韓国のネット通販大手「クーパン」が炎上中である。
30時間以上続くクーパン物流センター火災
2026/07/20 08:35
仁川市西海区石南洞にあるネット通販大手「Coupang(クーパン)」の「クーパン32物流センター」で発生した火災は、30時間以上も燃え続け、19日になっても煙が上がっている。前日の午前6時54分ごろに発生した火災は30時間以上続いており、消防当局は午後11時ごろに初期消火が可能になると予想している。
朝鮮日報より
随分、燃えているようだが、韓国のクーパンは過去にも燃えているんだよね。そして、アメリカとの間でも類焼中(議論の的になっているの意味)なんだ。同列に扱うべき話でもないけど、より問題が加熱しそうだなというのが、今回の記事の中核にある話だ。
「燃える」理由は貿易摩擦
そして火災へ
まず冒頭に紹介した韓国で大規模な火災が発生していて、それが韓国最大級のネット通販企業で、米国市場にも上場しているクーパンなのだ。
2021年06月17日に京畿道の物流センターで火災が発生していたが、今回は仁川市の物流センターで火災が発生して、もう30時間も燃えているらしい。
周辺住民を避難させるなど、大きな問題になってるので、頑張って消火して欲しいと思う。

炎上が続いている理由として考えられるのは、クーパンの物流センターには、ビニールや段ボールなどの可燃性物質がそこかしこに置かれているためだと考えられる。火災が発生すると鎮火に時間がかかるのも、こういった可燃物の豊富さが要因だろう。
あとねぇ、最近では自動倉庫に無人搬送車(AGV)なんかも大量に配備されているのだけれど、おそらくこれが結構質の悪いリチウムイオン二次電池を搭載していたりする。強火で炙られれば、目も当てられないことになりそうではある。
今後、これだけ鎮火に手間取った原因追求や、スプリンクラーの設置だとか、防火区画がどうなっていたかとか、色々と指摘はあるのだと思う。韓国ではそういうケースが珍しくないからね。
クーパン問題
ところで、冒頭にも触れたが火災以外にも「炎上している」問題がクーパンにはある。関連記事は過去にも書いているのでリンクを貼っておく。

この記事では、トランプ政権が米国企業「クーパン」が、韓国で「差別的取り扱い」がなされているというもの。またトランプ氏の仕業なのか、という懸念はあったが、実際に韓国における扱いは平等とは言い難い。
米政権関係者「韓国政府のクーパンへの差別的対応に懸念」
Write: 2026-07-03 11:04:27/Update: 2026-07-03 11:12:08
アメリカのトランプ政権の関係者は、大規模な個人情報流出問題をめぐり韓国政府の調査を受けている電子商取引大手「クーパン」について、韓国政府がアメリカのIT企業を差別的に扱っているとの懸念を示しました。
KBS Worldより
過去の記事でもこの問題は取り上げていて、アメリカによれば、以下のような感じの批判をしている。
- 規制による「米企業差別」
- 韓国政府(「共に民主党」政権)が進めるプラットフォーム規制や情報通信網法が、事実上クーパン(米国企業)を狙い撃ちし、市場から排除しようとしていると米国側が主張
- 司法圧力への反発
- 2025年末の個人情報流出をきっかけに、韓国当局が米国籍の幹部を捜査・出頭要請したことに対し、米下院司法委員会などは「米国の革新的企業に対する不当なキャンペーンだ」と猛反発
この話は、アメリカ側の主張も怪しい部分はあるが、韓国側の反論もちょっと怪しい部分があるようだ。
それを少し詳しく見ていこう。
データ流出事件
クーパンに関連しては、過去にこんな記事を取り扱った。

この時、3,300万件の閲覧回数があったとし、大騒ぎになったのだが。これがどうにもメーカーの主張では、3,000件だったとのこと。
クーパン顧客情報、1.5億回閲覧 これでも「3000件だけ流出」なのか
Posted February. 11, 2026 09:02
クーパンの大規模情報流出事故をめぐり、顧客の氏名や電話番号、住所が表示される「配送先一覧ページ」が1億5000万回も閲覧されていたことが、官民合同調査の結果、10日に明らかになった。当初知られていたより情報流出の規模がはるかに大きかったことになる。このページには、贈答などでやり取りする家族や友人の個人情報が含まれることも多く、被害はさらに拡大しかねない。
