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JTロシア事業の差し押さえで受ける影響

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ロシアニュース
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サハリン2の悪夢再び、か。

JTロシア事業「管理下に」 プーチン氏が大統領令 制裁継続の日本に圧力か

2026/11/6 06:43

ロシアのプーチン大統領は5日、日本たばこ産業(JT)の世界のたばこ事業を統括する海外子会社JTインターナショナル(JTI)のロシア事業について、ロシア企業の暫定管理下に置く大統領令に署名した。米欧と足並みをそろえて制裁を続ける日本に対し、圧力を強める狙いとみられる。

産経新聞より

何故、今のタイミングで日本に対する圧力を高めたのかは、ちょっと気になるところだが。

JT差し押さえの効果

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強気のロシア

理由の1つは人質の存在だろう。

ロシアで日本人記者がスパイ容疑で拘束される
あらー。ロシア、本紙記者拘束 当局発表 「安保脅かす情報収集」2026年10月14日 4:00(10月14日 4:13更新)ロシア連邦保安局(FSB)は13日、本紙男性記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。ロシア国営タス通信などが伝えた。タ…

この件で、日本政府はイマイチ弱腰なのだが、実質上のカードがないというのがその原因だ。

例えば、こちら側にもロシア人の人質がいれば、交換という選択肢も考えられるのだが、現実にはそうした対抗手段を持っていない。

クレムリン、日本たばこインターナショナル(JTI)のロシア国内資産を差し押さえ

2026/11/6

ウラジーミル・プーチン大統領は木曜日、日本たばこインターナショナル(JTI)のロシア国内資産を国家の「暫定管理」下に置く大統領令に署名した。これにより、JTIはウクライナへの本格的な侵攻をきっかけに欧米企業が同国から撤退して以来、クレムリンの標的となった最新の外国企業となった。

~~略~~

JTIの国有化は、この秋にロシアで主要な欧米企業を標的とした新たな資産差し押さえの波に続くもので、ドイツの卸売業者メトロ、フランスの小売業者オーシャン、スイスの食品大手ネスレ、物流事業者FMロジスティックなどが含まれる。

The moscow timesより

ロシアとしては全方位に喧嘩を売ることになっても、ロシア財政への補填を優先させたという事情が垣間見える。

ロシア、財政運営はウクライナ戦争のさらなる長期化を鮮明に

2026.10.02

ロシア政府は9月30日、2027年度予算案を連邦議会下院(国家院)に提出した。ウクライナ戦争の開戦から4年半以上が経過するなか、ロシア経済にとっては軍事関連が一大産業となっている。そのため、予算案における軍事費の動向は、ウクライナ戦争の先行きに加え、ロシア経済の行方を大きく左右することが予想される。2027年の歳出規模は48.8兆ルーブルとなり、そのうち国防費は17.1兆ルーブルと歳出全体の35%を占める。

第一ライフ資産運用経済研究所より

数字が参考になるかは不明だがインフレ率は7%程度で、政策金利は14.0%となっている。政策金利を上げてもインフレ率が下がらない。そりゃそうだろうね。

ロシア経済は地下化が進む

何しろ、供給不足がインフレの一因となっている。需要を抑えるために政策金利をどれだけ引き上げても、供給能力そのものが回復するわけではない。金融引き締めだけでインフレを抑え込むには限界がある。

寧ろ、公式に発表されているインフレ率すら、既に実態を十分に反映していない可能性がある。

ロシア人はお金を求めて質屋に殺到
ロシア経済、いよいよだなというニュースを1つ。銀行やマイクロファイナンス機関への要件が厳しくなった後、ロシア人はお金を求めて質屋に殺到した2025年9月29日ロシア中央銀行による過剰債務対策は、多くのロシア人を質屋に頼らざるを得なくさせた。…

昨年10月頃には、既に質屋の活況や物々交換について触れていた。しかし、ガソリンの供給不安は当時よりも深刻になっているようだ。物々交換だけではどうにもならない問題も増えている。

闇市場が「活況」し「何でもあり」となる中、ロシア経済は崩壊の危機に瀕している

2025年6月12日(木)

ロシア経済は、ウクライナとの戦争が続く中で、制裁措置と貿易額の減少により大きな打撃を受けている。ウクライナの元銀行幹部は、経済成長の鈍化に伴い、プーチン大統領の国で闇市場が活況を呈していると警告した。偽造品が「店舗、市場、オンラインショップに溢れかえっている」とされ、その総額は数十億ドルに上るとみられる。

express.co.ukより

需要に対して供給が追いつかない状況が続けば、正規の流通経路だけでは市場を維持できなくなる。制裁によって輸入が制約される中、第三国経由の並行輸入や非正規の流通、さらには偽造品までが市場に出回ることになる。

市場に出回る商品の10分の1程度が偽物ではないか、という指摘まである。もちろん、この数字の信頼性には注意が必要だが、こうした非正規市場の拡大が経済にさらなる悪影響を及ぼすことは想像に難くない。

苦しいロシア経済の補填をするために、殴っても殴り返してこない日本を攻撃するという意図は十分に理解出来る。業腹だが。

とはいえ、今回の日本への圧力も、そうしたロシア経済の状況を背景にした動きと考えられるが、それがロシアにとって良い結果につながるかどうかは怪しい。

JT差し押さえは悪手

短期的には、JTの資産をロシア国内に取り込むことで、事業収益やたばこ税という形で一定の収入が期待できる。

嗜好品であるたばこは、景気が悪化しても一定の需要が見込める商品だ。JTIはロシア市場で約4割のシェアを握る圧倒的な大手企業であり、税収面でも無視できない存在だろう。

