おおとら?
潜水艦の記事を書いていたら、次世代イージス艦ってワードが引っかかって調査。おお、これは見逃していたよ。
次世代イージス駆逐艦「大虎金宗瑞」が進水 6隻体制へ
2026-10-01 09:48:09
韓国海軍の次世代イージス駆逐艦「大虎金宗瑞」が30日、南東部の蔚山で進水しました。
韓国海軍が導入を進めてきた次世代イージス駆逐艦3隻のうち、最後となる3番艦です。
KBS WORLD より
なお、「次世代イージス艦」と書かれているが、これは正祖大王級駆逐艦の3番艦のことである。
韓国海軍はこれで、従来の世宗大王級3隻と合わせて、イージス駆逐艦6隻体制を目指すことになる。
韓国版イージスの実力
造船業や防衛産業への支援
ちょっと分かりにくいので、まずは韓国海軍の駆逐艦の系譜を整理しておこう。
- 広開土大王級駆逐艦(1998年に就役)基準排水量3,200t-3隻(KDX-I)
- 李舜臣級駆逐艦(2003年に就役)基準排水量4,400t-6隻(KDX-II)
- 世宗大王級駆逐艦 (2008年に就役)基準排水量7,600t-3隻(KDX-III)
- 正祖大王級駆逐艦(2024年に就役)基準排水量 8,200tー3隻(KDX-III)
KDX-IIIにはBatch-IとBatch-IIがあるんだよね。
もう、韓国の兵器体系は名前とか型式で判断出来ないから困るんだよな。普通、仕様を変更したらKDX-IIIにまとめるべきじゃないだろう。
さておき、今回進水した「大虎金宗瑞」は、正祖大王級の3番艦に当たる。
「大虎金宗瑞」は、全長170メートル、幅21メートルの8200トン級で、最新のイージス戦闘システムを搭載しています。
特に、従来の世宗大王級イージス駆逐艦にはなかった弾道ミサイルの迎撃能力も備えています。
性能評価と試験航海を経て、来年12月に海軍に引き渡される予定です。
KBS WORLD 「次世代イージス駆逐艦~」より
2027年12月に就役予定なのか。
イージス艦の建造理由が、「造船業や防衛産業への支援」というのが、ちょっと不穏な感じはするんだけど、韓国にも色々な事情があるからね。そして、韓国海軍の能力増強は必要だろう。
この正祖大王級駆逐艦について、最初に取り上げた記事はこちら。

ちょっとまとまってないけど、予想外だったんだよね。
協調交戦能力(CEC)がない
ところで、以前扱った記事なのだが、この正祖大王級駆逐艦には不穏な話がある。

なんと、協調交戦能力(CEC: Cooperative Engagement Capability)がないらしいのだ。
日豪のイージス艦に「共同交戦能力」搭載認める米国、韓国には拒否
2025.10.20. 11:25
韓国海軍が米国にイージス艦の共同抗戦能力(CEC)の提供を打診したが、米海軍がこれを拒否したことが分かった。CECはイージス艦における重要システムの一つだ。
韓国海軍が19日に明らかにした。それによると韓国海軍は昨年6月、米海軍に「北朝鮮の脅威に対抗するため正祖大王級イージス艦の建造を進めている」としてCECの技術提供について検討を求めたという。
朝鮮日報より
CECとは、複数の艦艇や航空機が持つレーダーなどのセンサー情報をリアルタイムで共有・統合し、ネットワーク全体で協調して交戦するためのシステムである。
単に各艦艇が自分のレーダーで敵を探知して迎撃するのではなく、味方の艦艇や航空機が取得した情報も利用して、より高度な防空・ミサイル防衛を実現できる。
ところが、このCECの提供を米国から拒否されているのが韓国である。
韓国は、ここ最近扱った記事でも、米国から技術提供などで少々忌避されているような話があった。

独自路線を行っている国家なので、仕方がないとは思うけれども、今回の記事に絡んで再び拒否されている。
米国、韓国へのイージス戦闘ネットワークCECの輸出を拒否
2026年10月4日 08:30:05
ミシェル・スティール駐韓米国大使は18日、ソウルで開催された米韓同盟財団主催の米韓同盟会議で、米韓同盟は「戦争を通じて築かれた」ものであり、「米韓両国の兵士が自由を守るために肩を並べ、共に血を流したからこそ成り立っている」と述べた。また、両国間の相互防衛条約は決して破られることのない絆であり、「単なる政府間条約を超えたものだ」と強調した。
~~略~~
米海軍は回答の中で、「米国政府の輸出管理および技術移転政策は、CECの韓国への輸出を支持していない」と述べた。しかし、その輸出管理および技術移転政策の内容については具体的に説明しなかった。一方、オーストラリアのホバート級駆逐艦と日本のまや級駆逐艦は既に同システムを搭載している。このギャップは、米国の立場が矛盾しているとの批判を招いている。
ソウル経済日報より
なるほど、これは仕方がない。
韓国版CECの開発を
では、提供を拒否されたCECをどうするのか。
なんと、韓国版CECの開発を進めちゃった。
そのため、海軍は統合防空システムであるCECの韓国版の開発を進めている。このシステムは、韓国製のレーダーや戦闘システムを搭載した艦艇、具体的には次世代駆逐艦(KDDX)や蔚山級第4期フリゲート艦などに主に搭載される予定だ。しかしながら、欠点の一つとして、このシステムは、海軍の主力艦である世宗大王級および正祖大王級イージス駆逐艦(いずれも米国製の戦闘システムを使用している)とは連携できず、適用もできない点が挙げられる。
ソウル経済日報より
そして、凄いことが書かれている。
その韓国版CECの欠点として、既に配備されている世宗大王級および正祖大王級イージス駆逐艦と連携できないらしい。
……だめじゃん?
そもそも、既存の戦闘機や哨戒機とのCECによる連携がとれない、或いは同盟国の戦闘機や哨戒機、艦艇とのCECによる連携がとれないという致命的な問題を抱えてしまうのは、果たしてどうなのだろうか。
まあ、リンク16は搭載しているので、CEC程ではないが情報の送受信は共有可能だ。
CECを搭載していれば、味方の艦艇や航空機をセンサーノードとして利用し、自艦のレーダーだけでは得られない情報を使って交戦できる。具体的には例えば水平線の向こう側を狙ってVLSを発射するとかできるのだ。
でも、できないものはしょうがないね。
まとめ
韓国海軍の交戦能力を高めることに寄与できる韓国版イージスだが、やや物足りない部分があるのは、否めない。
それでも、国産化によって更に高度な機能を将来的には期待できるのはずだ。
その為には、少々時間がかかるかもしれないが、そこは将来に期待したいところである。


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