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支那で整備される危険な法律「民族団結法」

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中華人民共和国ニュース
この記事は約5分で読めます。

ちょっと世間をザワザワさせるニュースがあったので、軽く触れておく。

中国を真っ当に批判しただけで「犯罪者」に…習近平が7月1日から日本人を標的にする「危険な新法」の名前

2026/06/21 7:00

中国で7月1日、重要な法律が施行される。評論家の白川司さんは「この法律は、習近平指導部に対する批判を封殺するだけでなく、中国に進出した海外企業が撤退する自由を奪うことができる。日本にとって、中国に投資するコストは格段に大きくなるだろう」という――。

President Onlineより

7月1日施行の法律と言えば、「民族団体促進法」(以下、民族団結法)のことだね。

中華思想を体現

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民族団結か浄化か

この話は3月末くらいに出ていた話。

中国、少数民族に標準語学習を義務付け 全人代で「民族団結進歩促進法」を承認

2026年3月13日

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は12日、民族の「団結」を促進するためとする大規模な新法を承認した。この法律をめぐっては、少数民族の権利をさらに損なうとの批判も出ている。

「民族団結進歩促進法」は形式上、教育や住宅政策を通じて、公式に認められた56民族の統合を促進する。中国では漢民族が圧倒的多数を占める。同法の反対派は、人々を言語や文化から切り離すものだと指摘している。

BBC NEWSより

このBBCのニュースでは、少数民族を黙らせる目的ではないかという切り口で説明されていて、そういう方針はこれまでずっと採られてきたので、改めてという話程度に理解されているようだ。

ただ、中身を見るとかなり過激な内容となっている。

  1. 言語の一本化:漢人の使う標準語を推進し、ウイグル語、チベット語、モンゴル語による授業や行政サービスを廃止する
  2. 文化的異議申し立ての犯罪化:「暴力的なテロ活動、民族分離主義活動、宗教的過激主義活動」への関与を犯罪とする。つまり、習近平氏への異議申し立てを許さないというもの
  3. 第63条の域外適用条項:中国国外の組織・個人が民族団結を破壊し民族分裂を作り出す行為を行った場合、法的責任を追及する

要は、習近平主導の体制を批判するのは、国内からも国外からも許さないという、ある意味神格化を求める法律である。

昔からの方針ではあるが、明文化したということだろうね。

域外適用は実力行使する可能性も

似た話は冒頭の記事に指摘があって、それが香港の国家安全維持法というやつだ。

民族団結法は習近平の民族政策を法典化したものだ。この法律を見たとき、2020年の香港国家安全維持法(国安法)との共通点が気になった。「分裂」「転覆」「テロ」という曖昧な概念で異論を犯罪化し、域外適用条項を持つという骨格はほぼ同じである。

President Onlineより

この法律は当時、「域外適用がある」と話題になったものだが、香港がやや特殊な位置づけにあったので、それを十全に適用するという意味合いに捉えられていた。

記事にあるように、大前提として香港独立の機運を完全に潰すという目的があったしね。

ところが、この法律はネットにまでその効力を広げ、地球全体をカバーするという意味合いとなっている。

前文と7章65条で構成され、「中華民族共同体意識」の強化を国家全体の任務として位置づけるこの法律は、少数民族政策の一般法という範囲にとどまらず、教育、言語、出版、インターネット、企業活動、宗教、対外発信、香港・マカオ・台湾、海外華僑までを一体で規律する構造になっている。

President Onlineより

そんな事が可能かどうかはともかくとして、その様に定義していることは間違いない。

そして、支那の海外拠点に警察権力を設置しているという話があって、それを考えると看過できない条文であると指摘されている。

アメリカ司法省が支那在外警察署が工作員の活動拠点であったと認定
司法省が発表したというからには、本気で追い出すつもりなんだろう。米司法省、ニューヨーク市民が中国政府用の「警察署」運営と発表2024年12月20日アメリカ司法省は18日、ニューヨークに住む中国系アメリカ人の60歳男性が、中国政府が無許可の「…
元支那大使館書記官、詐欺容疑で逮捕される
ちょっと韓国ネタが続いたので、国内のニュースでも扱おうかと。元中国大使館書記官をコロナ支援金の詐取容疑で逮捕へ 警視庁公安部2025年2月5日 13時46分新型コロナ対応の国の支援金をだまし取ったとして、警視庁公安部は5日、東京・六本木など…

警戒するに越したことはないね。

積み重ねられてきた「域外適用」の発想

このような、中華思想を一歩推し進める支那の法制度は、思い返してみると幾つか思いつくものがある。

2017年に施行された国家情報法では、あらゆる組織及び国民に対して、国家情報活動への協力を義務付けている。支那企業が海外で事業を展開していても、その企業や従業員が支那当局から情報提供を求められれば、これを拒否できないのではないかという懸念が各国で指摘されてきた。

2021年には反外国制裁法が施行され、支那への制裁や圧力に加担した外国の個人・企業に対して、入国禁止や資産凍結などの対抗措置を可能とした。

また、2023年に改正された反スパイ法では、「国家の安全及び利益に関わる文書、データ、資料、物品」の範囲が大幅に拡大され、外国企業による通常の情報収集活動ですら問題視される可能性が生じている。

