東京新聞が、意味ありげに「事情」とか書くから、どんなスゴイ種明かしがされるのかと期待したんだが。
アメリカ企業の無人機「シーガーディアン」一挙大量購入計画 防衛省、2900億円超要求の「事情」
2026年9月27日 05時00分
防衛省が米企業製の大型無人航空機「シーガーディアン」を「爆買い」しようとしている。2027年度予算の概算要求で17機分の取得費などとして計2922億円を計上した。同じ機種の機体は昨年、国内で航空事故を起こしたばかり。安全性は確保されているのか。これほど大量の機体を購入する理由とは。
東京新聞より
「なぜこれほど大量に取得するのか」と疑問に感じるのは良いことではあるが、どうして「不要だろう」という前提で記事を書くのかが分からない。圧倒的に数が足りないんだよ、海上の警備を行うにあたっては。
何のために購入するシーガーディアンなのか
海洋監視体制の強化
先日、貴重な1機を失ってしまった無人機事情だが、その事故が影響していることは先ず間違いあるまい。

本音では無人偵察機RQ-4「グローバルホーク」の追加発注がしたいのだろうと思うが、残念ながらアメリカ軍でもコスト面がネックで運用が中止になってしまった機体である。製造してもらうのは絶望的だ。
幸いにして、大型無人機MQ-9B「シーガーディアン」の方は運用実績が積み上がっている最中である。

海洋監視体制強化に使えることが確認できつつあり、かつP1哨戒機のエンジン問題を抱えていて、稼働率が高くない。
正直、P1哨戒機はエンジン改造を含めてバージョンアップを図って欲しいところではあるが、直ぐには難しいだろう。

一方で、長らく最前線をはってきたP3C哨戒機は、順次退役する予定となっているので、近年、特に支那からのちょっかいが増えている海洋監視体制を疎かにすることはできない。
つまり、「必要だから買う」んだよ。
何故今なのか
東京新聞のつまらないところは、こういった疑問に対して取材をして答えを出そうとするのではなく、妄想と決めつけで答えを出そうとする点である。
だが、ある自民党国防族は取材に「無人機の技術革新は日進月歩で陳腐化も早い。そんな大金を海外の一機種につぎ込むより、むしろ国産機の開発を優先するべきじゃないか」と語る。
東京新聞「アメリカ企業の無人機「シーガーディアン」~」より
そりゃ、国産機の開発を優先して欲しいとは、僕も思うのだ。だが、海洋監視体制の強化は急務であり、開発が成功するかも分からない国産機開発だけに頼るのは如何にも危険だ。
そして、開発には長い時間を要するものである。今のところ、自衛隊でも無人機の開発は継続して行ってはいるが、正直、シーガーディアンと同等の機能を持たせるところには遠く及んでいない。
必要な事項を進めるのに、プランBを用意しておくのは、当然だろう。
多すぎるのか
ちなみに、17機を大人買いした。トランプ氏に媚びを売っているんだと、まことしやかに噂を流している人を見かけたが、17機を購入したところで、既に計上された6機と併せて23機しかない。
海上保安庁の5機と一緒に運用していくことになるとは思うが、それでもMQ-9Bは航空機である以上、常時飛び続けられるわけではない。
定期整備もあれば訓練もあり、事故や故障による離脱もある。
例えば良く言われる3交代制を考えれば、実働9機ということになるので、広大な日本周辺海域を考えれば決して過剰な数字とは言えないどころか、寧ろ足りないくらいだろう。
恐らくは、未だ残っているP3C哨戒機や不調なP1哨戒機などと共に運用していくことで穴埋めする計画なのだろうが、それでも多いとは思わない。
将来的には、国産のドローンなどを開発して、ここに加えて機能を強化していくにしても、今すぐには無理なのである。
まとめ
近年、支那の海洋侵出の関連で、海上警備能力の充実は急務とされつつある。そして、運用の始まっているMQ-9B「シーガーディアン」は、それなりの成果を収めつつあって、もともと体制強化の予定はあったのだ。
どうせ必要な装備を調達するのであれば、対米調達を進めるタイミングとしても、それほど悪くはない。
そして、17機をまとめて発注となると、「多いのではないか」という印象を持たれる方も少なくはないだろうが、日本の海洋監視体制の強化を考えれば、常時9機を飛ばして監視する程度では、まだまだ十分とは言い難いだろう。
色々な意見はあるだろうが、「何故必要なのか」は、もうちょっと真面目に考えて戴きたいものである。


コメント
MQ-9Bも在日米軍と共同運用するのかな
最も高くつくのが衛星通信網だから