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ウクライナ、報復としてロシアのデータセンターを攻撃

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ロシアニュース
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考えてみれば当たり前のことなのではあるが、なかなか興味深い。

ウクライナ、ロシアのデータセンターを2日連続で攻撃

2026年10月9日 18:38

ロシアのIT大手ヤンデックスは9日、ウクライナのドローン攻撃を受けてデータセンターが損害を受けたと発表した。同社の施設が攻撃を受けるのは2日連続となる。

AFPより

ウクライナが攻撃拠点として選んだのがロシアのデータセンターである。ロシアのIT大手ヤンデックスは、「ロシアのグーグル」と呼ばれる検索エンジンを経営し、フードデリバリーや配車アプリを運営しているとのこと。

これが、攻撃された結果、実際にそのサービスに障害が発生した。

現代戦争においては急所

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攻撃目標はデータセンター

現代の戦争は、色々あるね。

同社は9日、「ドローン攻撃により、カルーガにあるデータセンターのインフラの一部が被災した。複数のデータセンターモジュールが完全に機能停止している」との声明を発表した。また、「これにより、一部のヤンデックスのサービスに障害が発生する可能性がある。現在、被害の全容を調査中だ」と説明している。

AFP「ウクライナ、ロシアのデータセンターを2日連続で攻撃~」より

これまで、ウクライナはロシアの製油所などを攻撃していたが、最近では物流センターなどを攻撃する事例もあった。で、今回はデータセンターである。

戦場になった物流網――ロシアEC大手へのドローン攻撃を考える
触れるかどうか迷った話題だけれど、軽く触れておく。膠着状態のウクライナ戦線だが、戦争のやり方は随分と変容しているようだという点には注目している。ロシア通販大手の倉庫でまた火災、ウクライナがドローン攻撃2026年8月3日ロシアのオンライン小売…

ロシアの通販大手のワイルドベリーズやオゾンが攻撃された結果、民間流通と共に、未確認ではあるが武器供給ラインも寸断されたと言われている。

で、今回はデータセンターだったわけだが、ロシアの生活インフラを攻撃するとともに、ロシアの国家的なAI競争力や技術基盤に深刻な遅れが生じる可能性が出たとされている。

ロシアの被害は大きかった?

ところで、この攻撃でデータセンターであるヤンデックスが攻撃されたことよりも、もう少し被害が大きかった可能性がある。

ロシアのIT大手・Yandexのデータセンターがウクライナのドローン攻撃で大規模炎上、AI開発用スパコン2基も被災の可能性

2026年10月09日 15時15分

ロシアのIT大手「Yandex(ヤンデックス)」が運営するデータセンターが2026年10月8日にウクライナのドローン攻撃を受け、大規模な火災が発生しました。データセンターは稼働停止に追い込まれ、ロシア国内の多数のオンラインサービスで障害が報告されています。攻撃を受けた施設にはAI開発に使用するスーパーコンピューター2基も設置されており、被害が懸念されています。

~~略~~

サソヴォのデータセンターには数万台のサーバーが設置されており、Yandexの各種サービスから送られてくる膨大な処理要求をさばいています。

Gigazineより

サーバー事態を失ったこともかなり痛いとは思うのだが、スーパーコンピューター2基の方は割と取り返しがつかない可能性がある。

チェルヴォネンキスは2021年のスーパーコンピューター性能ランキング「TOP500」で世界19位に入った実績を持ち、Yandexが開発する大規模言語モデル「YandexGPT」などの学習にも利用されてきました。しかし、ロシアは先端半導体の輸入制限に直面しており、AI向け計算設備の増強が難しくなっています。仮にスーパーコンピューターが破損していた場合、同等の設備を調達して復旧させることは容易ではないとみられます。

サソヴォのデータセンターは工作機械メーカー「Sasta」の工場敷地内にあります。Sastaはロシアの防衛産業にも機械を供給しており、2024年からイギリスの制裁対象となっています。ウクライナ側が狙ったのがYandexのデータセンターだったのか、Sastaの工場だったのかは判明していません。

Gigazineより

今や、ロシアがスーパーコンピューターを1から構築するには、輸出制限を受けている状況において極めて厳しいと見られている。

インフラ攻撃は何処まで許されるのか

前回も触れているが、戦時においてインフラ施設の攻撃行為というのは禁止されている。

ジュネーヴ諸条約の追加議定書(1977年)などが採択された時代には、現代のようなサイバー空間やクラウド、巨大物流網は想定されていなかったため、当然ながら物流センターやデータセンターには触れられていない。