加えて、今回は「JSCインダストリアル・アセッツ」というロシア企業に管理を移管する形を取っている。単純な国有化というより、特定企業への利益供与という側面もあるのかもしれない。

ロシア、JTの資産を管理下に-プーチン氏が大統領令に署名

2026年11月5日 at 22:18 JST

ロシアは、日本たばこ産業(JT)の海外事業を統括するJTインターナショナル(JTI)の現地資産を同国企業の管理下に置いた。外国企業の事業への統制を強めるロシア政府の動きがさらに広がった。

ロシアのプーチン大統領が署名し5日に公表された大統領令によると、JTIのロシア事業は同国企業JSCインダストリアル・アセッツへ暫定的に移管された。

Bloombergより

ただし、JSCインダストリアル・アセッツ自体は、事業規模の小さい企業らしい。果たして、JTIのロシア事業を問題なく管理できるのかは不明だ。

現場の工場と従業員約4,000人はそのまま残るため、当面は工場を動かすことができるだろう。しかし、長期的にはマクドナルドの撤退後と似たような状況になるのではないか。

ロシアでは、撤退したマクドナルドの店舗を利用して「フクースノ・イ・トーチカ(美味しい、それだけ)」というチェーンが営業を続けている。店舗や設備を引き継いだことで、表面的には従来と変わらない営業を続けられているものの、商品数が減り、似たような商品の販売にとどまっているとも言われる。

〈ロシア版マクドナルドも体験〉現地から見えたロシア経済の実情、制裁下での国民生活は?庶民の声に弱いプーチン
9月に6年振りにロシアに渡航し、その経験を記してきた。今回は、現地で見た人々の生活振りについて、最新の関連データを参照しながら議論を進めてみたい。

表向きには「変わらない日常」を演出できるだけの余裕が、まだロシアにはあるということなのだろう。

しかし、歳出の35%を戦費に充てる状況が続いている。戦時経済をいつまで維持できるのか、という疑問は残る。恐らくは、原料調達の穴埋めに歳費を積んでいるだろうから、余計に「演出」にはお金がかかるのだ。

メンテナンスに悩む

たとえば、設備の維持にどれほどのコストがかかるかは分からないが、問題は工場を動かし続けることだけではない。設備の更新や保守、原材料の調達、製品の品質管理など、これまでJTIが担ってきた機能をどこまで維持できるのかが重要になる。

JTの差し押さえは、一時的な成果としてはカウントできるだろう。しかし、長期的に見れば、あまり良い結果にはなるまい。

ロシアが旅客機維持に苦心 制裁で部品調達難しく、不具合4倍に急増

2025年12月26日 11:00

ウクライナ侵略を続けるロシアが旅客機の維持に苦心している。米欧による制裁で部品の調達が難しくなり、2030年までに3割が運用を終える可能性がある。国産機の生産は遅れ、運用する機体の不具合が4倍に増えたとの報告もある。安全や輸送網の維持への懸念が頭をもたげる。

日本経済新聞より

戦争開始時に、レンタルしていた旅客機を差し押さえて、自国の移動手段として運用していたロシアだが、旅客機のメンテナンスには苦慮しているようだ。

新たな機体を売ってくれる国はないし、部品の調達も困難だ。

JTの工場も似たような話になっていて、差し押さえたことで更に影響は拡大するだろう。つまり、最初は良いが、機械のメンテナンスが出来なくなってたばこの品質の低下に繋がる。嗜好品であるだけに、その影響は大きかろう。

一方、日本側の影響だが、JTはいわば日本の国営企業といっても差し支えない……と言いたいところだが、もちろん完全な国営企業ではない。ただし、日本政府が大株主であり、配当収入の一部は国庫に入る仕組みになっている。

今回の事業接収によって、配当収入などを通じて日本政府が受ける影響は、概算で年間180~450億円程度に上る可能性がある。

さらに、株価への影響も無視できない。11月5日の終値から6日のストップ安水準まで売り込まれたことで、時価総額ベースでは約3兆円の減少となった模様だ。日本政府の株式保有比率を考えれば、その持ち分に相当する評価額の減少は約1兆円に達する計算になる。実際の損失とはちょっと違うが、ダメージを受けたことは間違いない。

許すまじ。

まとめ

ロシア政府の決定によって、日本の利益を大きく毀損することになったJTロシア事業の接収問題。

1兆円規模の評価損を日本に与えながら、平然としているロシアの面の皮の厚さには驚かされる。

尤も、今回の措置はあくまで「暫定管理」という名目である。今後、日本国内に存在するロシア資産との相殺や補償の可能性も含め、取り得る対策はいくつか考えられるだろう。

ただし、日露関係の悪化がさらに進むことは避けられそうにない。

もはや不可逆的な関係になりつつある日本とロシアだが、現在のロシアと何らかの約束を交わしたところで、それが守られる保証はない。地道な外交交渉は不可欠だが、それも相手に交渉する意思があってこそ成立する話である。

コメント

  1. 山童 より:

    今回の記事シンプルに面白い!
    私はペレストロイカの時代に、
    なんでもかんても地下化したロシアみてますから、ああなるのかと興味は尽きません。
    あの時代、ファーストフードの廃油を偽ディーゼル油に変える「なんちゃって技術」があり、ロシアに輸出した事があるんですが。
    連中の環境適応能力の高さには驚くものがありました。靴墨を古いパンに乗せて、アルコール分が染み付いた時にパンを齧り、酒に酔うとか🤣
    あり得ないノウ・ハウを構築してゆく連中なので、乗っ取った企業に関しては、レベルを下げつつも、商品を味わう側も嗜好を下げられるので、
    継続しちゃうと想うんですよね。