当時はあまり興味を惹かれなかったので、真剣に調べていなかったのだが、コメントを戴いた切っ掛けで、少し調べたのだけれど、ヤバいなこれ。
築1年の新築マンションでテラス崩落、5万件の不具合報告…国土交通省・仁川市が本格的な調査を開始
2026年8月20日 16:28 KST
仁川市松島にあるラックスオーシャンSKビューマンションのテラス構造崩壊事故に関して、国土交通部と仁川市は、事故原因の究明と再発防止のため、共同調査を開始する。
仁川市は20日、国土交通部と共同で施設事故調査委員会を設置し、21日から11月30日までの3ヶ月間、本格的な調査を開始すると発表した。
khanより
韓国のマンションって、数年前も「本格的な調査」をやっていたハズなんだが、またやるのかね。
文化の違いと建設常識の違い
手抜きの伝統
2023年に衝撃の事件が起きた。
仁川マンション新築工事現場の地下駐車場が崩れ、地面が陥没する事態が引き起こされたのである。

このとき問題になったのが「無梁版構造」で、この「無梁版構造」は韓国の因縁構造でもある。それが、1995年に不法増築が問題で崩落した三豊百貨店崩落事故である。
この記事はまあまあ頑張って書いたので、一読いただけると嬉しい。

フラットスラブ工法、或いは無梁版構造は昔から韓国が得意としてきた構造ではあるのだが、残念なことに手抜きが出来る構造ではない。
過去にもそんな記事を書いたね。

鉄骨抜き、手抜きは、韓国の建築現場においては割と珍しくないのである。
今回のテラス
で、今回のマンションはどうだったのか?というと、象徴的な写真を発見したので、紹介しておきたい。

これ、脱落したテラス部分らしいのだが、個人的には衝撃だった。
事故のあったテラスは構造物の一端だけが建物スラブ(鉄筋コンクリート底板)に固定され、他方は突出して浮いているいわゆる「カンチレバー」構造だ。
建物を全て上げた後、突出テラス構造物を後につなぐ後施工過程で欠陥が生じたということだ。
このようなカンチレバー構造は、接合部施工が不良であると荷重に耐えられず、崩れる危険がある。
SKエコプラントは、テラス出入門区間の鉄筋「定着長さ」(構造物を支えるためのコンクリート内鉄筋の埋立長さ)が不足していたと推定した。
接合部鉄筋設計は190mmだったが、実際には140mmで50mmほど短く施工されたという説明だ。
また、事故部位にケミカルアンカー接着剤注入量が不足していた点も施工上問題だったと付け加えた。
毎日経済より
この記事の書き方がそもそも良く理解できない。

こちらの記事でも触れているのだが、後付けのテラスというのは構造的には日本ではやってはいけない部類の話。いや、あるにはあるのよ?金属製のテラスなど軽量なヤツは後付けで固定してあるから。でも、プレキャスト式のテラスを後付けするようなパターンは見られない。
その理由は、必要とされる耐荷重が実現できないから。
ところがこの記事によると、「鉄筋「定着長さ」が不足していた」、「ケミカルアンカーの接着剤注入量不足」と書かれている。
確かにケミカルアンカーは強固な接着力が期待は出来るのだが、それでも引き抜き荷重が継続的に生じる部分に使われるべきかというと、ケミカルアンカーの能力的には施工条件が満たされれば問題ないようだ。が、リスクがあるので、日本では採用例を聞かない方法なのである。
記事を読む限りは、韓国では割と一般的な方法のようだが。
調査委員会は事故原因究明へ
どうやら、テラスの後施工というのは、韓国ではメジャーな方法らしく、とにかく箱状の本体を作って、後から装飾的なテラス部分をくっつけるという手順で作る方が、全体工期の圧縮ができるようだ。
工期短縮による建設コストの圧縮は、韓国のマンション建設においては至上命題になりつつあるようで。
委員会は、構造工学、建設、法律などの分野の専門家10名で構成され、湖西大学教授で構造工学の専門家(韓国コンクリート学会会長)である洪建浩氏が委員長を務める。
今後、委員会は事故原因を究明するため、現場視察を実施し、設計・施工・監理・許認可を含む建設プロセス全体を綿密に調査するとともに、再発防止策を準備していく予定である。
毎日経済より
委員会が何処まで調査するのかは不明だが、この手のマンションは多岐にわたると思う。
上の写真で分かるように、鉄筋の長さもピッチも不十分ではあると思うが、鉄筋そのものが細い。
これ、どうやらプレキャストバルコニーを後付けする手法なのでこの様なことになっているらしい。
しかし、ということはSKエコプラントのこの形式のマンションは、みんなこの建て方で建っているという意味だろう。
会社側は、監理業者を刑事告発する案も検討中であると伝えられた。
こうした状況を受け、行政当局も本格的な事態収拾と原因究明に乗り出した。
仁川市は国土交通省とともに施設事故調査委員会(事調委)を立ち上げ、前日から精密な原因調査を行っている。
委員会は、来る11月20日までの3ヶ月間、設計・施工・監理・許認可など建設過程全般を集中的に精査する計画だ。
仁川市の関係者は「現在、現場ではテラス付き住戸に対する安全措置が講じられている」とし、「今後、現場調査などを通じて事故の原因を究明し、同様の突出型構造物についても安全対策を講じる」と述べた。
毎日経済より
どうやら、現場の施工管理を行っている監督業者が問題なのだという方向で事態収拾しようとしているが、これは本当に良いの?
日本の場合は耐震性の問題もあるので、同じ基準で作れとは言わないけど、あまりにも酷いのでは。
まとめ
日本の建築常識とはかなり違いのある韓国のマンション建設の在り方が垣間見えるのだが、そこは文化の違いでもあるのだろう。
建物を早く安く建てるための工夫は結構だが、その結果としてテラスが落ちてくるのでは本末転倒である。しかも、事故が起きるたびに施工業者や監理業者の責任を追及して終わるのであれば、韓国の建設業界は一体何を反省してきたのだろうか。
韓国の建設業界でも人手不足で外国人労働力に頼る実態になっているようで、技術力の低下というのも問題視される。が、今回はそれ以前の問題のような気がするんだよね。
プレキャスト式のバルコニーが良いかどうかという議論はともかく、しかし、重量のあるバルコニーを後から接合するのであれば、その接合部には相応の施工精度と品質管理が求められるわけで。
🏗 韓国建築特集シリーズ<ビルディング>
韓国で相次ぐ建築事故・橋梁崩落・施工不良問題に触れています。



コメント
鉄筋細っそ!!
ケミカルアンカー。
よーするに接着剤しょ?
あの細い鉄筋の断面に接着剤塗りたくって支えてたわけ?
落ちるだろそれは?
自明の理な事を考えないのかな?
三富百貨店のアレって、
まさかコレなの??
だったら殺人ですよ!!
日本はさ、それゃミスするけど、被害の後で本気でなおそうする。
電通で過労死あってから、勤務時間数とか厳しくなった。
高田馬場駅で、韓国人青年と日本人カメラマンが、線路に転落した酔っぱらいを助けようとして亡くなった。
そこからあのホームドアが計画され、
あちこち設置されてきた。
間違えはする。被害は出る。
でも必ず変えてきた!
なんでそれができない??
軍事政権下の韓国に行った事があるから、ものすごく重圧の高い社会な事は解る。だからこそ、本気で反応しそうなものだが。
彼らはアクセルを踏み込むのは、
肝が座ってる想う。
だけどブレーキを踏んで立ち止まってみる事ができないのか?