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ベトナムと高速揚陸艇の共同開発開始を議論

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アジア
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先日のニュースで、ちょっと興味深いものを見つけたので、紹介しておきたい。

「高速揚陸艇」共同開発へ議論開始 小泉防衛相がベトナム副首相と会談時、災害時輸送など

2026/7/17 12:25

小泉進次郎防衛相は17日の記者会見で、ベトナムのファン・バン・ザン副首相兼国防相と13日に会談した際、高速揚陸艇の共同開発、生産の実現に向けた議論を開始することで一致したと明らかにした。ザン氏は12~15日に来日し、小泉氏と会談や昼食会を行った。

産経新聞より

え?ベトナム?

日本が兵器の共同開発を行う上で、どうしてベトナムを選んだのか?最初は理解が追いつかなかったが、どうやら地政学的意味と、対支那という意味では味方につけて損のない相手という意味だろうと当たりをつけた。

シーレーンを防衛せよ

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海上安全保障

この想像が正しいかどうかは不明だが、日本はこれまで東アジア諸国とオセアニアとの連携を高めようと努力してきた。

日本はオーストラリアとの軍事協力体制を深める
ブログで触れなかったニュースだが、先日こんな話があった。中国艦隊のタスマン海での実弾演習、「謝罪する理由ない」=駐豪大使2025年2月28日午後 2:35中国海軍の艦隊がオーストラリアとニュージーランドの間のタスマン海で先週実施した実弾演習…
フィリピンなどへの武器輸出と日本の安全保障
ここのところ、支那や韓国の話題が多かったので、日本のニュースに触れておきたいと思って、軽く紹介する。フィリピン国防相、日本の護衛艦「5隻ほど取得」2026年5月31日 18:24フィリピンのテオドロ国防相は31日、訪問先のシンガポールで日本…
日本とインドネシアは防衛産業の連携強化を目指す
インドネシアねぇ……。日本とインドネシアは防衛産業の連携強化を目指しフリゲート艦交渉を継続2025年4月21日インドネシア海軍向け最新鋭フリゲート艦の共同開発・生産の可能性に関する東京とジャカルタの協議が、両国が防衛産業の連携強化を目指す中…

オーストラリア、フィリピン、インドンシアという風に押さえてきて、次はベトナムである。実は、ベトナムとはこんな協力もしている。

P3C機の使用想定、合同図上訓練 自衛隊とベトナム軍

2016年2月18日 12時33分

ベトナム中部にある南シナ海の防衛拠点ダナンを16~18日、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が訪れた。P3Cは哨戒能力に優れ、ベトナム海軍が将来的な導入に期待を寄せる。海自はベトナム軍に機内を見学させ、P3C機の使用を想定した初の合同図上捜索訓練も実施した。緊迫する南シナ海情勢を念頭にした、両国の防衛協力強化だ。

朝日新聞より

そう、実はP3C哨戒機を退役させつつある日本は、ベトナムに供与することを検討していた。結局それは実現しなかったが、何故、P3C哨戒機を検討したかが問題なのである。

結局、哨戒艇6隻をという話になった。

哨戒艇6隻の調達資金としてベトナムが366億2,600万円(3億4,800万米ドル相当)を日本から借り入れ

2020年8月19日

南シナ海で緊張が高まる中、哨戒艇6隻を調達するための資金として、日本の独立行政法人「国際協力機構(JICA)」がベトナム政府との間で366億2,600万円を限度とする円借款貸付契約に調印した。

FORUMより

この他にも、沿岸監視レーダーシステムを導入するなど、海上の警備を重点的に行うようにベトナムは画策している。理由は地図を見れば一目瞭然だ。

ベトナム・ハノイの目の前には、支那の海南島があるのだ。

海南島は支那の要衝

支那にとって、海南島はかなり重要な拠点である。

防衛駐在官の見た中国 (その4)-海南島の中国海軍-

2011/10/13

このコラムは、筆者が在中国日本国大使館防衛駐在官1として在勤中に得た雑感をご紹介するものです。読者の皆様が、我が国の防衛・安全保障を考える上で、幾ばくかの参考となれば幸いです。

