久々の朗報である。韓国海軍にとっての朗報、という意味なんだけれども。
「北朝鮮のSLBM搭載潜水艦を捉える」海上作戦ヘリ「シーホーク」…韓国に来月導入
2025年1月27日 6:00
韓国海軍の対潜戦能力を強化するための海上作戦ヘリコプター「MH-60Rシーホーク」の初号機が来月、韓国に到着する。
AFPより
良かったよ、使える海上作戦ヘリコプターの導入ができて。
ねんがんのシーホークをてにいれたぞ
これまでの方針から転換?
これまでこのブログで紹介していたのは、韓国海軍の導入するAW159やMUH-1だが、今回はアメリカから購入したんだね。
軍関係者によると、米ロッキード・マーティン社が製造したシーホークは2月中旬、最初の機体が韓国に引き渡される見通しとなった。韓国軍は2020年12月、第132回防衛事業推進委員会で約9600億ウォンの予算を投じ、2025年までにシーホーク12機を導入する海上作戦ヘリコプター2次事業を決定した。
AFP「北朝鮮のSLBM搭載潜水艦を捉える」海上作戦ヘリ「シーホーク」より
良いんじゃないでしょうか。
ええと、先ずはAW159「ワイルドキャット」について。
こちらの記事で紹介しているが、韓国海軍では対潜哨戒能力を期待してAW-159「ワイルドキャット」を8機ほど導入していた。

こんな感じの海上で運用可能なヘリコプターで、上で紹介したリンク先で言及したように、そこそこトラブルを抱えつつも導入されている。
韓国海軍はヘリコプターを運用する前提で艦艇も着陸ポートを備えたものを導入しているのだが、あくまで着陸可能な甲板を備えているだけで運用するためのヘリコプターが少ない状況にあった。
韓国の独島級揚陸艦は色々あってナカナカ興味深い艦艇だが、16機ほどのヘリコプターが運用出来るとされている。
ところが、就役当時は1機の専用ヘリコプターも割り当てられず、長くヘリコプターの運用は行われなかったようだ。設計的にはヘリコプター空母に近いシロモノだったのにも関わらずだ。この辺りもガッカリ輸送艦と呼ばれる所以なのだが、まあそれは良いだろう。とにかく、海上の作戦に使える回転翼機が少なかったんだよね。
が、そのうち、スリオンを改良したマリンオンを導入する話が持ち上がった。
こんな事故もあって導入が危ぶまれた面もあったが、一昨年には、戦力化したという報道はあった。
韓国製の上陸起動ヘリ「マリンオン」の戦力化が完了
Write: 2023-06-29 10:45:09
韓国で開発された上陸機動ヘリコプター「マリンオン」の戦力化が完了しました。
防衛事業庁は29日、海兵隊の上陸作戦を支援する上で核心戦力となる上陸機動ヘリコプター「マリンオン」の戦力化が完了したと明らかにしました。
KBS WORLDより
この記事によると28機が導入されたハズなんだけど。

どうなったんだろうか?特に報道がないということは、トラブルなく動いていると考えても良いのかも知れない。
MH-60R「シーホーク」を導入
これまで散々俎上に上がっていたが、MH-60R「シーホーク」が韓国海軍に採用されることはなかった。価格が高いことがネックであるとされてきたわけだが、今回はそれを選んだということらしい。
この事業は、海軍艦艇の遠距離探知・攻撃能力を強化するため、対潜水艦戦(ASW)および対水上艦戦(ASUW)の能力を備えたヘリコプターを国際調達するもの。シーホーク12機は来月以降、順次納入され、年内にも全機が引き渡される。引き渡し後は約1年の戦力化プロセスを経て実戦配備される。
AFP「北朝鮮のSLBM搭載潜水艦を捉える」海上作戦ヘリ「シーホーク」より
12機を購入することを決定して、来月から導入?!あれ、そんなニュースあったっけ?見落としていたな。
それはさておき、アメリカの同盟国であり、かつ対潜哨戒能力を得る事を考えればMH-60R「シーホーク」の導入は正解と言えよう。何でもかんでも国産化というのは、今の時代にはちょっと合わない。
もちろん、国内でメンテナンスが出来るように部品調達を含めて国産化出来るに越したことはないのだが、何事にも限界はあるのだ。
MUH-1「マリンオン」を熟成させるには時間がかかるし、能力的にはシーホークの方が優れているのだから、ある程度は妥協して即戦力を採用すべきなのである。
え?ワイルドキャット?知らない子ですね。
