久しぶりの、韓国軍の兵器シリーズだね。
韓国の次世代国産攻撃ヘリ「ミルオン」、エンジン欠陥で飛行中断
2026年6月15日 7:20
韓国陸軍の次世代国産攻撃ヘリコプター(LAH)「ミルオン」でエンジンの欠陥が見つかり、飛行が中断されたことが分かった。
AFPより
次期型攻撃ヘリコプターLAHは、1号機が2024年に納入して戦力化するって話であったはず。ただ、追いかけられていなかったんだよね。
結局いつもの
2030年までに約160機を戦力化
このブログで扱ったのは戦力化する話だったかな。

続報がないのは、無事の知らせだと思っていたのだけれど、やっぱりというか。
韓国国産ヘリ「ミルオン」 量産1号機を陸軍に引き渡し=31年までに160機戦力化
2024.12.26 11:00
韓国防衛事業庁は26日、小型攻撃ヘリコプター(LAH)「ミルオン」の量産1号機を陸軍に引き渡したと発表した。ミルオンは、現在運用中の軽攻撃ヘリ500MDと対戦車ヘリAH1S(コブラ)に代わる国産ヘリコプターだ。
聯合ニュースより
名前を「ミルオン」と言うんだよという報道が出たと時には、戦力化のスケジュールは報じられていなかった。いや、「2030年までに約160機を戦力化」というザックリした話はあったね。
で、冒頭のニュースを読んでも現時点で戦力化したかどうかは不明。前回の記事では「2026年中に戦力化」のスケジュールが報じられていたので、未だなのかもしれない。
ここは今後に期待したいところだが、機体の納入数は現時点で結構な数に上っていたようだ。
防衛事業庁と韓国国会国防委員会所属のカン・ソンヨン議員室(国民の力)などによると、ハンファエアロスペースが組み立てたミルオン用ヘリコプターエンジン57基のうち47基で腐食が見つかった。このうち38基ではエンジンに亀裂も発生していたことが確認された。
AFP「韓国の次世代国産攻撃ヘリ「ミルオン」~」より
うーん、どういうこと?
エンジンは2基搭載
ヘリコプターの仕様を見ると、エンジンを2基搭載する仕様であるとされている。フランスのチュルボメカ社が作ったアリエルという優秀なターボシャフトエンジンで、多くのヘリコプターに搭載されている。
韓国でもLCHとLAHにそれぞれ2基ずつ搭載される、HAS-Arriel 2L2が製造されているらしく、恐らくはライセンス生産されたものだろう。
該当エンジンを搭載して戦力化された航空機15機は陸軍航空学校に配備されているが、調査の結果、大半の機体でエンジンの腐食と亀裂が確認されたという。防衛事業庁は4月、エンジン異常問題を確認し、安全のため陸軍に納入されたミルオン15機すべてについて飛行中断措置を取った。
欠陥は、内部の空気の流れを維持する「ディフューザー」部品に異常が生じたことで発生したとされる。ミルオンのエンジンはフランスのサフラン社のエンジンを、ハンファエアロスペースが韓国内で組み立てて納品してきた。
AFP「韓国の次世代国産攻撃ヘリ「ミルオン」~」より
サフラン社……、ええと正確にはサフラングループのチュルボメカ社では?と思ったら、チュルボメカ社は2016年にサフラン・ヘリコプター・エンジンズへ社名変更されていた。
現状、陸軍に納入されている「ミルオン」は15機で、搭載されているエンジンは30基ということになるが、納入されたのは57基。つまり予備のエンジンもダメだったことを意味する。
で、納入57基のうち47基のエンジンで腐食と亀裂が見つかったということのようだね。トラブル発生率から、整備不良よりも製造時点でのトラブルが疑われるスゴイ故障率だ。
ディフューザーでトラブル
ディフューザーは、コンプレッサー(圧縮機)の後方に配置され、圧縮された空気の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する重要な静止流路のことである。

