族5人から事情を聴いた警察は、家宅捜索で確保した資料の分析と関係者への調べを続ける。

AFPより

繰り返される爆発事故を受け、組織的な安全管理体制に問題がなかったのかという観点から捜査が始まったと理解してよいだろう。もともと、過去の事故を受けて自動化する話にはなっていたのだが、自動化出来ない分野というのも当然にある。

安全点検の強化

で、この手のトラブルがあると、当然のように行われる安全点検なのだが。

韓国防衛産業、ハンファエアロ爆発事故後に安全点検を強化

2026年6月11日 7:20

ハンファエアロスペース大田事業場の爆発・火災事故以降、韓国の防衛産業各社が一斉に工場の特別安全点検と安全教育を実施した。特に一部企業は、安全管理体制を高度化する案を用意し、推進していることが確認された。事故の当事者であるハンファエアロスペースが危険工程の無人自動化拡大方針を立てたことで、他の企業も同調する可能性があるとの見方も出ている。

AFPより

ここ最近も似たような展開を見た記憶がある。

名ばかりの安全、「安全工業」火災が示す韓国産業の病理
先日の話になるが、韓国の工場で火災が発生し14人が亡くなってしまった。ご冥福をお祈りします。しかし、この事故は単なる不運では片付けられない。【社説】14人が亡くなった韓国の工場火災、なぜ惨事が繰り返されるのか登録:2026-03-23 02…

この時も、安全工業株式会社の工場火災で14名が死亡するという事故が発生して、違法建築などが問題となった。で、緊急点検が全国で行われたという報道があった。

金属加工2,865か所が緊急点検されたわけだが、そこにハンファエアロスペースは含まれていなかったと。リチウム電池工場火災の時にも安全点検がなされていたよね。

事故が起きるたびに全国的な点検は行われるものの、「自社でも同じことが起こり得る」という危機意識の共有には、なかなか結び付いていない。

ハンファエアで「独立機構安全革新委」発足…今年だけで4500億使う

2026-06-15 08:11:06

ハンファエアロスペースが外部専門家中心独立機構である安全文化革新委員会を発足する。 委員会は先月発生した大田事業場の爆発事故以後、会社の安全管理体系全般を診断し、改善案を提示する方針だ。

ハンファエアロスペースはまた、今年の安全環境改善に4500億ウォンを投資する。 委員会は外部専門家11人と労働組合推薦職員2人など計13人で構成される。

毎日経済より

今度こそ大丈夫だろうね?

まとめ

「事故発生 → 杜撰な実態が色々発覚 → 安全点検」これがセットになって繰り返される韓国社会だが、危険物を扱う工場であれば、常にリスクはつきまとう。だからこそ、同じトラブルが繰り返されないように対策されるべきだ。

韓国に関わらず、安全対策を疎かにした現場でトラブルが発生するのは世の常ではあるが、韓国ではこういった事態が繰り返されるケースがあまりにも多すぎる印象である。

今回のハンファエアロスペースの話だって、それぞれ異なる工程でのトラブルではあるが、それでも危険な物質を取り扱っている工場だからこそ気をつけるべきところ、似たような事故原因というのが何ともやるせない。

コメント

  1. 山童 より:

    テロリストの爆弾製造マニュアルみたいな素材品目が並ぶ……。
    マグネシウムなんか酸化剤に触れたり、高温の蒸気に触れたりすると、かなりヤバいし。アルミニウムはテルミットの材料になる。
    サムネの写真なんか土台が歪んでますよね? どー考えても管理責任を問われるべきでせう。