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ドイツAfD議員が支那から収賄と報じられる

北欧ニュース
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「ドイツのための選択肢(AfD)」の選択肢が支那だったというのは笑えないなぁ。

ドイツ極右議員、中国側から収賄か 検察が事務所捜索

2025年09月12日05時26分

ドイツ検察は11日、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のクラー連邦議会議員の事務所など関係先を一斉に捜索した。独メディアが報じた。シュピーゲル誌によると、中国側から不正に資金を受け取っており、収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いが浮上している。

時事通信より

AfDは、ロシアとの関連も指摘されていたけれど、支那とも関係が深かったということか。

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間違えるドイツ

AfDの性格と政治スタンス

詳しいことは分からないのだが、支那のスパイを事務所で雇っていて、議員自身も関与していた可能性があるということになるようだ。

検察は昨年4月、当時欧州議会議員だったクラー氏の事務所スタッフの男を中国のスパイ容疑で逮捕した。報道によると、その後の捜査で、2019~22年ごろ、この男の関係先から、計5万ユーロ(約860万円)以上が、クラー氏の弁護士事務所に支払われ、請求書が偽造されていた疑いがあるという。

時事通信「ドイツ極右議員、中国側から収賄か」より

そもそも、ドイツのAfDという政党は、反EU、反移民政策、反米、親ロシアという立場をとることが多い。大まかにAfDの方向性についてまとめてみた。

  • 反移民・反イスラムを前面に出す極右政党
  • 反米・反EUの傾向があり、国家主権・独立性を重視
  • 親露的な安全保障観を持つ
  • 経済政策は矛盾:ナショナリズム優先で自国産業保護を掲げつつ、短期的には支那との経済関係も容認
  • 第2党に躍進したが、長期的ビジョンや国政での実行力は限定的

こんなところだろう。

支那との関係と収賄疑惑

冒頭のニュースはこうした政治スタンスに付け込まれた感じだと思われる。そもそも親露的な立場を示す議員の多いAfDは、共産圏と親和性が高い。

「反米・反EU・親露・経済接近」という思想的傾向が支那にとっては工作しやすい環境になってしまったというのはなかなか皮肉な話である。

問題を起こしたのは、連邦議会議員だったマクシミリアン・クラー氏で、事件発覚は去年のことだ。

  • 2024年4月:スタッフ逮捕
  • 2025年9月:クラー議員の事務所捜索・収賄疑惑

こんな流れとなっていて、その去年の記事がこちら。

極右の欧州議会議員を収賄疑いで予備捜査 独検察

2024年4月25日 11:07

ドイツ連邦検察庁は24日、ロシアと中国から資金を受け取っていた疑いで、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に所属する欧州議会(European Parliament)議員に対する予備的な捜査に着手したことを明らかにした。

この議員はマクシミリアン・クラー(Maximilian Krah)議員で、欧州議会選挙の有力候補。同議員のスタッフも22日、中国の情報機関のためにスパイ活動をしていた疑いで逮捕されたばかり。

AFPより

クラー氏のスタッフであった、ジアン・グオ容疑者は、支那の諜報機関のためにスパイ行為を働いていたとして逮捕されている。

冒頭のニュースはその続報で、資金的な繋がりも確認できて、クラー氏の事務所にもその資金の一部が流れていたことや、マネーロンダリング疑惑があることが確認されたとのことだ。

クラー氏の弁護士事務所には支那側から5万ユーロ(約860万円)以上が支払われ、請求書が偽造されていた疑いがある。

AfDはナショナリズム的な政策を掲げていただけに、政策との整合性も疑われる事態となってしまっている。

そういえば、最近も大量の武器を抱え込んでいた議員がいたっけ。

大丈夫なのか?

ドイツ産業のジレンマ

そもそも、ドイツ産業界も比較的支那との商売に積極的である。

理由は幾つかあるが、一番の理由は支那市場で相当大きな商売が出来た時期があって、自動車を中心にかなりの稼ぎが得られたという成功体験があったことが大きいだろう。

しかし、EVシフトが進んだ結果、ドイツ産業の強みである精密加工や粉末冶金、鋳造、ギアなどの高度な技術を用いなくとも自動車が作れるようになってしまった。

そして、EVのコア技術である二次電池やモーター、入力デバイスとして利用されるディスプレイなどは支那が先行していたため、今やドイツでEVを作ろうとすると支那からの部品調達は必須なのだ。

そんな話を扱ったのがこちらの記事。

安易に扱ったエネルギー戦略の転換によって、未だに脱原発・再エネ偏重路線のドイツは、産業界にも悪影響を及ぼしている。それが産業基盤の崩壊にも拍車をかけつつあるのだが、短期的な利益を支那との付き合いであげようとして、自動車産業でのアドバンテージも失いつつある。

AfDの政策と現実のギャップと参政党との既視感

というわけで、AfDの不祥事はドイツ産業界の抱えたジレンマを反映したものでもある。

自国産業保護を訴える割に、短期的利益の確保に走って外部依存(ロシアからの天然ガス輸入や支那からの部品輸入)に頼ることを容認。そして、共産圏からの影響を受けやすい構造的な問題を抱えている。

更には、AfDの支持層への訴求力という意味でも陰りが出始めている。

つまり、短期的利益を追求するポピュリズム政策は、ナショナリズム政策と矛盾が目立ってきているのだ。

そして、日本でも似たような感じの政党がいる。それが参政党である。

参政党とAfDとの共通項はこんな感じに纏められると思う。

  • 既存政党への不満を背景に、短期的に支持を集める
  • 政策は矛盾を抱えつつ、長期戦略は不明瞭
  • 外部勢力や情報に影響されやすい構造

意外に共通項が多いね。そして、日本の産業界もまたドイツと同じ悩みを抱えていることを考えると、ドイツのことを笑う気にはなれない。

まとめ

AfD議員の支那からの収賄疑惑は、単なる不祥事ではない。

  • 政策矛盾
  • 産業・エネルギーの長期戦略の欠如
  • 外部勢力への脆弱性

といったドイツ社会の課題を象徴しているのだ。日本にとっても、対岸の火事ではない事例と言えるだろう。

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