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一方、海南島は中国海軍南海艦隊の拠点としても有名である。特に三亜には2つの大きな軍港がある。一つは三亜市中心市街地の東部に位置する楡林の基地であり、もう一つはさらに東部に位置する亜龍湾の基地である。

この2ヶ所の海軍基地は非開放基地ではあるが、全くの神秘のベールに包まれているわけではない。いわゆる「楡林基地」は、三亜海岸の市街地東部にある開業したばかりの「鳳凰峯公園(Phoenix Hill)」山頂展望台の眼下に広がっている。展望台からは港内の整備された岸壁に係留されている駆逐艦、フリゲイトなどの真新しい水上作戦艦艇や通常型潜水艦を間近に望むことができる。

海上自衛隊幹部学校のサイトより

やや情報の鮮度に問題はあるが、今もこの状況は変化していない。そう、潜水艦の基地があるのだ。

中国潜水艦が地下基地を使用する場面か、衛星写真が波紋

2020.08.22 Sat posted at 11:45 JST

香港(CNN) インターネット上で今週、中国の潜水艦が南シナ海の海南島で地下基地を使用する場面とみられる衛星写真が拡散し、軍事ウォッチャーの間で波紋を広げている。

この衛星写真は、米衛星画像企業プラネット・ラブズが「ラジオ自由アジア」のSNSアカウントに最初に投稿した。画像には093型攻撃型原子力潜水艦とみられる艦船が、楡林海軍基地の地下施設につながるトンネルに入る様子が写っている。

CNNより

そして、最近は攻撃型原潜も出入りしているっぽい。

つまり、支那において海南島は潜水艦運用においてかなり重要な拠点であり、かつ、監視されるのも困る。P3C哨戒機の導入が検討されたのは、高い対潜哨戒能力を備えているからなのだが、断念された理由も何となく理解できる。ベトナム軍ではおそらくメンテナンス面での問題を抱える上、運用に問題があるのだろう。

日本の対戦哨戒能力の高さは、P3C哨戒機やP1哨戒機の性能の高さもあるが、どちらかというと蓄積された運用ノウハウ・データと職人技といえるほどの運用技術者の技量に寄るところが大きい。そこまでの練度に仕上げるには、かなり投資と時間を要する。

そこで、直接的に作戦の行える高速揚陸艇の共同開発ということにしたのだろう。

現実的には、ベトナムとの防衛協力は、P3Cの供与構想や哨戒艇、沿岸監視レーダーの整備など、海上安全保障を軸に段階的に進められてきた。今回の高速揚陸艇共同開発も、その延長線上にあると考えれば、不自然ではない。つまり、複数ある選択肢のうちの1つだという位置づけのほうがより正確だとは思うが。

高速揚陸艇の開発

海上自衛隊が保有する高速揚陸艇といえば、超高速揚陸艇「LCAC(エア・クッション型揚陸艇)」で、6隻保有している。

LCACが活躍したのは、能登半島地震(令和6年1月1日)の時で、ご記憶にある方も多いのではないだろうか。

ただこのLCAC、整備コストがお高い上に、アメリカ製である。更に、運用開始から20年以上経過していて部品の入手にも苦労している状況。そろそろ、新しい揚陸艇が欲しいタイミングである。

ベール脱いだ!「異形の揚陸艇」自衛隊に配備まもなくの次世代装備 千葉県で初公開

2025.05.23 19:14

JMU(ジャパン・マリン・ユナイテッド)は、2025年5月21日から23日にかけて千葉県の幕張メッセで開催された大規模な防衛・安全保障の展示会「DSEI Japan 2025」において、海上自衛隊向けに建造する新型揚陸艇、「機動舟艇」のスケール模型を日本で初めて公開しました。

