これが良い結果になれば良いんだけど、中身を見ると割と禄でもない。
李大統領「3大メガプロジェクト」で勝負に…「韓国の20~30年の責任担う」
登録:2026-06-30 08:16 修正:2026-06-30 08:43
李在明大統領は29日、「国家均衡発展は大韓民国の生存戦略の要」だとして、「我々が築き上げることになる3大メガプロジェクト(半導体、人工知能データセンター、フィジカルAI)の成果は今後、大韓民国の20年、30年の責任を担うことになる」と語った。大統領府はこれらの事業を李在明政権の「シグネチャー事業」と規定し、国の力を総動員するとの立場を示している。
ハンギョレより
メガプロジェクトに巨額資金を投入するという発表なのだが、800兆ウォンを投資するのは政府ではなく、サムスン電子とSKグループである。
……あれ?政府は何をするんだろう。
投資の中身と現実
巨額の投資
韓国経済は、今や半導体への依存度が極めて高い。それ故に、大掛かりな投資について政府が動き出すこと自体は、さほど違和感はない。
ただ、前日は、造船業に投資する話をお伝えしたばかり。ところが、その翌日には今度は半導体への超大型投資を打ち出した。「結局どちらを優先するの?」という疑問は当然湧く。

造船業に1,500億ドル規模の対米投資をするという内容だったが、今回は約5,165億ドル規模の投資を行うとのこと。あれ?尹錫悦氏(ユンユン)がぶち上げた半導体メガクラスター造成計画は、622兆ウォン規模だったハズだけど、それとは別なのだろうか。
韓国、世界最大「K-半導体クラスター」構築へ…622兆ウォン投入して雇用346件創出(1)
2024.01.15 14:36
サムスン電子・SKハイニックスなど民間企業が622兆ウォン(約68兆円)を投入して京畿道南部一帯に構築する世界最大「半導体メガクラスター」に対して韓国政府も支援を強化する。グローバル半導体主導権確保競争が「クラスター間対抗戦」に展開する現実で、韓国が超格差技術競争の優位を占めるための戦略だ。
中央日報より
今回は、今回は全羅道への投資であり、京畿道南部の龍仁メガクラスターとは別計画らしい。韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)も博打が好きだね。
なお、過去のこのユンユンがぶち上げた計画だが、このブログでも触れている。

