近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。「注意して下さい」もお読み下さい。

支那、SLBMを発射して国際社会を恫喝 日本の防衛戦略は見直しを迫られる

スポンサーリンク
中華人民共和国ニュース
この記事は約9分で読めます。

これは、日本の報道はあまり触れていないのだが、日本の戦略見直しを要求される事案になってきたね。

ミサイルは射程1万キロ超の巨浪3か 識者「米国へのメッセージ」

2026年7月7日 5時00分

中国が発表した原子力潜水艦からのミサイル発射に対し、日本政府は現状、冷静に動向を注視する構えだ。だが、中国軍は戦力を急速に増強させて太平洋での存在感を高めており、周辺国との間で緊張を高める可能性がある。

朝日新聞より

事実として、支那が原子力潜水艦からのミサイル発射したということで、落下時点はツバルEEZの付近だという風に伝えられている。支那近海から、太平洋島嶼部を含む広範囲が攻撃圏内に入る能力を示したという意味である。

周辺国を刺激する軍国主義

スポンサーリンク

潜水艦発射型

朝日新聞にも軍事関係に非常に強い記者がいるらしく、時々GLOBE+などを参考にさせていただいている。今回は朝日新聞の記事で牧野氏の執筆ではないのだが、割と正確な内容に感じた。

その理由は、おそらく笹川平和財団戦略・抑止グループ長の山本勝也氏に聞いた内容を反映させているからだろう。山本氏は元海上自衛官なので、現場を知っている方の指摘という意味でも意義深い。

さて、中身を見ていこう。

SLBMを原潜に搭載すれば長期間にわたって浮上せずに海中に潜むことができるため、攻撃の兆候を把握されにくい。中国軍は今回、発射地点を明らかにしていない。英国際戦略研究所の「ミリタリーバランス2026」によると、中国軍は巨浪3を搭載可能な原子力潜水艦を6隻保有している。同研究所のサイトによると、中国が近年潜水艦製造能力を高めており、衛星画像の分析から2025年までに6隻とは別に2隻の同型艦が進水したのは「ほぼ確実」としている。

朝日新聞「ミサイルは射程1万キロ超の巨浪3か~」より

今回のミサイル発射は、北朝鮮からのと同じという温度での報道が多いのだけれど、随分違う。

朝日新聞が紹介している図に対して界隈で有名なJFS氏に真似て補助線を引いたものがこちら。

支那が事前に通知してきた落下海域を曲線で結んだ図となっているが、おそらく弾道ミサイルが飛んだであろう軌跡だ。日本に近い位置に落下しているのは切り離されたブースターなどの落下予測地点である。

予想通りであれば、支那近海から発射されていることはほぼ間違いなさそうだが、SLMBが発射されたことの意味は大きい。専門家によると勃海からの発射だとのこと。

発射の理由付け

なお、2024年にはICBMの発射実験も行っている。この時は、日本への通達は一切なし。

中国、模擬弾頭搭載のICBM発射 太平洋に着弾

2024年9月25日 15:10

中国は25日、模擬弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったと発表した。ミサイルは太平洋に着弾したとしている。

中国国防省は「ロケット軍が25日午前8時44分(日本時間同9時44分)に模擬弾頭を搭載したICBM1発を発射し、太平洋の公海上に着弾させた」とする声明を発表。

発射は「年次訓練計画の一環」であり、「国際法や国際的な慣例に準拠しており、特定の国や目標に向けたものではない」と説明した。

AFPより

支那の説明では、「年次訓練計画の一環」であり、「国際法や国際的な慣例に準拠しており、特定の国や目標に向けたものではない」との理由付けである。

今回のSLMB発射に関しても同じように説明した。

中国が潜水艦からミサイル発射 「訓練計画に基づく」と新華社

2026年7月6日 15時08分

中国国営新華社通信は6日、中国海軍の戦略原子力潜水艦から同日午後0時1分(日本時間午後1時1分)、訓練用の模擬弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられるミサイル1発を発射したと伝えた。ミサイルは太平洋の公海上に向けて発射され、予定海域に落下したとしている。

新華社は「今回の発射は年度軍事訓練の計画に基づいたもので、事前に関係国に通報し、国際法と国際慣例に合致しており、特定の国家や目標を対象としたものではない」としている。

朝日新聞より

だが、今回、事前の説明では「宇宙ごみの落下に伴う区域設定」として通知していて、直前に「弾道ミサイルを発射する」と切り替えている。

これが、発射した後に潜水艦から弾道ミサイルを発射したと訂正したのである。

なお、上の図では2発発射する予定だったと推測される落下予測地点指定だったのだが、確認されたのは1発だけらしい。前出のJSF氏は2発目はまだこれからの可能性があると推定しているが、真相は不明だ。