シーホークは、韓国海軍が現在運用している「ワイルドキャット」や「リンクス」よりも性能が優れると評価されている。もともとは米陸軍の多目的ヘリ「UH-60 ブラックホーク」を海軍仕様に改造したモデルで、全長19.7m、高さ5.1m、最大速度時速270km、航続距離834kmの性能を持つ。
AFP「北朝鮮のSLBM搭載潜水艦を捉える」海上作戦ヘリ「シーホーク」より
まあ、ワイルドキャットも悪い期待ではないのだけれど、想定している作戦に投入するためには少々能力が足りていない。数を増やせば良いんだけどね。
韓国経済がかなり怪しい状況で、少々コストの高い回転翼機を手に入れることにしたのだけれども、背に腹は替えられないというところもあるので仕方がないかな。北朝鮮は原子力潜水艦を作るなんて話もチラホラ出ていて、監視はしっかり出来る体制にしたいのだよね。
コメント
MH-60は吊下式ソナーとソノブイを併用できるタイプ
対潜哨戒型は主契約者がシコルスキーではなくIBM
対潜哨戒型のSH-60B「シーホーク」から派生したMH-60R「シーホーク」という認識で書いていましたから、UH-60Aを作ったシコルスキーが作っていたと思っていましたが、SH-60B系列はIBMなんですね。
SH-60Jはシコルスキー・エアクラフト社からのライセンス生産って説明がなされているのでややこしい。
機体よりもコンピューターシステムが高価
ああ、対潜哨戒はシステムありきだから、そこにこそ価値というか神髄があると。
センサーとデータを処理するコンピューターが重要になるからこそのIBMだってことですか。
このヘリ、劇画「沈黙の艦隊」で、ベネット大統領が原潜やまと狩りに使っていたなぁ。古いネタすけど。
それはともかく、こいつら北朝鮮でなく、
日本の潜水艦隊とかを攻撃する為に欲しがってるのでないすか?
同盟国ともう思ってないんで怪しむ!
沈黙の艦隊は途中までしか読んでいないので、続きを読まないと(汗
ともあれ、韓国は日本を仮想敵国としていますので、十分に対象として考えている可能性はありますね。
MUH-1マリンオンの事情は一向に不明なれど、南鮮(KAI)はなにやらまた別のものをつくっていたらしく、今月半ばに新型をお披露目した模様。マリンオンの武装バージョンらしいですが。
南鮮の海兵隊攻撃ヘリが初飛行を行う(Jane 1/16)
https://tinyurl.com/dmpzh8yh
南鮮のやることは常に斜め上なので理解が及ばんのですが、あの国は物事が上手く行かないと、それを放りっぱなしにして、なにか別のことを始める癖がありますよね。
発展的解消のようなオチをつくって、失敗を誤魔化すみたいな。
それにしても、新型は対日侵攻用ですかね。
おお!アレ、完成したんですか。
スリオンの武装バージョンは作るとは聞いていましたが、初飛行したとは。
スリオンも色々トラブルを抱えていたのですが、解消したんでしょうかねぇ。
新型はやっぱり日本相手を想定していると思いますよ、山童さんも指摘されましたが。
昨年末に、南鮮とイラクが、スリオンの売買契約を交したようです。契約額が93百万ドルだそうなので、数十機規模なのでしょう。
スリオンの問題点を隠したままイラクに売ったのか、問題点を解消したのか、イラクが実地で証明してくれそうですね。
https://tinyurl.com/472fz8b7
ありましたねぇ。
あれ、ガセだとたかをくくっていたのですが、訂正がないところを見ると本気っぽいですね。
こんにちは。
さて、韓国ちゃんのことですから、
・重要な対潜哨戒/攻撃兵装のいくつかをケチって詰んでない
・あるいは国産品(という名のどっかのパチ)で置き換え
・そもそもエンジンその他の共食い整備が大前提(スペアエンジン買ってない、はデフォ)
あたりは普通に起きるでしょう。
挙げ句、
「チョッパリ!話があるニダ!」からの「整備運用ノウハウと整備拠点と資材をよこすニダ!」まであるかも知れません。
……とはいえ、SH-60J系列は、特に-K以降はもはや魔改造の別物なんだよなぁ……
こんにちは。
随分と「お笑い韓国軍」に毒されていませんか?
そんな、過去の失敗なんて繰り返すはずがないじゃありませんか(棒)
>毒されていませんか?
やだなあ(笑)
これぞK国の日常、平壌、じゃなかった平常運転じゃないですか。