この時にも、「電気も水も不安なんだけど」と突っ込みを入れたが、その問題は今なお解消していないようだ。
湖南地域は水が豊富
ただ、水に関して言えばユンユンの計画よりもちょっとマシらしい。
そして「湖南(全羅道)地域は長期にわたり開発から疎外されてきたため、逆に機会の要因となった面がある。用水も豊富で、特に新再生可能エネルギーが豊富な場所がまさに西南海岸一帯」だとして、湖南圏への「第2の半導体生産拠点」建設を強調した。サムスン電子とSKグループはこの日、湖南圏に800兆ウォンを投資して4つのメモリファブを構築することを表明した。
ハンギョレ「李大統領「3大メガプロジェクト」で勝負に~」より
ミョンミョンのこの英断が、「後の韓国を救った英断であった」という話になればメデタシ、メデタシなんだけどね。
実際にはそんな簡単な話ではないようだ。
サムスン・SK半導体の韓国湖南地方への数百兆ウォン投資、水・電力インフラが最大の難関に
2026-06-26 19:38
サムスン電子とSKハイニックスが参加する韓国湖南地方の半導体クラスター造成計画が29日に発表される見通しだが、水と電力インフラの不足が深刻な障害として指摘されている。栄山江・蟾津江の水資源は漢江の半分に過ぎず、既存ダムの用水契約率はすでに100%に達しており、年間数億トンの追加工業用水の確保が難題となっている。電力面では全羅南道の自給率が215%と高いものの、発電量の半分近くが天候による変動が大きい再生可能エネルギーに依存しており、24時間稼働が必須の半導体工場向けの安定したベースロード電源の確保が急務だ。SKグループとHanwha QcellsはESSと太陽光発電を連携させたバリューチェーン構築で突破口を模索しており、政府による大規模なインフラ支援は不可避な状況だ。
Financeより
この情報を見る限り、なかなか前途多難のようだよ。
少なくとも電力の安定供給には課題があって、再生可能エネルギー発電による電力は余剰があるようだけれど、それは安定的な発電とは言い難い。
一方、工業用水の確保は、既に整備が進む龍仁クラスターよりも深刻らしい。龍仁クラスターの方は、漢江からの取水が可能らしいのだけれど、湖南地方の場合は栄山江・蟾津江からの取水をしなければならないところ、既に蟾津江ダムと住岩ダムの用水契約率は100%。追加供給は出来ませんという状況である。
つまり、新たな水源を確保しなければ計画そのものが成立しない可能性がある。
投資計画の絡繰り
なお、この巨額の投資計画だが、上述したようにサムスン電子とSKグループが負担することになっている。
ところが、サムスン電子とSKグループは、もともと年間50~60兆ウォン規模の設備投資を続けている。800兆ウォンの金額は巨額に見えるものの、20年でこの金額なので年間40兆ウォン程度という数字になる。つまり、企業が最低限投資する金額を合算すると、そういう金額になるよという程度の話なのである。
李大統領は「大統領府内に事業の直轄担当官を置くとともに、私が自ら目配りし、迅速に執行する」と述べ、自らカギを握ってプロジェクトを進めていくことを表明した。カン室長も「李大統領がプロジェクトの推進状況を自ら、そして随時目配りするのを見られるだろう」として、「今年8月に半導体特別法が施行されれば、大統領が委員長を務める『半導体産業競争力強化特別委員会』が発足する予定」だと語った。
ハンギョレ「李大統領「3大メガプロジェクト」で勝負に~」より
政府としても直轄担当官を置いてバックアップするよとは言っているが、流石にそれだけでは足りない。
ハンギョレの記事でも最後にこんな一文が付けられている。
成均館大学化学工学部のクォン・ソクチュン教授は「企業が求めているのは政府の口だけの約束ではなく、政権が変わってもこの政策を今後も持続可能にする特別法、あるいは特区指定のような半永久的に制度化された支援策」だとして、「電気や産業用水、人材育成、定住環境の形成、住宅地の造成など、様々なインフラが同時多発的に整備されなければならないが、そのためには省庁をまたいで絡み合っている混乱した制度も解決されなければならないだろう」と助言した。
ハンギョレ「李大統領「3大メガプロジェクト」で勝負に~」より
「それって、口だけじゃなく、実際にやるんだろうね?」と。
半導体産業への投資自体は間違いではない。しかし、水・電力・人材・交通インフラまで含めて整備しなければ、工場だけ建てても競争力は維持できない。それを政府で責任を持てるのか?という疑問である。
まとめ
と、半導体への投資に関するニュースに軽く触れたのだが、これはアレだ。株価に対する口先介入的な動きと見て良いだろう。
「やるとはいったが、今とは限らない」と。
実際に、準備には時間がかかるし、ユンユンはもはや責任がとれずミョンミョンもその頃には大統領ではないのだ。「言ったもの勝ち」なんだろうね。
ただ、博打要素は高めなので、「本当にソレだけでいいの?」とは疑問に思うけれど。



コメント
この国の場合、実際に達成する事よりも、
派手に花火とアドバルーンをあげる事の方が優先させる想うすね。
それは選挙や再選を控える政治家なら仕方ないのてけれど、
あまりに地に足が付かなすぎて信頼を失うよう見えるんですよ。この国の政府は。
AI特需も今年は大丈夫かもですけど、来年以降にはメモリーの下落傾向の予測が立ってきている状況で大博打を打つのは危険な気がしますけどねぇ
AI データーセンター向けにHBMに特化してるなら目がありますけど…