そりゃねぇ、協議が進むわけがないんだよ。
核潜水艦・ウラン濃縮をめぐる協議が中断…韓国の相次ぐ要請にも米国は冷淡
2026.10.12.
韓国による対米戦略投資の第1号プロジェクトが発表されたにもかかわらず、韓米安全保障協議が依然として停滞しているのは、ドナルド・トランプ米政権が韓国に対する不信感や疑念を依然として払拭できていないためだとみられる。
NAVERより
秘密は守れないわ、投資はしないわ、アメリカから言わせればここ最近の韓国の対応は特に酷い。
韓国側にしてみたら、原子力潜水艦の製造許可を得られたのだから、国威発揚のためにもプロジェクトを前に進めたいという思惑があるのかもしれない。が、韓国側の都合だけで話は進まないのが、二国間協議に基づく話なのである。
互いの信頼が揺らいでいる状況でもあるので、中断もやむなしかな。
米韓同盟の未来に関わる
潜水艦建造に関する協議進まず
こちらの記事でも触れているのだが、最近は韓国がアメリカから随分と敬遠されている。

原子力潜水艦の建造に関して、米韓首脳会談でトランプ氏から許可を得たと韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)が大喜びしていたのが2025年の10月末のこと。

それから、紆余曲折はあったんだけど、「アメリカでなら作って良い」という話にはなったんだ。
とはいえ、韓国としてはアメリカで原子力潜水艦の建造をするつもりはなくって、何とか自国で作りたい。そこで、高濃縮の核燃料を使うタイプではなく、低濃縮の核燃料を使う方法で建造を進めようとしている。
ただし、米韓での米韓原子力協定の存在があるので、使用済み核燃料の再処理権限を確保しようにも一筋縄ではいかない。
12日、米ワシントンDCの情勢に詳しい外交筋は、「韓国政府の実務陣が、原子力潜水艦の導入やウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理権限の確保に関する議論を再開するよう米国側に要請しているが、米国は反応していない」と伝えた。この情報筋は、「米国が引き続き消極的な姿勢を見せているため、韓国政府もこれ以上要請を行わないという一種の小康状態が続いている」と述べた。
NAVER「核潜水艦・ウラン濃縮をめぐる協議が中断~」より
そして、上述の状況なので、アメリカは韓国との原潜関連の交渉はしたくないようだ。
米韓原子力協定とエネルギー法
ここで、今一度「米韓原子力協定」について振り返っておこう。
米韓、安保協議で核協力巡り議論 韓国の原潜建造計画も議題
2026年6月4日午前 10:05
米韓両国は今週、トランプ米大統領と韓国の李在明大統領が昨年合意した安全保障に関する共同ファクトシートに基づき、原子力協力を巡る初の協議を行った。韓国政府が3日明らかにした。
~~略~~
一方、原潜については「原子力の軍事利用に関わるため、米国のエネルギー法に基づき、別途の合意が必要になる」とした。
ロイターより
これは今年6月の協議に関するニュースである。
そもそも原子力利用に関しては、原子力協定という核物質・原子力関連資機材とこれらにかかわる技術の輸出入の際、平和利用に限定して軍事転用を防ぐために設けられる法的枠組みが各国に課されている。
日本も幾つかとの国と原子力協定を結んでいるが、多くは二国間協定の形をとっている。
米韓原子力協定もそういった類型の1つと整理して良いだろう。1974年に発効して現在は2015年に改訂されたものが最新である。
韓国の原子力利用の技術は、アメリカがルーツの技術である。そのため、その「平和利用」の為には協定が必要というのが、1950年代からの共通認識で、枠組みは1974年に作られて2015年に改訂された。
- 低濃縮ウランの国内製造(条件付き): アメリカとの事前協議・同意があれば、原発燃料用として「20%未満」の低濃縮ウランを国内で製造することが認められた。
- 研究目的の再処理: 核兵器に転用しにくいとされる「パイロプロセッシング(高温化学処理)」という技術の研究に限り、一部容認された。
で、こうした枠組みがあるので、原子力潜水艦を建造するにあって、基本的には軍事利用ができない。2025年の合意は、その例外運用を認める話なのである。
そして、それとは別に米国のエネルギー法(原子力法)の足枷もある。123協定とも言われるこの法律は、大統領同士の合意以外にも韓国政府が乗り越えるべき法律である。
ちょっとややこしいが、アメリカ大統領との二国間合意の内容が、123協定に違反していないことをアメリカ議会が承認しないと、結果的に韓国は原子力潜水艦製造にはたどり着けないのである。
原子力利用の話は、こういった多重ロックが各国に対して課されているんだよね。
米韓同盟の不和
さて、こうした前提で、米韓の不和に関して話を戻していこう。
NAVERの記事では、不和に関して、「国情院の諜報問題」と「ホルムズ海峡への参加躊躇」や「投資問題」などが問題だと指摘している。ああ、「クーパン問題」も指摘しているね。
主に韓国側の問題で、この問題は拗れているように見えるが、韓国側としてはどういう言い分があるのだろうか。
米国が国家情報院の情報・防諜活動に対して間接的に不満を示していることに加え、米国の参加圧力にもかかわらず、ホルムズ海峡の安定化作戦について韓国が依然として立場を固められていない状況が重なった結果である。
これを受け、ホルムズ海峡へのビジョン資産の展開など、韓米同盟を強化できる政策手段について、先制的にスピードを上げるべきだという声が上がっている。
NAVER「核潜水艦・ウラン濃縮をめぐる協議が中断~」より
この拗れは、アメリカ経済にも韓国経済にも深刻な影響をもたらすのでは、というのがNAVERの言及なのだが、なるほど、確かにそういう側面もありそうだ。
韓国の対米投資への躊躇
このブログでは何度も指摘しているが、アメリカ側が関税を盾に要求している無茶な投資要求は、韓国にとっては引くも地獄、行くも地獄の事案である。



