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H3ロケット8号機の打ち上げは失敗

科学技術
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期待していたH3ロケットの打ち上げが失敗に終わったようだ。そして残念なことにみちびき5号も静止軌道に乗ることはなかった模様。

「H3」ロケット8号機の打ち上げ失敗、衛星の保護カバー分離時に異常か…通常生じない衝撃を観測

2025/12/23 12:40

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、打ち上げに失敗した主力ロケット「H3」8号機について、ロケットの先端部に取り付けた衛星の保護カバーを分離した打ち上げ3分45秒後に、第2段ロケットの水素燃料タンクの圧力が低下を始めたことを明らかにした。この際、通常の打ち上げでは生じない衝撃が保護カバーで観測されていた。

讀賣新聞より

ガッカリではあるが、しっかりと原因究明して欲しいところ。

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衛星打ち上げの失敗

分かっていること

さて、メディアは軒並み大喜びの様相で、気分が悪いのだが得られる情報は極めて質が悪いのでJAXAのサイトから情報を得ることにする。

H3ロケット8号機の打上げ失敗及び対策本部の設置

2025年(令和7年)12月22日

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2025年12月22日10時51分30秒(日本標準時、24時間表記)に、種子島宇宙センターからH3ロケット8号機による準天頂衛星システム「みちびき5号機」の打上げを行いましたが、第2段エンジン第2回燃焼が正常に立ち上がらず早期に停止したことから、予定した軌道に「みちびき5号機」を投入することができず、打上げに失敗しました。

JAXAのサイトより

今回の失敗の原因は、これまで順調に打ち上げ成功実績を積み重ねていた2段目が問題だった。

逆に言えば、1段目自体は成功したようだということになる。とはいえ、第1段と第2段の繋ぎのところで問題が発生した可能性もあるので、完全成功かどうかは不明。

冒頭のニュースは、保護カバーの分離が影響して第2段エンジンの推力立ち上がらなかったという可能性を示唆するもので、「衛星カバーの分離が事象の起点になっている可能性が高い」と分析されている。

みちびき5号機

そして、予定の軌道に投入することができなかったみちびき5号機だが、どうやら大気圏に再突入したとのこと。

「みちびき5号機」ブラジル上空で大気圏再突入か、H3ロケットに発生した事象全容とその影響

2025.12.23 11:00

12月22日、日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星「みちびき5号機」が、H3ロケット(8号機)によって種子島宇宙センターから打ち上げられた。しかし、第2段(上段)による2回目の燃焼が、わずか1秒間で停止した。これによって「みちびき5号機」を予定軌道に投入できず、打ち上げは失敗。地球周回軌道には入ったものの通信は途絶え、その位置も追跡できなくなった。

宇宙機の軌道追跡で知られる米国の天体物理学者ジョナサン・マクドウェル氏のポストによると、H3の第2段は地球を一周したあと、2周目の近地点(楕円軌道における最低高度のポイント)に達した日本時間の22日13時ごろ、ブラジル上空で大気圏に再突入した可能性が高い。

Forbesより

前回、みちびき5号機が揃えば、という記事を書いている。

実は6号機は先に打ち上げられていて、7号機は来年2月1日の打ち上げ予定である。7号機がうちあげられても5号機が揃わないとちょっと都合が悪い。

実は5号機にはASNAVアンテナと呼ばれる高性能な実証アンテナが積まれていて、測位精度の飛躍的な向上が期待できる。これってつまりみちびきに期待されている機能の本丸なんだよね。

だいち3号

さっぱり話題にならないだいち3号も、実はH3ロケット8号機に搭載されていた。

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広い観測幅(70km)と高い地上分解能(0.8m)を両立させた光学センサを搭載していて、地表面を広く詳細に観測できる機能を備えていて、実は発災前後の分析をして被害状況を把握することが期待できた。

更に、観測波長帯の追加ができることで、沿岸域の観測にも使えるということが期待されていた。

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お、惜しいことをしたよ。

まとめ

搭載していた衛星のことを考えると、どうしても成功して欲しかったロケットではある。これによって少なくとも半年か1年の遅れが出てしまうだろう。衛星を作り上げるのにも時間が必要だからね。

が、今回の失敗を糧に、次に繋げて欲しい。今はそれだけである。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    この件は最初パルプにトラブルあってなんか嫌な予感がしてたんですね色々な衛星を盗撮して残念な事です