乗り物ニュースより
ベール脱いだ!「異形の揚陸艇」自衛隊に配備まもなくの次世代装備 千葉県で初公開

これも揚陸艇であり、LCACの代わりに導入されると思っていたのだが、どうやら別口らしい。

海自の上陸艇「そろそろ替えません?」 英老舗メーカーが新型を“積極提案” 独占インタビューで幹部が語った「日本が受ける恩恵」

2026.01.04

能登半島地震でも大活躍した海上自衛隊の「LCAC」。しかし、現在その運用体制に大きな問題が生じているとか。そこで、その後継装備にイギリスの老舗ホバークラフトメーカーであるグリフォンマリーン製の最新ホバークラフトが名乗りを上げています。

乗り物ニュースより

LCACの後継機はどうやらイギリスから売り込みがかけられているワイバーンになるっぽい。これはまだ決定していないので、今後の課題っぽいけれど。

ともあれ、今回ベトナムとの共同開発の話が出ているのは、おそらくはJMUが導入する予定の三胴型の揚陸艇だろう。この辺り正確なことは報道されていないので断定はできないが、他に選択肢がなさそうなので、ほぼ確定だとみている。

量産効果と防衛協力

今年には納入される予定になっている三胴型の揚陸艇を、なぜ今、ベトナムと共同開発なんて話になっているかというと、おそらく単純に量産効果を狙ってのことだろう。

「共同開発」にした理由は幾つか考えられるが、おそらく一番大きな要因はこちら。

政府与党が防衛装備移転三原則の運用指針の見直しへ
ようやく実現するか。他国と国際共同開発した武器、第三国にも輸出拡大へ 政府・与党検討2026年2月18日 5時00分武器輸出をめぐり、政府・与党は他国との国際共同開発品について、共同開発をした相手国以外(第三国)への完成品の輸出を拡大する方…

先般、防衛装備品移転三原則の見直しをかけたばかりだが、5類型の撤廃によって輸出しやすくなった面はあるにしても、ベトナムは共産主義国家である。輸出するためには、それなりのハードルがあるのだ。

そこで、共同開発という形にした方が、契約的にも色々と都合が良いという判断なのだろうね。

そもそもベトナムとそういう形にして良いのか?という躊躇はあるし、手を組んでくれる相手とも言い難い面はある。が、ベトナムは支那にとって厄介な相手という立ち位置なので、対支那という面では協力できる可能性があるのだ。

支那側から見れば、本当に厄介なのは周辺国が支那を上回る軍事力を持つことではない。平時から自国の動きを監視され、有事にはその情報が日本や米国などの友好国へ共有され、さらに迅速な対応を許してしまう環境が形成されることである。

まとめ

シーレーン防衛という意味で、日本がベトナムとの防衛協力が出来る体制になることは、非常に大きな意味がある。何かがあった時に、ベトナムが支那に対して牽制をかけてくれるだけでも、日本の防衛戦略にはかなり影響があるのだ。

更に言えば台湾との関係でも、ベトナムとの協力関係があることは意味深い。

ベトナムは日本の同盟国ではない。政治体制も異なり、支那との経済関係も深い。ベトナムの外交戦略的にも、支那との関係は切っても切り離せない部分はあるのだ。故になかなか一筋縄ではいかない相手ではあるが、日本が防衛を考えるには、こういった価値観の異なる相手ともしっかり付き合えるような体制を整えることも必要なのだと思う。

コメント

  1. 山童 より:

    まぁ、ベトナムは古くからシナ王朝、
    元軍、フランス、米国、中越戦争、
    カンボジアでの対シナ戦争と、
    大国相手に勝ってきた国で、大したものなのすが。
    しかし建前上も共産党の支配する社会主義国家なのだけど。
    かつての侵略者米帝の舎弟と共同開発すかぁ。ベトナムを支持していたカストロやチェ・ゲバラも、こんな日が来るとは思ってもおらんかったしょ😮‍💨

    まぁ、彼らが日本にどれだけなびくか判らんすけど。
    ベトナム戦争の米国よりは与し易い。
    ホンダのお陰で日本人気だし。

    かれらはメコンデルタあるし、地形的に高速揚陸型の船舶の開発は、島嶼と長い海岸線を持つ我々と条件が似てる気がするのすね。