他にも、中国サイバーセキュリティ法(中華人民共和国網絡安全法)では、2026年に改正法が施行された法律だが、金融、エネルギー、交通などの重要インフラ運営者には、システム・データの支那国内保存が義務付けられており、全てのネットワーク運営者は、ユーザーの実名登録制度の実施や、最低6か月間の通信ログの保存、情報漏洩防止の技術的措置が求められる。

この法律改正は、一見妥当そうに見えるのだが、2021年に施行されたデータ安全法(正式名称:中華人民共和国データ安全法)と組み合わせると、ちょっと厄介だ。支那におけるデータの収集・保存・利用・移転などを包括的に規律する基本法で、支那当局が必要に応じて外国企業に対してソースコードや技術情報の開示を求める根拠にできる。

結果的には、支那に持ち込んだ機器やサーバーなどのシステムに対する開示が要求できるというわけだ。

つまり、支那では「国家安全」の名の下に、国内外を問わず行動を規律する法体系が次々と整備されているのである。

その流れの延長線上にあるのが、今回の民族団結法だ。単に少数民族政策を定めた法律ではなく、「民族団結」という曖昧な概念を用いて、国内外の言論や活動にまで影響を及ぼそうとする新たな法的枠組みと見るべきだろう。

まとめ

もちろん、民族団結法が施行されたからといって、7月1日から何か大きな変化が起きるわけではない。

しかし、支那の近年の動きを見ると、国家情報法、反外国制裁法、改正反スパイ法、そして今回の民族団結法と、平時のうちから法的なインフラを着実に整備していることが分かる。

それぞれの法律は目的こそ異なるものの、国家による統制を強化し、有事の際には国内外を問わず迅速に権力を行使できるよう準備を進めているようにも見える。

それが台湾有事なのか、長期的な米中対立への備えなのか、あるいは国内の不安定化を想定したものなのかは分からない。

ただ一つ言えるのは、支那が様々な事態を想定し、「来たるべき何か」に備えて着々と制度を積み上げているということである。

だからこそ、日本もまた、平時のうちから様々なシナリオを想定しておかなければならない。日本単独で対処できない問題であるならば、価値観を共有する国々と連携し、法制度や経済安全保障、情報共有の面で備えを進めていく必要があるだろう。

何も起きないことが一番である。しかし、備えを怠った国だけが、不測の事態に直面したときに最も大きな代償を支払うことになるのである。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    これが常任理事国っての、お笑いですよね。

    「発言の自由」を国家レベルで禁止するって、ナチスもファシスト党もびっくりだ!

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      国連が如何に役に立たない組織か、ということでもありますね。
      発言を禁止しないと、権威が保てないのが権威主義の特徴でもありますね。

  2. 山童 より:

    ああ……もちろん「備え」は大事なのですが、「煮詰まってるな」とも想うんですよ。
    ジョージ・フリードマンていますよね。地政学の。
    15年以上前に「100年予測」が翻訳された時に、結構に眉唾扱いされてた。
    曰く、シナは2030年代に格差がどうにもならなくなり分裂する!

    日本は移民でなく、分裂したシナから朝鮮半島の労働力を囲いこみ少子化による労働力を克服。再軍備化して米国と対立する。
    この時に日本は宇宙軍を持つ。

    トルコとボーランドは地域大国となり
    パワーゲームに参加する。

    ロシアは2020年代にウクライナに侵攻する。そして手痛いダメージを受けて、パワーゲームから退場する。

    最後は当たってるし、後半もそうなりそうな気配がしてます。
    トルコもボーランドも大国化してないでないか!言う筋はあろうけど、
    「時期がズレて遅れて現実化する」と考えると、そっち方向へ向かってる。

    自衛隊に宇宙軍てきるそうだし。

    あの頃、シナはブイブイいわせていて、ウクライナの事も含め、フリードマンは笑われた。

    しかし15年後の今、彼の予測が的外れと言えるだろうか?

    方向性が間違えてないとすると、シナについては、まっしぐらな気が。
    というのは「煮詰まり」って、ようは
    それしないと習政権も、北京も保たないくらいに追い詰められてる訳でせうよね?

    15年前はSF小説な気分で読んだのてすが、いまフリードマンを読むと、
    なかなか当たりそうな気配が。

    始皇帝の後に秦が瓦解したように、
    習の後に……。
    ある面で、それは喜ばしく思えるけど、そこへ向かう途中には、
    スノーボールアース(全地球凍結)の前に灼熱地獄になったように!
    ただではコケないと想うんですよ。
    あの国が分裂する時って、必ず朝鮮半島にゴタゴタが起きて、日本は玉突きになるんですよね。古代から。

    • 木霊 木霊 より:

      「焦っている」っていう感じはしますよね。
      本来であれば「そう感じさせず」に侵略を進めていくべきなんです。
      そのために何世代もかけられるのが支那の強みだったわけですから。でも、習近平氏にはあまり時間がない。
      だからなんでしょうね。
      少子化も進んでいるし、経済もかなり無理をしている。
      焦燥感があると思います。