北朝鮮より頻度は少ないが脅威度は高い

こうした発射テストを良く行うのが北朝鮮なのだが、北朝鮮の弾道ミサイル発射はテスト的な意味合いが強い。

近年は、北朝鮮のミサイルの精度が高まっており、狙ったところに狙ったタイミングで攻撃できることが示唆される。だが、今のところ、弾道ミサイルの弾頭に重量のある核弾頭を乗せて、精度の高い攻撃が出来るかは不明である。SLBMの発射も可能だという話はあるが、その運用のための潜水艦は未だ完成に至っていない。

一方で、支那の弾道ミサイルは、既にその性能が確保されてテストをする必要性に欠ける。核弾頭は搭載していないのは当然にしても、嘘をついてまで発射する必要性は、既に至っている性能を鑑みるとテストする必要性は極めて薄い。

では、今回の発射は何のためかと言えば、国威発揚と、諸外国への脅しなのだ。

中国による異例の潜水艦発射弾道ミサイル実験、オーストラリアとNZから怒りの声

2026.07.07 Tue posted at 10:40 JST

中国が6日に太平洋で実施した異例の潜水艦発射弾道ミサイル実験に対し、ニュージーランドとオーストラリアから、地域の平和と安定を脅かすものだとして批判が出ている。

中国人民解放軍海軍の王学猛報道官の声明によると、海軍の潜水艦が「模擬弾頭を搭載した戦略ミサイルを太平洋の公海上の関連海域に向けて発射し、指定海域に正確に着弾した」という。

~~略~~

オーストラリアのウォン外相は6日、今回の実験を「地域の安定を損なうもの」と形容。実験は「中国による急速な軍事力増強という文脈で捉える必要がある。中国には地域が求めるような、意図に関する透明性と安心感が欠けている」と述べ、「意図について説明する」責務は中国にあるとの認識を示した。

CNNより

冒頭の朝日新聞は、アメリカへのメッセージであると分析しているが、遠からずの意味はあるのだろう。

つまり、Type 094(晋級)戦略原子力潜水艦から最新型SLBM「巨浪3(JL-3)」をいつでも撃てるという、軍事的威圧を周辺国に向けて発信したという意味でもあるのだ。

第二列島線への楔

スポンサーリンク

攻撃能力の証明

今回のニュースの意味は、潜水艦から新型SLBMでアメリカ本土を狙うことが出来ることを証明したことに他ならない。

これまでも大陸間弾道ミサイルの配備によって、アメリカ本土を狙うことが出来たのだが、これは発射地点が常に監視され、SM3、PAC3などにより迎撃が可能だとされてきた。

しかし、潜水艦発射型の場合には、発射地点が特定しにくく発射の予兆が確認できないため、リスクが一段高くなる。発見から、迎撃に使える時間が取れなくなる。脅威度は更に増すのだ。

そうすると、アメリカの同盟国がアメリカからの支援を受けられなくなる可能性が出てくる。あくまで可能性ではあるが、トランプ氏がイランを攻撃するにあたってほぼ空爆で対応したことを考えても、アメリカ軍人が死亡することを嫌がるだろうし、況してや市民の命が失われるリスクをおかすかは不明だ。

未だに、アメリカ人にとってアメリカ本土が攻撃される事態は、数えるほどしかないのである。

中国の弾道ミサイル発射で米国務省が声明「核強化は世界の重大懸念」

2026年7月7日 14時15分

中国軍による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる発射試験をめぐり、米国務省は6日、「中国の急速かつ不透明な核戦力の増強は、地域と世界にとって重大な懸念だ」とする声明を出した。

朝日新聞より

アメリカ国防総省は早速声明を出して「懸念」を表明しているが、早々に予兆は察知していたであろうと言われている。

だが、焦っていない訳ではないだろう。「ついに来たか」と。

近年、「アメリカの核の傘は破れた傘だ」という議論も存在する。しかし、その本質は核戦力そのものの問題ではない。中国が米本土を確実に脅かせる能力を持つことで、同盟国が攻撃された際にアメリカがどこまでリスクを負って反撃するのか、という問題がより現実的になってきたのである。

アメリカにとっての迎撃難易度が上がったという意味で、アメリカが躊躇する可能性が高まったからである。

作戦範囲が広がる

皆さんご存知、「第2列島線」。

今までは「第1列島線」と呼ばれる線が争点だったが、それを飛び越えて攻撃可能なことを示したのが、今回のSLBMの発射だということになる。

かつて、「太平洋の半分をアメリカが、半分を支那が管理する」とどこかの魔王のような持ちかけをアメリカ大統領に行ったといわれる習近平氏であるが、これが冗談ではなくなってきた。