東亜日報より
冷静に読むと、メーカー側の主張もやや苦しいが、捜査機関側の主張もかなり誇張した内容であるように思える。
「閲覧(アクセス)」をすべて「流出」とみなす強引さ
最大の論点は、サーバー内でのデータ閲覧=外部への流出(漏洩)と言えるのかという点である。
- 実態:元社員は盗んだ鍵(認証キー)を使って、クーパンの社内サーバー上で約3300万件のデータにアクセス(ページ照会)した。
- 政府の論理:企業の統制権(管理下)からデータが外れた状態(いつでも見られる状態)になったのだから、それはすべて「流出」である。
- 批判の理由:しかし、実際にそのデータが「元社員の端末にダウンロードされ、さらに外部(闇サイトや第三者)に転送されたか」という物理的な証拠(ログ)は、3000件分しか確認されていない。「見られる状態にあった=全員分が外に盗み出された」と同一視して、3300万人分の被害としてペナルティを計算するのは、法律の適用として飛躍しすぎているという指摘がある。
「実質的な被害」の有無を無視
もし本当に3300万人のクレジットカード情報や住所が完全に外部(中国など)に渡っていた場合、今頃韓国では数百万件規模の不正決済や詐欺被害といった「二次被害」が爆発しているはずだが、現在にいたるまで、この事件に起因する大規模な二次被害の報告は確認されていない。
クーパン側が回収したハードディスクのデジタルフォレンシック(電子鑑識)でも、第三者への転送履歴は見つかっていない。
何が正しいのか、正直よく分からない。
アクティブユーザーの不思議
なお、そもそも3300万人分のデータが漏洩しているというのだけれど、これがまたちょっとおかしな計算だという指摘がある。
ご存知、韓国の人口は5,100万人であり、そのうちスマホなどを持たない層を除外すると、クーパンのアクティブユーザーは通常2,000万人ほどのようだ。ところが、流出数は3,367万件とどう計算しても合わないらしい。
更に、課徴金にも問題があるようだ。
「個人情報流出」カカオ、151億課徴金不服申立てたが…裁判所「課徴金賦課政党」
2026.01.15 18:02
オープンチャットルームの個人情報流出で課徴金151億ウォンを課されたカカオが課徴金を取り消してほしいと訴訟を起こしたが15日1審で敗訴した。
朝鮮日報より
過去に、カカオトークの個人情報流出があって、6万5,000人分の会員IDや電話番号などが流出。これが裏で売買されて社会問題となる事案があった。
このときカカオトークは151億ウォンの制裁金が課されたわけだが、今回は3,000人分で6246億ウォンの制裁金が課されることに。
一方のクーパンは、3,300万万人分の数字が怪しい上に、外部への転送・売買実態は確認されていなにも関わらず、単純に「違反行為と密接に関連する売上高の3%」が課されたという点が問題視されているわけだ。
国家情報院の関与
更によく分からない話がある。
米下院「国家情報院、クーパンと230回通話」…クーパン情報漏洩事件の「転換点」
2026年7月2日 午後1時50分
米連邦下院司法委員会が、クーパンなどの米国企業を差別的に扱ったとする議会報告書を公表したことを受け、クーパンと国家情報院との接触が再び争点として浮上した。
これに先立ち、中国で元従業員に接触し、流出した機器を回収する一連の過程に国家情報院が介入したとの疑惑に関連し、国家情報院側は昨年末、「クーパンに対していかなる指示や命令も出した事実はない」との立場を示していた。
しかし、この日、下院側が「クーパンと国家情報院は230回通話しており、個人情報の回収過程において最初から最後まで指示を受けていた」と主張したことで、両者の真偽を巡る攻防が激化する見通しだ。
NEWS1より
国家情報院が、支那の元従業員に接触した上で、色々と行動をさせるように指示を出していたというのである。
暴露された「指示」の具体的な中身
2026年7月に米国下院が公開した報告書や、クーパンの暫定CEO(ハロルド・ロジャース氏)の証言により、国情院とクーパンの間で「230回以上の通話や面会」があり、以下のような非常に具体的な指示が下されていたと主張されている。