現状で、韓国にとって保有しているドルを使った対米投資というのは、外貨準備に手を付ける行為に繋がりかねない。
だから、韓国財閥系企業に投資をしてもらおうとしているのだが、現在の貿易状態を見ると、残念なことにサムスン(サムスングループ)やSKハイニクス(SKグループ)くらいしか余裕がない。
ところが、サムスンもSKハイニクスも、韓国国内に投資することになっている。
アングル:韓国の半導体メガクラスター構想、電力と水不足の懸念に住民反発
2026年7月25日午前 8:02
韓国政府は6月後半、半導体とAI(人工知能)を軸とする新産業戦略を発表し、南西部に半導体クラスター(産業集積地)を構築する意向を示した。この計画は膨大な電力や水を消費するだけに、地元住民からの強い反発が最大の障壁となりそうだ。
いわゆる「湖南半導体産業団地」構想には、少なくとも800兆ウォン(約88兆円)の費用がかかると試算されている。今回の計画は、半導体ブームの波をソウル首都圏だけでなく地方へも波及させたい李在明政権の目玉施策と言える。
ロイターより
そして、その投資先であるはずの湖南半導体産業団地構想などは、電力問題や利水件問題などを抱えていて、順調とは言い難い部分がある。
が、何れにしても国内投資の方に力を割かねばならず、アメリカに投資をしている場合ではないというのが正直なところ。もちろん、両企業ともアメリカにも投資をしてはいるのだが。
そうすると、韓国としてもアメリカが求めてきている対米投資というのを実現することは、かなり無理筋であるという風に理解できると思う。
まとめ
結局のところ、韓国が原子力潜水艦を獲得するためには、アメリカの協力なしには実現不可能な状況である。それ故に、昨今の米韓同盟の隙間風の状況を見ていると、なかなかこの原子力潜水艦建造の話は前に進むとは思えない。
アメリカ側の主張は、アメリカの利益のために韓国に協力しろということであって、韓国の利益のためにアメリカが協力するという文脈で語ったところで、すれ違うだけなのは無理からぬことである。
アメリカの要望にどのような形で韓国が応え、その上でアメリカの協力を取り付けられるか?という観点で見れば、分かりやすく無理筋なのである。



コメント
こんにちは。
原潜、韓国は「欲しいから欲しい!」なのが最大の理由かと。
対北なら必要ない、対中対露は原潜どころか何一つ西側に協力しない(どころか瀬取りかます始末)。
原潜の使い所はズバリ、対日。これしかない。
日本の場合、太平洋に出た支那の空母を追っかけるには原潜以外あり得ないので、米軍内部は声には出さないけど「さっさと装備しろ」なのではと思えますが、韓国はそもそも対支那は何一つやる気が無い、どころか土下座外交ですからね。
万が一、その矛が自分達に向くことまで考えると、そりゃアメリカは首を縦に振らないですよね。
韓国のエラい人には、それがワカランのですよ……
※渡した武器が絶対にこっちに向かない保証=絶対の信頼、これが無いとダメ、というのが、韓国人にはどうしても分からないらしい。まあ、内政も外交も朝令暮改の国ですから……
こんばんは。
「メンツのために欲しいんだろう?」とアメリカにバレていますから、どうしようもありませんね。
対日用途かどうかはよく分かりませんが、北朝鮮も作っているからという理由はあるかもしれません。
アメリカ側は迷惑に思っているんでしょうね。
基本的にコウモリの分際で
パワーバランサーとか言ってましたからね。それは手玉に取るということで、ロイヤリティは欠片も存在しないだろうと米国は取る、
すると原潜化などに力を貸すわけないとおもうのすね。
パワーバランサー気取りにはびっくりですよね。
アメリカが強引な手に出ましたから、韓国側は慌てているようです。
トランプ氏が本当に原子力潜水艦の許可を出したとしても、NPT絡みの観点からなかなか議会は首を立てには振りませんよね。