アメリカ海軍が第7艦隊を用いて広大な太平洋での事態に対処できるようにしていたが、やはり手薄であることは否めない。だが、攻撃の拠点となる地点が支那本土だけではなく太平洋にまで広がったということは、広い太平洋の監視もこれまで以上に注意して行わねばならなくなる。

中国原潜ミサイル発射、米本土射程を誇示か 通知区域に日本のEEZ

2026年7月6日 22:20

中国人民解放軍は6日、太平洋の公海に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射した。米本土を射程に収め、軍事力でトランプ米政権に対抗する姿勢を誇示する狙いがある。太平洋での中国軍の活動拡大は日本の安全保障にも直結する。

日本経済新聞より

これまでも支那の潜水艦にその能力があることは分かっていたが、その実行能力がハッキリ明示されたという意味では、大きな事件だと言って良いと思う。

日本の防衛戦略の見直しが必須

「見直し」と書いたが、自衛隊もこれまで支那の潜水艦によるSLBMの発射を想定していなかったわけではない。

ただし、これまでは、大雑把に言うと以下のような方針であった。

  • 日本列島周辺を防衛線とする
  • 日本近海に侵入する艦艇・航空機を監視する
  • 海上自衛隊、航空自衛隊が初動対応する
  • 対応しきれない場合は米軍増援を受ける
  • ミサイル攻撃に関して、ロシア・支那・北朝鮮から飛来する攻撃を警戒する

その為の防衛装備品は、必要最低限というのがその方針であったのだ。

日本近海の警戒監視に関しては、P3C哨戒機やP1哨戒機などをかなりの数を揃えて対潜哨戒を含めた監視を行い、近年は無人機での警戒も整備しつつあるが、日本周辺海域に留まるもの。潜水艦の運用ドクトリンも待ち伏せが主体だった。

ところが、日本周辺への接近を阻止するという戦略からの転換を迫られたのが、第1列島線の概念を持ち出されて、実際に九段線までの領域拡張という支那の方針である。

それに対処するためのクワッド連携やAUKUSへの参加、或いはオセアニア地域との協力拡大といった連携の見直しを、模索している最中というのが現在地である。

これを覆すのが第2列島線の概念で、これまで存在は知られていたものの、実際に潜水艦から実用可能なレベルでのSLBMの発射を実現したことを示したことで、太平洋側からのミサイル攻撃ということを想定せざるを得なくなったのである。

そうすると、監視体制も足りない、遠洋での作戦遂行能力も足りない、そもそもその為の戦略が足りないという事態になったのだ。

ここで問題となるのは、単純な装備の不足ではない。

2022年末の「戦略3文書」の改定で大転換し、太平洋側からの攻撃想定はある程度加味されるようになったが、防衛装備品はそれを前提とした構成にはなっていない。もちろん想定した訓練も未だである。しかし支那は今すぐに実行可能であることを示してしまったことで、対処を急がざるを得ない事態となったのだ。

まとめ

今回支那は、SLBMを用いた公開デモンストレーションを行った。

これは「能力があることは知っているよね」という段階から、「いつでも使える準備ができた。アメリカも日本も、これを前提にこれからの外交・軍事戦略を考え直せ」という明確なパワープレイ(威嚇)に踏み出したことを意味する。

このことは、日本としても日米同盟としても、これまでの方針を一変させる必要性を迫られているといって良いだろう。

おそらくアメリカは、この事態をある程度想定して、戦略の見直しはやっているだろうことは、近年の方針からも想像出来る。じゃあ、日本はどうなんですか?というと、運用面においてまだ第1列島線の概念に対処する段階に留まっていて、第2列島線の概念まで装備拡張できてはいない。国会で、首相の答弁がどうだとか言って審議拒否している場合じゃないんだよ。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    全ての敵性潜水艦の動向を把握する事は不可能、という前提で。
    至近距離から発射された場合に備え、リアクションタイムを大幅短縮し(これは主に報連相の問題)、かつ、有効な迎撃手段(THAADやPAC-3など)を十二分に要地に配置しなければなりませんね。

    もう、恫喝に屈する我が国ではない、というところを見せてやれば良い。
    同時に、恫喝に屈しようとする売国奴をあぶり出して、階段を十三段ほど上らせてやればいいと思います。

  2. 匿名 より:

    日本にも欲しい!!
    ガチでコレ欲しい!

  3. 匿名 より:

    あれだけ沖縄でギャースカ言ってるパヨク連中が支那のミサイルについては何も言って来ないですしねぇ…
    今回の発射デモンストレーションは失敗する事なく終わったとは言え万が一失敗した場合沖縄近海に落下する可能性もあったと言うのに…
    あいつら本当に米軍🟰侵略者 支那🟰我々を解放してくれるって勘違いしまくってますしね。
    沖縄行政の中枢まで支那の息が掛かった人間が蔓延っている現状をどうか今度の選挙でひっくり返して膿まで出し切って欲しいものです。