- 接触の文面・トーンの指定:支那に逃亡(または在住)していた元従業員に対し、警戒させずに証拠を回収するため、送るメールの「具体的な文面」や「(厳しく行くか、懐柔するかといった)口調・お調子」まで国情院が指定
- 川からのデバイス回収:元従業員が「MacBookを上海の川に捨てた」と供述した際、国情院は「潜水士(ダイバー)を雇ってでも引き上げろ」とクーパンに指示
- 隠密性の強要:国情院はクーパンに対し、この証拠回収作戦について「警察や他の政府機関(個人情報保護委員会など)には絶対に話すな」と口封じをしていた。さらに、回収した機器を受け渡す際は「CCTV(監視カメラ)のない場所を指定された」とも。
これがかなりリスキーな話で、国情院が元従業員に支那でデータ回収をさせたという話なのだ。当然ながら支那ではスパイ行為に認定されるような危険行為であり、元従業員はそんなことをする義務はなかった。
クーパンからの情報漏洩は問題だが、だからといって支那で犯罪行為に当たるようなことをやってこいというのは違う。
司法取引に準じるようなことをさせた上で、容赦ない懲罰的な制裁金を課されたということを、アメリカ側が問題視しているのである。ここが、米韓のクーパン問題をややこしくしている要因になっているのだ。
差別的な取り扱い
色々言及したが、これらの点について、アメリカ側が怒っているのである。つまり、
- データ流出の総数に関して双方の主張が食い違っている
- 捜査手法のやり方が適切でないとの批判
- 司法取引的な扱いがあってもいいではないかというアメリカ側の主張
実際、アメリカ資本の企業であるクーパンが韓国で独占的な地位にいるのを、韓国政府が苦々しく思っているようで、政治的圧力がかかって、クーパン側に不利な取り扱いがなされている疑いは強い。
とはいえ、韓国で起きている出来事なので、正確なことは外国からは見えにくいという話。これがアメリカ側の不満ということなのだ。
その上で、火災に伴う保険金の話が出てくると、さらなる火種を抱えそうだねということだ。何故なら、韓国の金融業界は経済が左前になりつつあって、色々と厳しい。
4000億規模保険加入したクーパン物流センター、受け取られる保険金は?
2021.06.21 14:40
大型火災で莫大な人的・物的被害を受けた京畿道利川クパン徳平物流センターが4000億ウォン規模の財産総合保険に加入したことが確認された。これによりクーパンは保険加入金額のうち自己負担金に該当する10%を除いた3600億ウォンほどの保険金を受け取る見通しだ。
hankyungより
過去にも、4000億ウォンほどの支払いがなされたようだが、今回も恐らくは同額かそれ以上の支払いが行われる可能性が高い。
前回の火災でも、業績悪化していたクーパンが火災を起こして、保険金で業績のV字回復なんてことが指摘された。一方で、保険会社は上限一杯の支払いをした結果、韓国の損害保険・金融業界の経営基盤を直撃し、業界全体に影響を及ぼすことに。韓国では損害保険会社同士のリスク分散や再保険を通じて負担を分け合う仕組みなので、大規模な火災が発生すると影響が全体に波及しやすいのだ。
そこへ来て再び火災を起こしてしまった。そうすると、損害保険各社の「損害率」が許容限界を超える可能性すら出てくる。
まとめ
クーパンが抱えている問題の本質は米韓の貿易摩擦そのもので、韓国の大手クーパンが狙い撃ちにされた点に関して、米韓で主張の差がでているとのことである。そのうえで、火災にあって弱り目に祟り目だという状況だ。
おそらく、火災に関しては前回もそうだったが、今回も保険をかけているので、韓国の保険会社が倒産しかねないほどの保険金が支払われるだろう。
米韓摩擦の真っ只中にある企業の火災による損傷ということで、更にこの摩擦を悪化させかねない火種を作ったことになる。



コメント
「炎上中である」で始まり、ホントに燃えてるのに笑いました。
んで、損保会社に打撃を与えるための放火ってのはありえぬですかね?
まぁ、そうなると経済テロって事になりますけれど。
こんにちは。
Money1さんの所にまとめがあったので併せて読み込みましたが、まあ、アメリカが怒るのは当然ですね。
https://money1.jp/archives/170615
国家情報院は嘘まみれ。
挙げ句の果てに物理炎上とは……こちらも斜め上でコーヒー吹きました。
こんな所から、極東アジアの火種も炎上させられてはたまらないものです。