国際人道法(追加議定書第52条2項)の「軍事目標の定義」に照らし合わせて、以下のような議論はあるようだ。

<データセンター(DC)の法的な位置づけ>

データセンターは、民間人が日常的に使うサービス(検索、決済、SNSなど)と、軍の通信やドローン運用、情報戦のインフラが「同じサーバー内(デュアルユース / 民軍両用)」で混在しているケースがほとんど。

  • 軍事目標とされる主張: そのDCが軍の作戦行動、暗号通信、AIを用いた兵器運用などに「効果的に貢献」しており、それを破壊することが軍事的な優位性につながる場合、法律上は軍事目標になり得る。
  • 民間施設とされる主張: 一方で、DCを攻撃すると病院のシステム、金融、市民の生活インフラまで同時に麻痺する。「攻撃による軍事的利益」よりも「民間人への不釣り合いな損害」の方が大きくなるため、比例性の原則(同51条5項)に違反し、無差別攻撃として禁止される可能性が高くなる。

<物流・流通センターの法的な位置づけ>

流通倉庫も、軍の補給路や物資調達のネットワークと深く結びついている。

  • 軍服、糧食、車両の部品、あるいはドローンに転用可能な民生品(半導体や電子部品)が保管・流通している倉庫であれば、軍の戦闘能力を支えているとみなされ、軍事目標として攻撃対象になる余地があり。
  • ただし、純粋に民間向けの食料や医薬品、日用品のみを扱う倉庫への攻撃は、民間人を飢餓に陥らせる手段(同54条)などとみなされ、明確に禁止される。

何というか、戦場にそんな綺麗事を持ち込んでも仕方がはない気はしている。

感情的には、ロシアは日常的に発電施設やダムを攻撃し、アパートや病院を攻撃し、国際法、ナニソレ美味しいの?くらいのことをやっている。侵略してくる側なのに国際法を守る気はサラサラ無いようだ。

そんな相手に対して、律儀に守るのは感情的には間違っていると思うのだが、ウクライナは西側諸国から援助を受けている手前、ギリギリOKな攻撃目標を狙ったということなんだろうね。

実質上のモスクワ攻撃

そして、データセンターや物流センターの攻撃は、「オレたちは戦争に関係ないから」というモスクワ住民に対して、不自由を強いる攻撃としても機能している。

軍事インフラではなく、生活に直結する配送インフラの攻撃であり、ネットワークへの攻撃として機能することになるのだ。

それによって、戦場から離れた都市生活にも戦争の影響が及ぶことになる。

もちろん、都市住民の生活に影響が出ること自体が、攻撃の合法性を左右するわけではない。だが、社会を支えるインフラが戦争の影響を受けるという意味では、ロシアにとって無視できない攻撃だろう。

カルーガ州の知事はこれに先立ち、ドローン攻撃が「同市のインフラに直撃し、負傷者と被害が発生した」と発表。攻撃で9人が負傷し、うち5人が入院したが、全員容体は安定しているという。

前夜にも、ロシア中央部リャザン州にあるヤンデックスのデータセンターが攻撃を受けて火災が発生していた。

前夜の攻撃により、主要な交通サービスやオンラインショッピングプラットフォームのウェブサイトにアクセスできなくなるなど、終日にわたって大規模なシステム障害が発生した。

AFP「ウクライナ、ロシアのデータセンターを2日連続で攻撃~」より

ただ、この攻撃、別にウクライナ側のオリジナルというわけではないのだ。

むしろ、ロシア側の方が先に手を出している。

キーウのデータセンター「オメガ・テレコム」がロシアの攻撃後に活動停止

2026.10.6

同社がフェイスブック・アカウントにて報告した。

同社は、「事実に言及せざるを得ない。敵の大規模な攻撃の後、キーウのデータセンター『オメガ・テレコム』は活動を停止する」と伝えた。

また同社は、予備の拠点において通信チャンネルとインターネット接続の復旧を続けていると指摘した。

UKRINFORMより

いいかどうかはさておき、報復攻撃を行ったのはウクライナの方だったということになる。

まとめ

現代の戦争において、やられて嫌なことをやり返した、というのが今回のウクライナのヤンデックス攻撃であったという構図になっている。

そして、今回の事例が示しているのは、現代社会においては、データセンターや物流網も重要な戦略的資産になっているということだ。

現代の国際人道法は1970年代以前に作られたものがベースなので、その辺りを念頭に置きながら反撃をしたということだろう。が、結果的にはロシアはヤンデックスが抱えているスーパーコンピューターを失ってしまったとしたら、この部品、ロシアは経済制裁で容易に輸入出来ないんだよね。

どちらがより大ダメージを受けたのか?それはそのうち分かることではあるのだが。

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