アリエルのカットモデルで見ると分かりやすいが、中央のシャフトに左側がから入り口のファン、コンプレッサファンが設置されているので、その後の流路が腐食し、または亀裂が入ったということのようだ。
ディフューザー内では、空気の進行方向に向かって圧力が徐々に高くなる「逆圧力勾配」が生じるので、コンプレッサーで高められた高圧空気のストレスに晒される。
問題となった工程は、原製作者の製作図面の要求事項に合わせ、詳細な作業工程を具体化したものだ。今回確認されたエンジン内部の腐食と亀裂は、安全のため従来なかった新たな検査方式を導入し、微細内視鏡で先制的に確認されたという。
AFP「韓国の次世代国産攻撃ヘリ「ミルオン」~」より
そうすると、形状からして鋳造で作られた流路にトラブルがあったと理解出来る。
記事によると、サフラン社側から購入した製作図面に従って韓国のハンファ社で製造された部品のトラブルであり、
これはどうやら、ハンファでの製造・加工プロセス(熱処理や表面処理など)に根本的な設計逸脱があったと理解すべき事案だろう。
ディフューザーのような高温・高圧環境に晒される部位で腐食と亀裂が同時に見つかっている状況から見て、鋳造工程に起因する組織不良や応力集中が生じていた可能性が高いからだ。
そうすると、韓国防衛産業では割とトラブルとしては有名となっている冶金分野のトラブルだと分類できるだろう。
まとめ
こういうトラブルは兵器産業を育てていく方針であれば、乗り越えていくしかない分野であるともいえる。
なぜなら、今回のトラブルは、単にエンジンが故障したことではないからだ。フランス製エンジンそのものではなく、韓国内で組み立てられたエンジン群で大規模な不具合が発見された、製造上のトラブルと言うことになる。
国産化とは、設計図を受け取れば終わりという話ではない。材料管理、熱処理、表面処理、検査工程などを含めて品質を再現できて初めて成立する。
韓国が兵器輸出国を目指すのであれば、真面目に向き合って技術獲得のチャンスと割り切って、対策していくしかあるまい。



コメント
航空機に詳しくないので(ぜんぜん)
確信はないのですが。
こんなんなら、レシプロの地上攻撃機を量産化する方が戦果出るのでは?
A10攻撃機が引退しましたから、地上攻撃で攻撃機が花形になる時代ではないのでせうけど。
今のレシプロはエンジン性能やら素材の進化で性能が高い!
速度が遅いってもヘリよか速い!
んで、速度が遅いから旋回半径が小さくて、ミサイルなども回避しやすい。
搭載するミサイルや爆弾も多い。
なにより安い!
このアパッチとヒューイコブラのばったもんみたいな小型ヘリよか優秀に思えるゆですけれどね。
今時はドローンでしょ
エアバスヘリコプターズ AS 365は日本国内でも普通に飛んでます
軍用型がAS 565
中国でライセンス生産したのがZ-9
そーなんすよね。
ウクライナの長距離ドローン攻撃の成果を観てるから解るすが。レシプロの新型攻撃機を観たのかドローン反抗を始める前だったもので。
現代のCOIN機(軽攻撃機)はターボプロップ機(タービンエンジンでプロペラを駆動する)
AT-6とかA-29/AT-29
ウクライナはレシプロ練習機のYak-52でドローン迎撃をしているが対地攻撃には使っていない
亜音速中等練習ジェット機の代わり使える高性能ターボプロップ練習機のコクピット周りに装甲版を加えてCOIN機として作られている、単座機もある
レシプロ練習機では性能が低くてCOIN機として使えない
攻撃ヘリコプターの有用性について言及すべきか、韓国のヘリコプターという点で下げるべきかを悩みますね。
作ることができるのであれば、レシプロのCOIN機が良いのでしょうが、韓国のソレってあまりデキが宜しくなくて。
マシなのはロッキードマーティン社が開発に関わったT-50高等練習機と、その派生のFA-50軽戦闘機ということですから、なんというか、救いがありませんね。何しろこれ、製造コストが高くて、中古で手に入るF-16よりも性能は低くて高コストという意味の分からない状態ですから。
アレです、そのうちKF-21が使えるようになりますから、それまでの辛抱ですね。
粉末冶金だと韓国には輸入した3Dプリンターが有るけど錆びるような成分を使うとは思えない
いや、韓国なら素材・熱処理で仕様を守る訳が無い
3Dプリンター…。
新しい記事で言及しましたが、これはどうやらもっと酷い話みたいですね。
こんにちは。
ディフューザーと聞いて、「?」だったのですが、カットモデル見て納得行きました。
遠心圧縮機だったのですね。軸流だと思ってた。
確かに、ヘリのターボシャフトエンジンはむしろ遠心が主流でしたっけ。
で、こんな記事が。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/06/17/2026061780001.html
「次世代韓国製攻撃ヘリ、完成エンジンの8割に腐食…一部は亀裂まで発生」
>熱処理を行って組み立てるべき部分をゴムハンマーでたたいて無理に部品をはめ込み、不良が生じたと伝えられている。
……ちょいちょいちょいちょい!
焼きばめする部品を叩き込んだ?
ケンチョナヨ、極まってるなぁ……
こりゃ、他の部品も推して知るべし、ですね……
腹筋が痛い
お笑い韓国軍に新たな歴史が1ページ
こんにちは。
> 熱処理を行って組み立てるべき部分をゴムハンマーでたたいて無理に部品をはめ込み
そんなっ!後出しでずるい!
とまあ、個人的に予想した「似非応力腐食割れ」路線を真っ向から否定する材料にガッカリするのはさておき、さっさと次の記事を書かなきゃ。