こ、これはどうなんだ?
入札阻まれ量産にも暗雲…韓国防衛産業の「想定外の悪材料」
2026.10.27 11:20
入札参加制限に防衛産業事業者指定取り消し検討まで。LIGディフェンス&エアロスペース(LIG D&A)に対する韓国防衛事業庁の相次ぐ制裁に会社が訴訟で対抗し、1兆9000億ウォン規模の長距離空対空誘導弾事業の行方が裁判所の判断にかかることになった。
中央日報より
あー、二重に不味いね。
1つはLIGディフェンス社が、入札制限にかかってしまったこと。これと表裏一体の関係になるのだが、ハンファエアロスペース社の独占状態になってしまうこと。
あ、でもハンファエアロスペース社も、ペナルティー中だっけ?
KF-21戦闘機にとっても危機
入札不正に係る制限
一体、LIGディフェンス&エアロスペース社(以下、LIG D&A社)は何をやったんだ。
防衛産業業界によると防衛事業庁は20日に防衛事業契約審議委員会を開き、LIG D&Aの入札参加資格を2年間制限することにした。同社役員が防衛事業庁職員に数億ウォンの金品を渡した容疑で起訴されたのに伴った措置で、効力は29日からだ。防衛事業庁は最近産業通商部に小型無人機対応システム事業の防衛産業事業者指定取り消し検討まで要請した。事業者指定まで取り消されれば1223億ウォン規模の量産随意契約も結ぶことができなくなる。
中央日報「入札阻まれ量産にも暗雲~」より
入札不正ねぇ。
防衛産業界が25日に明らかにしたところによると、防衛事業庁は最近、産業通商資源部にLIG D&Aに関する検討を要請した。LIG D&Aの役職員らが防衛事業庁の公務員に総額4億6000万ウォン相当の金品を提供した疑いで、今年8月に裁判にかけられたことを受けた後続措置だ。防衛事業庁は先に同社に対し、2年間の入札参加資格制限という最高水準の処分を下しており、さらに追加制裁の手続きに入った形だ。
朝鮮日報より
防衛事業庁の職員に総額4億6000万ウォン相当の金品を提供したらしいのだけれど、韓国ではさほど珍しい事案でもない。
そして、記事にあるように、現段階では嫌疑がかけられた段階であって、まだ判決が出たわけではない。
指定取り消し
更に困ったことに、継続している事業があったことだ。
小型無人機対応システムは、軍のレーダーと連動して敵の小型ドローンを探知し、電波妨害で無力化する中核装備だ。防衛事業庁は2022年、LIG D&Aをこの分野のシステム開発主管企業に選定し、約244億ウォン規模の開発事業を進めてきた。後続の量産過程まで全て含めた総事業費は1223億ウォン規模だ。防衛産業企業の指定が最終的に取り消されれば、LIG D&Aは当該装備の後続量産について随意契約を結べなくなる。
朝鮮日報「LIG D&A、小型ドローン対応防衛企業の~」より
小型無人機対応システムの話って、どこかで扱ったような……。
あ、こいつか?

いや、こちらはハンファシステム社が関わっていた話で、ハードキルが専門。LIG D&A社の方は、こちらだった。
韓国が要撃ドローン防空網開発 LIGネクスワンなど3社入札
2026-07-20 17:06 (GMT+9)
韓国国防部が2030年までにドローン2万機以上の確保を目標とする「ドローン戦力化事業」に本格着手し、韓国防衛産業界の動きが慌ただしくなっている。
~~略~~
ドローン防衛体系市場では、LIG Nex1(079550)とHanwha Systems(272210)が激しい競争を繰り広げている。
LIG Nex1は小型ドローンを防衛するための「アンチドローン」体系を開発中だ。自社のAESAレーダーとジャミング技術を活用し、低高度で飛行する小型ドローンの操縦信号電波を遮断するソフトキル方式である。これと並行して、40キログラムまで搭載可能な輸送ドローンや無人ヘリコプター、韓国国防科学研究所と協力するAI基盤の群集無人機(UAS)の開発も進めている。
Financeより
ハンファシステムズ社と激しく競り合っているのがLIG Nex1とLIG D&A社なのだが、この入札でやらかした感じなのだろうか。
いや、そういえば、2021年~2023年の件だったようだよ。
韓国のLIG D&A社、2年間の入札禁止処分を受ける。14億ドルのKF-21ミサイル取引が危機に瀕する。
2026年10月20日 22:55
韓国のLIG D&A社は、国防調達事業庁(DAPA)により、国家契約法に基づく最高刑である2年間の入札禁止処分を受けた。
~~略~~
この制裁は、水原地方検察庁が8月に発表した防衛調達入札談合事件に端を発する。検察によると、LIG D&Aは2021年から2023年にかけての兵器システム開発入札において、防衛事業庁(DAPA)の職員に現金その他の貴重品4億6000万ウォン(約35万ドル)を提供した。
Financeより
まあ、明らかになってしまったのであれば仕方がない。
漂流するミサイル
んで、困ったことになったのがKF-21戦闘機なのである。
最も直接的な打撃を受けるのは、KF-21長距離空対空ミサイル開発計画だと予想される。韓国国防科学研究所(ADD)が主導するこのプロジェクトにおいて、LIG D&Aは今月初め、システム統合やシーカーを含む5つの試作分野で提案評価1位を獲得し、12月に最終契約を締結する予定だった。しかし、入札禁止措置は防衛関連企業にも例外を設けていないため、評価1位になったからといって契約が保証されるわけではない。また、国家契約法は原則として、入札資格が制限された企業との交渉による契約も禁止している。
Finance「韓国のLIG D&A社、2年間の入札禁止処分を受ける~」より
このブログでも何度か紹介したのだが、韓国で絶賛配備中のKF-21戦闘機のミサイルは頓挫する可能性が出てきた。

この記事を書いた時には、あまり正確に触れていなかったのだけれど、10月2日に決着がついたミサイルの開発主体がLIG D&A社で、ラムジェットエンジン開発をハンファエアロスペース社が受注している。
- システム統合(ミサイル全体の開発): 優先順位1位は LIG D&A(Hanwhaが2位で落選)
- 推進機関(エンジン・機体構造): 優先順位1位は Hanwha Aerospace(Hyundai Rotemが落選)
まあ酷い話である。
処分の執行停止を申し立て
更に酷い話が。
LIG D&A「2年入札制限」効力一時停止…裁判所、来月5日正式審理
2026.10.27 09:05
LIGディフェンス&エアロスペース(LIG D&A)が所属役員の賄賂供与容疑などで来る29日から2年間政府・公共機関入札に参加できない予定だったが、裁判所の臨時執行停止決定で制裁効力が一時中断された。
朝鮮Bizより
この話、どういうことかと言うと、LIG D&A社が裁判所に駆け込んで、異議申し立てをした結果、「2年間入札制限」の処分の一時停止が認められたという話。
そして、効果が一時止まっているうちに、11月中に予定されている優先交渉のプロセスや、12月の本契約(1.9兆ウォン)に滑り込める可能性が出てきた。
まさに漂流である。
まとめ
大変分かりにくい記事になってしまったが、結論を言うと、裁判所の胸先三寸でKF-21戦闘機のミサイル開発が継続できるかどうかが決まるという段取りになったということだ。
11月20日まで効果が停止しているうちに、優先交渉が進めば本契約に進める。
そして、場合によっては効果が再開することで、入札に至れない場合も。実は、ハンファエアロスペース社の方も、大田事業所の爆発死亡事故の沙汰が決まっていない状況。
実に政治的な臭いがするのだが、韓国で政治的でないことなど、存在しない。


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