これに関してはGJと言っておかねばならないだろう。
高市首相、国連で削除訴えた「旧敵国条項」 中国も賛成したのに…昨年から対日牽制に利用
2026/9/23 14:01
高市早苗首相は22日夜(日本時間23日午前)の国連総会演説で、第二次大戦の敗戦国を対象に定められた国連憲章の「旧敵国条項」について「早急に削除されるべきだ」と表明した。条項は既に死文化し、中国を含む加盟国が削除方針で一致している。一方、中国は昨年、高市政権発足後に旧敵国条項を持ち出し、今なお有効であるかのような主張を展開している。
産経新聞より
ただ何というか、もうちょっと説明が欲しい記事なんだよね。産経新聞さんは、有料プラン限定の記事にしているけれど、前後関係を含めて無料で知っておいて欲しい内容ではある。
ポジショントークと国際関係
死文化の実態
さて、先ずは「敵国条項とはなんぞや」というところから入りたい。
敵国条項とは、国際連合憲章(国連憲章)において、第二次世界大戦中に連合国(現在の国連の基盤となった国々)の敵国であった枢軸国(日本、ドイツ、イタリアなど)に対する例外的な措置を定めた規定(第53条、第77条、第107条)のこと。で、もはや死文化しているので、日本の立場としては「旧敵国条項」と呼ぶのが通例である。
これに関しては衆議院の質問で、こんな質問主意書が出されている。
内容を読んでは頂きたいが要旨だけ抜き出しておくと、この「旧敵国条項」は基本的には死文化しているけれど、国連憲章からの削除は容易ではないという内容になっている。
で、これを擦っているのが、支那の駐日本大使館なのである。恥知らずな。
これに関しては、外務省がXの上で応酬をしている。
支那がどのような立場であろうとも、実態は死文化しているのは事実だと認識すべきだろう。
死文化の根拠
そして、1995年の国連総会による採択によって、この条項は削除が妥当であるという合意が得られている。
過去、政府は、一九九五年の国連総会においていわゆる「旧敵国条項」が既に死文化しているという認識を示す決議が全ての安保理常任理事国を含む百五十五か国の賛成により採択されたことや、二〇〇五年の国連首脳会合において国連憲章から敵国への言及を削除するとの全加盟国首脳の決意を示す成果文書がコンセンサスで採択されていることを挙げ、いかなる国も「旧敵国条項」を援用する余地はもはやないと考えている旨答弁している(例えば、第二百八回国会参議院外交防衛委員会(二〇二二年四月十九日)における林外務大臣の答弁)。
質問主意書より
このあたりは文書固定されているので、それを引用してきたかったのだが難しかったので、こちらのポストで代用。
そういうわけで、日本政府としては「旧敵国条項」という扱いであり、これを持ち出すことは適切ではないのだろうと思う。
支那は強弁
一方で、これに対して再び反論をしてきているのが支那の外交部である。
中国外務省、旧敵国条項は「重要」 高市首相の国連演説に反発
2026/9/23 18:36(最終更新 9/23 18:36)
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は23日、日本など第二次世界大戦の敗戦国を対象とした国連憲章の「旧敵国条項」について「戦後国際秩序を守るために重要だ」と主張した。高市早苗首相が国連総会演説で同条項は「早急に削除されるべきだ」と述べたことに反発した。
郭氏は記者会見で「日本の現政権は侵略の歴史を否定するだけでなく、再軍事化を加速し、地域の平和を脅かす突出した要因となっている」と述べ、高市政権を批判。そのうえで旧敵国条項を巡り「再び軍国主義が国際平和の脅威となることを防ぐため、重要な現実的意義がある」と指摘した。
毎日新聞より
流石の毎日新聞も、支那の発言については正確に伝えざるを得なかったようで、面白い反論を紹介している。
あ、産経新聞も触れていたね。
1995年には「時代遅れ」とされたにも関わらず、今になってまだ戦後秩序を主張せざるを得ない支那外交部の立場には涙を禁じ得ない(笑)が、正直、「軍国主義」なのか「新型軍国主義」なのかは区別を付けて欲しいものである。
ただ、これを持ち出すと支那は、日本の他にもドイツとイタリアを敵に回すことになるんだが、良いのだろうか?
イタリアの立場
ちなみに、同じ立場であるドイツやイタリアにとって、この旧敵国条項はどんな意味があるのかといえば、積極的には言及したくないようだ。「ようだ」というのは、報道ベースでは全く確認できないからだ。
言及すれば、支那から直接言及されるリスクを負う。特にドイツは支那と組んで色々と技術開発をやってきた事実があるので、現在、直接に攻撃されている日本を横目で見ながら、だんまりを決め込んでいるのか、少なくとも報道に載ってくるレベルでは、聞かれない。
ではイタリアは?というと、これはちょっと立場が異なる。イタリアもそれに直接は発言はしていないようだが、首相のメローニ氏は国連の在り方そのものに、疑問を呈してはいるようだ。
一般討論
2025年9月24日
イタリアのジョルジア・メローニ大統領は、「私たちは、戦争を防ぐことを目的として1945年に国連が設立された当時とは大きく異なる世界に生きている」と述べた。「80年後の今、私たちが自問すべき問いは、『私たちは成功したのか?』ということだ。その答えは、ニュースの見出しにあり、容赦のないものだ」。この文脈で、彼女は、安全保障理事会常任理事国であるロシア連邦が2022年に開始した大規模な侵略戦争の結果を強調した。ロシアは、他国の領土を併合するために国連憲章第2条を「意図的に踏みにじり」、和平交渉のテーブルに着くことを拒否している。彼女は、この戦争は国境を越えて不安定化をもたらし、国連の分裂をさらに深めたと述べた。
国連のサイトより
現在進んでいるGCAPに関して、イタリアとしても遅れて貰っては困る。

そして、日本抜きに考えると言うことも難しく、その日本が旧敵国条項に足を引っ張られて「輸出は出来ない」とか言い出すのは避けたいところ。
というわけで、今のところ報道ベースで旧敵国条項に言及した話は聞かないのだが、悪いがイタリアには付き合って貰うぜ!
まとめ
わかりきったことを丁寧に主張していくこともまた、日本の首相としての責務である。
支那の対応はともかくとして、過去には小泉純一郎氏(2005年の国連首脳会合での演説)が有名で、この時には支那も反対をしていない。
また、岸田文雄氏(2014年3月の衆議院外務委員会にて答弁)(2022年5月の日米首脳会談におけるバイデン氏からの日本が常任理事国になることを支持する発言の引き出し)などもあり、他にも外務省を中心に積極的に働きかけていて、故安倍晋三や麻生氏もそうした動きは積極的にやっていた。
あの石破氏ですら、旧敵国条項は援用する余地すらないという立場だったのだから、歴代首相達の共通認識といっても過言ではあるまい。
ただ、国連の場でこれをしっかり主張できたことは有用であると思う。


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